映画『死神遣いの事件帖 ‐月花奇譚‐』が11月18日より公開。今作は映画と舞台を完全連動させるプロジェクト『東映ムビ×ステ』シリーズ『死神遣いの事件帖』の最新作で、シリーズ4作目。鈴木拡樹が演じる“死神遣い”の久坂幻士郎と、安井謙太郎が演じる“死神”の十蘭が、江戸で起こった新たな事件の解決に乗り出す。シリーズ1作目となる2020年公開の映画『死神遣いの事件帖 ‐傀儡夜曲‐』以来の共演となる二人。再会の時の想いや、舞台版の感想、今作の物語にちなんで子どもの頃の思い出などを話してもらった。また現在発売中のSCREEN+Plus vol.81では、続編へ挑む気持ちや二人が寿命を縮めてもほしいものなどについても明かしてくれている。
撮影/奥田耕平(THE96) スタイリスト/[鈴木]中村美保、[安井]山野未二依 ヘアメイク/[鈴木]AKI、[安井]大島ちほ 文/瀧本幸恵
衣裳/鈴木] ロングシャツ ¥57,200、パンツ ¥29,700(ともにnude:mm/Karaln [03-6231-9091)、靴 ¥29,700(ASICS RUNWALK/アシックスジャパン株式会社 お客様相談室 0120-068-806
[安井]ジャケット(CITYSHOP×L'ECHOPPE)、Tシャツ(FINN)、パンツ(CITYSHOP×L'ECHOPPE)、シューズ(ISSUE)、ネックレス(CITYSHOP)
※すべて税込み価格
画像1: 鈴木拡樹×安井謙太郎 『死神遣いの事件帖‐月花奇譚‐』インタビュー

――2年ぶりの続編ということで、現場で幻士郎、十蘭として再会した時はどんな想いがありましたか。
鈴木「実はお互いの初日が少しずれていて、僕のほうが先に現場に入っていたので“待ってました!”という感じでした。一人で撮影をしながら“やっぱり十蘭がいないと寂しいな”と思っていたところに来てくださったので」
安井「とは言っても、2日違いぐらいだったんですけど、僕が入った時にはすごい安定感があって。“1週間ぐらい撮影していました?”というくらい。しっかり現場と幻士郎が出来上がっていたので、僕としては前を思い出しながら、拡樹くんが作ってくれたところに入れたので楽でした(笑)」
鈴木「安井くんが来るまでの間に、殺陣ではないところの、幻士郎にとってはなかなか苦しいシーンをまとめて撮っていたので、一山超えた顔をしていたのかも知れないです(笑)」
――見どころの一つであるアクションシーンの撮影はいかがでしたか。
鈴木「まずは単純に第2弾となるので、前作よりもさらにパワーアップしたいと思って、アクションシーン自体が多くなっています。それから、今回は弱点を突かない限り倒せない“腐乱人(ふらんじん)”が相手の場面があるので、この手があったから倒せたという瞬間を一人ずつ明確に見せる必要があって、その作業は難しいポイントでした。それを考える殺陣師の方はもっと難しかったと思いますけど(笑)。普段であれば斬った個所がわかりやすくなることを意識するんですけど、今回はどこで仕留めたのかをわかりやすく見せないと、敵を完全に倒して行動不能にしたのか、それとも一瞬動きを止めさせたのかがわからないので」
――安井さんは映画では少なかったですが、前作の舞台版では殺陣のシーンも多かったですよね。
安井「そうなんです。殺陣なんてやったことがなかったのに、ものすごく大きな剣で戦わされて(苦笑)。すごく大変だった思い出があります。けど、その経験があるからこそ、改めて舞台の拡樹くんをすごいなって思いました。映像の殺陣も超カッコいいんですけど、映像は何回もカット割りを変えて、それで一番良く見えるように作品として一つに作っていくから、ある程度はカッコよく見えて当たり前のところもあるんです。けど、拡樹くんは生でも映像と遜色ないというか、むしろ生で見た方が臨場感が増してて。“舞台の鈴木拡樹はすげぇな”って」
鈴木「ありがとうございます(笑)」
安井「ホントハンパじゃないって思いました」
――この『死神遣いの事件帖』シリーズは、2020年に1作目となる映画『‐傀儡夜曲‐』と2作目の舞台『‐鎮魂侠曲‐』があり、今年3作目の舞台『‐幽明奇譚‐』が上演され、4作目が今回の映画『‐月花奇譚‐』となります。『‐鎮魂侠曲‐』は安井さんのみ、『‐幽明奇譚‐』は鈴木さんのみの出演となりましたが、お互いに自分が出演していない相手の舞台を観た時はどう思いましたか。
鈴木「映画では一つの役を基本的には一回しか演じませんけど、舞台だと何公演もあるので何度も演じるじゃないですか。それに期間も長いのでそれだけキャラクターと向き合う時間も増えて、いろいろ感じることもある。だから(安井に)一歩先に進まれたような感じはしました。次にもし一緒に演じることになったら追いかけるのが大変だと思っていました。それから、ストーリーのことで言うと、『‐鎮魂侠曲‐』を経て、十蘭が“人間”というものを学習して、1作目と比べて死神なのに人間くさくなっているなと思いました」
安井「『‐傀儡夜曲‐』と『‐鎮魂侠曲‐』では、演出の方も脚本の方も違ったので、作品の解釈が良い意味ですごく違っていたんです。僕はその2作を続けてやったこともあって、学ぶことも多くて、“こんな十蘭もアリなんだ”と思いました。それから、僕が『‐幽明奇譚‐』を観て思ったことは、映像でもハンパなかったですけど、やっぱり舞台の鈴木拡樹は“帝王だな”と。あとは亞門(小林亮太)とのバディ感が、純粋にすごいなと思いました」
――次回は舞台で共演できるといいですね。
安井「いや、僕は(鈴木がすごすぎて)同じ舞台の上に立つのが怖くなりました(笑)。そのくらいすごかったんです」
――逆にこれは映画にしかないなと思う部分はありますか。
鈴木「CGは豪華になるんだろうなと」
安井「京都の太秦で撮影をさせていただいているんですけど、何度行ってもあの雰囲気はすごいなと思うので、そこは一つだと思います。あと、直接的な見どころではないんですけど、(同じ映画と舞台を完全連動させるプロジェクト『東映ムビ×ステ』作品の映画)『漆黒天 –終の語り–』を観た時、同じ場所を使っているのに気づいたんです。全然違う雰囲気の作品なのに、同じ場所が出て来て」
鈴木「それで言うと、僕も古い時代劇を観ていたら、“ここ知ってる!”ってなりました(笑)」
安井「場所に愛着が湧きますよね。それは太秦を使って撮影をさせていただいている映画ならではの部分だとも思います」
鈴木「やっぱり歴史を感じますよね。ここでいろんな時代劇がを撮影させてきたんだなと思うと、鳥肌が立ちました」
――太秦映画村は見学もできますから、ファンの方は聖地巡りもできますね(笑)。
鈴木「探せばすぐにどこで撮影していたかわかると思いますよ」
安井「一番やりやすいロケ地巡りツアーかもしれない(笑)。1日で周れますから。ナイスポイントですね」

画像2: 鈴木拡樹×安井謙太郎 『死神遣いの事件帖‐月花奇譚‐』インタビュー

――今作ではハナ(清宮レイ/乃木坂46)の子どもの頃の記憶が一つのキーポイントになりますが、お二人は今でも覚えている何気ない子どもの頃の記憶は何かありますか。
安井「今、そう言われて急に思い浮かんだことなんですけど、昔、友達の家のマンションの敷地内に、“ここには入ってはいけないよ”って言われていたコンクリートの坂みたいな場所があったんです。でも子どもだから、そう言われると入って遊んでみたくなるじゃないですか(笑)。それで、そこを滑り台みたいな感じに使って遊んでいたら、思いっきりお腹を擦りむいてしまって。めっちゃ痛くて、その時に“ルールは守った方がいいんだ”と思ったことを思い出しました。僕、あんまり傷が膿んだりするほうではないんですけど、その時、初めて膿んで、すごく長引いたんですよね。それで、ダメって言われたことをやると、嫌なことが時には起こるんだと身をもって経験して。ルールの中では遊ぶことの大切さを学んだケガでした(笑)」
鈴木「僕、あんまり音楽を聴く方のタイプではないんですけど、お姉ちゃんがピアノを習っていた影響で、僕も音楽教室に通ってピアノや歌を習っていた時期があったんです。でも当時は自分に合わないと思って、すぐに辞めてしまって。今になると続けていたらどうなっていたんだろう?と思います。きっともっと音楽が好きになっていたと思うし、ミュージカルとかにも役立ったんじゃないかなって。当時は友達と遊ぶことのほうが楽しくて選ばなかったんですけど」
――他にもお姉さんの影響でしていたことはありますか。
鈴木「めっちゃあります。習字、スイミングスクール、テニス、そろばん、塾……まだまだあります(笑)。全部お姉ちゃんの影響で、その中からしか好きなものを探せなかったんです。でもそういう環境で自分で選ぶことをしてこなかったからこそ、今、大人になって自分の道を自分で選ぶようになったのかも知れないとも思うので、そういう意味では役に立っているのかもしれないですね」

PROFILE

鈴木拡樹 
1985年6月4日生まれ
大阪府出身

〈近年の主な出演作〉
映画『ナイト・オブ・シャドー魔法拳』日本語吹替版(2020年)
映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(2020年)
劇場特別版『カフカの東京絶望日記』(2020年)
映画『死神遣いの事件帖-傀儡夜曲-』(2020年)
映画『ミニオンズ フィーバー』日本語吹替版(2022年)
ミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」(2020、21年)
舞台「最遊記歌劇伝-Sunrise-」(2021年)
舞台『刀剣乱舞』 无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣- (2021年)
舞台「バクマン。」THE STAGE(2021年)
舞台「死神遣いの事件帖 -幽明奇譚-」(2022年)
舞台「アルキメデスの大戦」(2022年)
〈待機作〉
『映画刀剣乱舞-黎明-』(2023年公開予定)

画像3: 鈴木拡樹×安井謙太郎 『死神遣いの事件帖‐月花奇譚‐』インタビュー

安井謙太郎
1991年7月21日生まれ
神奈川県出身
7ORDERのメンバー(リーダー)

〈近年の主な出演作〉
TV番組「イケダンMAX」(2019-20年)
TV番組「イケダン7」(2020年)
映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』(2020年)
舞台「7ORDER」(2019年)
舞台「死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-」(2020年)
演劇の毛利さん–The Entertainment Theater Vol.0 リーディングシアター『星の王子さま』・『夜間飛行』(2021年)
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』 Rule the Stageシリーズ(2022年)
朗読劇『私の頭の中の消しゴム 13th Letter』(2022年)

画像4: 鈴木拡樹×安井謙太郎 『死神遣いの事件帖‐月花奇譚‐』インタビュー

『死神遣いの事件帖 ‐月花奇譚‐』

ムービー(映画)×ステージ(演劇)の融合を目指す革新的エンターテインメント【ムビ×ステ】の第4弾『死神遣いの事件帖 -月花奇譚-』。前作の『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』に引き続き、主人公・久坂幻士郎を演じる鈴木拡樹とその相棒の死神・十蘭の安井謙太郎が、再度息の合ったコンビネーションを見せる。本作の主題歌は、十蘭役の安井がリーダーを務める7ORDERの新曲「爛漫」。

画像5: 鈴木拡樹×安井謙太郎 『死神遣いの事件帖‐月花奇譚‐』インタビュー

〈CAST/STAFF〉
出演:
鈴木拡樹 安井謙太郎(7ORDER)
北村 諒 清宮レイ(乃木坂46) /崎山つばさ
水石亜飛夢 高田里穂 松本寛也 北川尚弥 田辺幸太郎
陳内 将 小林亮太 田邊和也
浜田 学/西田 健
脚本:須藤泰司
監督:柴﨑貴行
音楽:YODA Kenichi
主題歌:「爛漫」(日本コロムビア)
配給:東映ビデオ
2022年11月18日公開
©2022 toei-movie-st

公式HP : shinitsuka.com

〈STORY〉
時は、将軍・家光の治世。
だが、太平であったはずの江戸の町は、“腐乱人”という名の亡者たちによって混乱に陥っていた。 墓場から蘇った“腐乱人”は生者の肉を求めて町民を襲い、噛まれた者は“腐乱人”に変貌し、正気を失う。 次々と増殖する“腐乱人”の恐怖。脅かされる人々の暮らし。 そんな中、久坂幻士郎(鈴木拡樹)と死神・十蘭(安井謙太郎)は、記憶を失った少女(清宮レイ)と出会う。 「ひとつ、お願いしたい。私が誰なのか、探してもらえないだろうか」 そう依頼された2人は、自分の名も思い出せない少女に「ハナ」と名づけ、彼女の過去を探りはじめる。 不穏なる笛の音。忍び寄る妖術師・空真(北村諒)の影。そして、“腐乱人”に込められた憎悪と怨念。 幻士郎と十蘭は、庄司新之助(崎山つばさ)ら鬼八一家と力を合わせ、空真の陰謀に立ち向かう。 拡大し続ける呪いのパンデミックを、蘭斬刀が、今、断ち切る……!

主題歌情報
7ORDER 4th SINGLE「Growing up / 爛漫」
2022年11月16日(水)リリース
・<初回限定盤A>CD+DVD ¥2,530(TAX IN)
・<初回限定盤B>CD+DVD ¥2,530(TAX IN)
・<初回限定盤C>¥3,300(TAX IN) CD+DVD+PHOTOBOOK
・<通常盤>CD Only ¥1,430(TAX IN)

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