水谷監督による水谷組。印象に残っている演出は?
檀れい「水谷監督は、俳優の時もそうなんですが、まずはみんなにグータッチでおはよう!ってするところから始まります。スタッフの若い人たち、隅々までご挨拶して、私たちにもご挨拶して、それが朝の一番の儀式のような感じなのですが、グータッチからいただくエネルギーは本当に大きくて、よし、今日も一日頑張るぞと、監督としての水谷さんは、どこからこんなアイデアが生まれるの?このユーモアのセンスってすごいなと本当に演出を受ける度に刺激とドキドキとワクワクといろんな感情が入り混じって、毎日楽しい現場でした。終わる頃には、まだ終わってほしくないというくらい楽しい現場を過ごさせていただいていました」
石丸幹二「水谷豊さんは、一度最初はドラマでご一緒させていただきまして、その時にも感じたんですけども、一緒に共演している私たちの心をフワッと緩ましてくれるんです。まるで北風と太陽で言えば、太陽のような方。今回の作品のタイトルにもなっておりますけども、水谷豊とボレロという感じですよ」
会場「(拍手)」
石丸幹二「何を言っているんだと思うかもしれませんけど、ご覧いただくとわかりますけど、水谷さんワールドなんです、この映画が。檀さんもおっしゃいましたけども、一緒にいるスタッフ、俳優、参加してくださるエキストラのみなさんの心をフワッと緩ましてくださる、それが水谷豊さんの僕が一番好きなところだし、ここに参加してよかったなと思うところでした」
町田啓太「僕も本当に、檀さんもおっしゃっていましたけども、アイデアが毎回現場でいただくその時間が本当に楽しくて嬉しくて。演出を水谷さんが考えられて、僕のところに言いにこられる時に、ふくみ笑いをされながら近づいてこられるんですけど、それに対して僕もなぜだかまだ聞いていないのに、僕も笑って2人でずっと笑っているところが、結構あったんですけど、それくらい僕も本当に楽しみでしたし、毎回毎回刺激的で、こんな時間をずっと過ごせたらいいなと思うくらい夢のような時間でした」
森マリア「不安もたくさんあったんですけども、水谷監督が演出を実際に芝居を見せてくださるんですよ。だからこういうふうに演じたらいいというのを大スター自らが教えてくださるので、イメージを一緒に共有してくださるのは、本当に助かりました。みなさんが本当に温かいので、こんなに楽しい現場って本当にあるんだと思いました」
水谷豊「みなさん、そんなことを思ってらしたんだと、どうしてそのこと現場でいってくれないんだろうって、冗談ですけどね。僕はね、みなさんに監督としてやらなくてはいけないこととして、どこにいきたいのか、みなさんに伝えなければいけない、そのイメージを伝えているだけで、やってくださるのはみなさんなんですね。撮影の印象は、みなさんがやっているのを見て楽しむ印象が今回一番強かったですね。みなさん、ありがとうございます。本当に」
演奏シーンも見どころのひとつ。吹替なしでの演奏シーンを担当した町田と森
町田啓太「試練でしたね」
森マリア「毎日楽器に触っていましたね」
町田啓太「僕たち交響楽団ということで、これネタバレになりそうなので、いろいろとどめておくんですけど、実際にこういった舞台でちゃんと演奏させてもらうんですね。楽屋でみんな待機してるんですけど、ずっとみんな練習していましたね。それが、交響楽団といいますか、みんなでやろうという感じが出ていて、その時間が僕は印象的で、僕も頑張らねばと。誰かが音を出したら誰かが続いて、ずっとやっていましたね」
森マリア「共通言語として音楽という話題があったので、ほかの現場よりも一体感が感じられました」
練習時間は?
森マリア「私は1日7時間練習していました」
町田啓太「僕は期間的には1年以上練習をやらせてもらっていたんですが、トランペットは音が大きいもので、家でどう練習しようと思ったんですけど、布団をかぶり(笑)、時にはマウスピースだけで練習したり、そんなふうに練習していました」
最後に主演の檀れいと水谷豊監督からメッセージ
檀れい「この作品は、クラシック音楽を題材にした作品です。クラシック音楽と聞くと敷居が高いのかなと思ったりするかもしれませんが、本当にこの作品はユーモア溢れる作品なので、肩の力を抜いて、存分に作品を楽しんでいただけたらいいなと思っております。個性豊かなメンバーたちに囲まれていろんな問題も起きますが、最後には小さな小さな奇跡が起こります。観終わった後、きっとみなさんの心を幸せにしてくれてくれることと思います。どうぞ最後まで楽しんでください。よろしくお願いします」
水谷豊監督「『太陽とボレロ』公開前の特別な1日、東京プレミアの日です。そして今日は実は高円宮妃久子殿下が、みなさんと一緒に『太陽とボレロ』をご覧になってくださいます。まさしく特別な日になりました。久子様は、30もの組織や団体のお力添えをなさっています。日本アマチュアオーケストラ連盟の総裁でいらっしゃいます。その久子様がこの映画を観てくださる。かと言ってもう内容を変える訳にはいきません」
会場「(笑)」
水谷豊監督「ありのままを観ていただくしかないのですが、芸術と音楽に造詣の深い久子様が来てくださったこと、我々深く感謝しております。久子様、どうもありがとうございます」
会場「(拍手)」
水谷豊監督「『太陽とボレロ』ですが、2018年に僕にとっての3本目の映画を考えようとなった時に、フッとクラシックの世界はどうだろうと舞い降りたようなもんなんですね。最初にイメージをしたのが、世界的なオーケストラ、その演奏会、コンサートホール。演奏が始まって、中盤に差し掛かって、その頃にいくつかの楽器にさまざまな仕掛けが施されていて、音楽が盛り上がった時に、バタバタと人が倒れていく。と考えた時に、“ちょっと待てよ、これは「相棒」じゃないからと思い直しまして、そうだ、今回はユーモアを交えた作品を作りたいと思っていたので、経済的に逼迫しているアマチュア交響楽団の話はどうだろうと思って考えたのが、今日みなさんにご覧いただく『太陽とボレロ』です。いい映画とは人それぞれだと思いますが、いい映画を観た日というのは、1日幸せな気分で過ごせますし、また何十年経ってその映画を思い出してその世界に浸って、当時の自分の人生を振り返って懐かしんでそんなことができます。『太陽とボレロ』が誰かにとってそんないい映画になったらこんな嬉しいことはありません。みなさま、今日はありがとうございます」
会場「拍手」
STORY
ある地方都市のアマチュア交響楽団。主宰者である主人公の花村理子(檀れい)は18年間、個性豊かなメンバーとともに活動してきた。みんな音楽を愛する普通の人々。しかし、楽団の経営は苦しく必死に奔走する理子だったが、ついに楽団の歴史に幕を閉じる決断を迫られる。そして、最後にして最高のコンサートがはじまる!
映画『太陽とボレロ』
6月3日(金) 全国ロードショー
出演:檀れい、石丸幹二、町田啓太、森マリア
田口浩正、永岡佑、梅舟惟永、木越明、高瀬哲朗、藤吉久美子、田中要次
六平直政、山中崇史、河相我聞、原田龍二、檀ふみ
水谷豊
監督・脚本:水谷豊
制作プロダクション:東映東京撮影所 東映テレビ・プロダクション
配給:東映
©2022「太陽とボレロ」製作委員会
公式 HP:sun-bolero.jp