間宮祥太朗を主演に迎え、島崎藤村の原作を60年ぶりに映画化した『破戒』が、北米で開催されるアジア映画を専門とする映画祭である、第20回ニューヨーク・アジアン映画祭で正式出品され、上映されることが決定した。

過去、1948年・木下恵介監督、1962年・市川崑監督と名だたる巨匠が映画化してきた島崎藤村(1905(明治38)年)によって自費出版された長編小説「破戒」。本作では被差別部落に生まれた主人公の苦悩が書きつづられ、また出版されて117年の時が流れた現在にも、部落差別のほか多くの差別が残る。そんな『破戒』が60年ぶりに映画化され、7月8日(金)より丸の内 TOEIほかにて全国公開となる。

主演を務めるのは、近年、映画『東京リベンジャーズ』や TV ドラマ「ファイトソング」に出演するなど、目覚ましい活躍の間宮祥太朗。出自に苦悩しつつも、最後にはある決断をする主人公・丑松という難役に挑戦する。
相手役・志保を演じるのは若手女優の石井杏奈。志保は、丑松に恋心を寄せつつも、なかなか思いを告げられない慎ましい女性。
悩める丑松を支える親友・銀之助役には矢本悠馬が演じるほか、眞島秀和、高橋和也、竹中直人、本田博太郎、田中要次、石橋蓮司、大東駿介、小林綾子といった俳優陣が顔を揃えた。
監督を務めるのは、椎名桔平主演の映画『発熱天使』(高崎映画祭招待作品)や、キネマ旬報「文化映画部門」ベストテン7位の『みみをすます』(教育映画祭最優秀賞・文部科学大臣賞)を手がけた前田和男監督。
脚本は、『クライマーズ・ハイ』『孤高のメス』『ふしぎな岬の物語』で日本アカデミー賞優秀脚本賞のほか、数々の受賞歴を誇る巨匠・ 加藤正人と、『バトル・ロワイアル II 鎮魂歌』で第58回毎日映画コンクール脚本賞を受賞した木田紀生が担当。
制作は東映京都撮影所が担当し、明治後期の時代を違和感なく高い次元で映像化を実現した。

物語の舞台は、まだ身分制度の影が残る明治後期。予告映像の冒頭は、丑松の「なぜ好きな人に気持ちを伝えることが、できない」と苦悩のナレーションから始まる。「部落⺠という素性を 隠せ」という父からの強い戒めを受け、身分を隠し教師となった丑松は、下宿先で士族の娘・志保と出会い、彼女への想いに心を焦がすようになる。誰にも自身の出自を明かすことのできない丑松だったが、「この世の矛盾に命懸けで切り込む人間を下等だというのなら、私は進んで下等な人間になります」と感情を剥き出しに。丑松が父の戒めを破り、切り拓こうとした未来とは――

今回、第20回ニューヨーク・アジアン映画祭で『破戒』が正式出品され、上映されることが発表となった。ニューヨーク・アジアン映画祭は、北米で開催されるアジア映画を専門とする最大級の映画祭で、今年で20回目を迎える。映画祭の会期は7月15日から7 月31日までリンカーン・センター内の映画館、ウォルター・リード・シアターで開催される。

※映画祭公式ウェブサイト https://www.nyaff.org/

間宮祥太朗と、前田和男監督から喜びのコメントが到着した。

コメント

間宮祥太朗のコメント

映画「破戒」がニューヨークアジアンフィルムフェスティバルに御招待頂いた事、とても嬉しく思います。この映画は日本においての差別をテーマに描いた小説が原作となっています。100年以上前に書かれた原作なのですが、様々な差別やハラスメントが浮き彫りになってきている今だからこそ、この映画が昔の話として括られるのではなく、今も続いている普遍的な物語としての力を発揮できるのではないかと思います。これは希望の物語です。主人公、丑松の祈りが日本だけでなく世界に広がっていく事を願っています。

前田和男監督のコメント

前略 島崎藤村先生
先生、ニューヨークです。
百年以上も未来のニューヨークで、映画「破戒」が上映されます。
先生はピンとこないかもしれませんが、これはとても光栄なことなのです。
夏目先生が、「後世に伝えるべき名篇だ」と絶賛した名作は映像に形を変えはしましたが、この先進的な国際映画祭に招かれ世界中の人々に向けて発信されます。丑松の目の輝き、志保の凜とした佇まい、銀之助の熱い正義感、そして先生がこの作品にこめた強い思いが、この地から世界中に、そしてさらに未来へと伝わり広がっていくことでしょう。微力ながらそのお手伝いができたこと、誇りに思います。
監督 前田和男

本予告映像

画像: 映画『破戒』本予告映像(7月8日公開) youtu.be

映画『破戒』本予告映像(7月8日公開)

youtu.be

STORY

この戒めを破り、明日を生きる ――

瀬川丑松(間宮祥太朗)は、自分が被差別部落出身ということを隠して、地元を離れ、ある小学校の教員として奉職する。彼は、その出自を隠し通すよう、亡くなった父からの強い戒めを受けていた。 彼は生徒に慕われる良い教師だったが、出自を隠していることに悩み、また、差別の現状を体験することで心を乱しつつも、下宿先の士族出身の女性・志保(石井杏奈)との恋に心を焦がしていた。友人の同僚教師・銀之助(矢本悠馬)の支えはあったが、学校では丑松の出自についての疑念も抱かれ始め、丑松の立場は危ういものになっていく。苦しみのなか丑松は、被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎(眞島秀和)に傾倒していく。 猪子宛に手紙を書いたところ、思いがけず猪子と対面する機会を得るが、丑松は猪子にすら、自分の出自を告白することができなかった。そんな中、猪子の演説会が開かれる。丑松は、「人間はみな等しく尊厳をもつものだ」という猪子の言葉に強い感動を覚えるが、猪子は演説後、政敵の放った暴漢に襲われる。この事件がきっかけとなり、丑松はある決意を胸に、教え子たちが待つ最後の教壇へ立とうとする。

映画『破戒』

7月8日(金)より丸の内 TOEI ほか全国公開

キャスト:間宮祥太朗 石井杏奈 矢本悠馬 高橋和也 小林綾子 七瀬 公 ウーイェイよしたか(スマイル) 大東駿介
     竹中直人 / 本田博太郎 / 田中要次 石橋蓮司 眞島秀和
©全国水平社創立100周年記念映画製作委員会
企画・製作:全国水平社創立100周年記念映画製作委員会
制作:東映株式会社
制作協力・配給/宣伝:東映ビデオ株式会社
制作プロダクション:東映株式会社京都撮影所
原作:島崎藤村『破戒』
脚本:加藤正人/木田紀生
監督:前田和男
音楽:かみむら周平
公式サイト:http://hakai-movie.com/
公式Twitter:@hakai_movie
公式Facebook:@hakaimovie

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