スーパーシェフとなった遠海翔太(神山智洋)と寺の元副住職という経験を最大に生かした接客術で客の心をほぐす方丈輝元(中村海人)。「ミッドナイト屋台」を通して築き上げた関係性やドラマの魅力についてもたっぷりと語る!
(撮影/SCREEN+Plus編集部 取材・文/佐久間裕子)

<PROFILE>
神山智洋
生年月日:1993年7月1日生まれ
出身地:兵庫県
WEST.のメンバー
<近年の主な出演作>
映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』(25年)
ドラマ「白暮のクロニクル」(24年)
ドラマ「正しいロックバンドの作り方」(20年)
――シーズン2の制作が決まったときの心境はいかがでしたか?
神山 シーズン2という形で続くドラマが初めてなので素直に嬉しかったです。さらにこれからも続けていきたい気持ちがあります。
中村 僕もこんなにすぐシーズン2ができて嬉しいです。翔太と輝元のデコボコ感を再び見られるのは、自分でも嬉しいなって思いました。
――反響は感じていらっしゃいましたか?
神山 我が家のじいちゃんばあちゃんは、僕が出ている作品を全てチェックしてくれるので、毎回観た後や最終回の後にも連絡をくれました。友達も観てくれて、「この料理が食べたい!」みたいに感想を言ってくれるので、僕も「じゃあ今度、遊ぶときに作るわ!」なんて言うて。周りの人からも「観るとお腹が空く」って言われることが多かったです。
中村 最近一緒にお仕事をした人が「ミッドナイト屋台」の話題を出したり、ドラマのゲスト出演した方の中にも、「観ていたので出演できてうれしいです」という方がいらっしゃって。「ミッドナイト屋台」を観ていた人がいっぱいいたんだなって改めて感じました。
――シーズン1の翔太と輝元は回を追うごとに、どんどん良いコンビになっていきましたが、神山さんと中村さんの関係性に変化はありましたか?
神山 撮影期間毎日のように一緒にいましたからね。ここまで気楽に話せる後輩は、僕にはあまりいなかったので嬉しいです。
中村 僕も先輩だけど、すごくラフに話せる相手が近くにいるのはすごく嬉しいです。これから事務所全体のコンサートがあったりしても、1人にならずに済むなって(笑)。
神山 僕はピリッとした空気があまり得意じゃなくて、結構萎縮しちゃうタイプなんです。シーズン1は翔太と輝元が衝突するシーンが何度もあったので、「申し訳ないな……」と思いながらやっていたとかも。もちろん、それは演技には出さないけど、ケンカするシーンはちょっとしんどかったかも知れないです。
中村 そこはあまり気づかなかったです。シーズン1のときは、現場で僕が芝居をどうしようか迷って、「こうしようと思っているんです。どうですか?」って神山くんに聞くと、「こうした方がいいんじゃない?」ってアドバイスをくれたりして。ふたりで話し合うことで、演技の中の一つひとつの仕草をすごく細かくできたのがすごく良かったです。
――長期間の撮影で一緒にいて、お互いの印象は変わったりしました?
神山 変化したこと……。これだけいっしょにいれば、知らなかったことが見えてきますよね。例えば、人の懐に入るのが上手なところ。現場では、すごく愛される子だなって印象でした。現場のスタッフさんに結構イジられていることもあったので(笑)。
中村 特にシーズン2からはね。完全にイジられてましたね(笑)。
――中村さんがイジられていたら、神山さんはどうしていたんですか?
神山 笑ってました(笑)。でもスタッフの方とそういう関係性を築けるところは、いいことだな、羨ましい部分だなって思っていました。
中村 神山くんはどんなとことでも喋り掛けたら返してくれて、「うんうん」って返してくれるのが僕としてはありがたかったです。大事なシーンは空気を読んで話しかけませんでしたが、それ以外はたわいもない話をしたり、最近買ったものについて2人で話す時間が楽しかったです。それから僕は翔太に焦点を当てて話したいなってずっと思っていたことがあって……。
――ぜひ教えてください。
中村 シーズン1では、翔太は味覚を失ったという悩みを抱えたままシェフを続けていて、終盤で本来の味覚を取り戻します。そのせいか、シーズン2の翔太はドラマ全編通して、笑顔が増えたなってすごく感じました。シーズン1の翔太は、心の奥を誰にも開かない感じがあったから、楽しそうに笑う翔太が見られたのが、輝元としても中村海人としてもすごく嬉しかったです。
神山 確かにシーズン1の翔太は抱えているものがあったので、意識的に感情を表に出さないように意識していました。でもシーズン2は味覚を取り戻した翔太だから、本来のシェフとしての立ち振る舞いをしたいなって思ったんですね。そうなれたのは、シーズン1で輝元と翔太がふたりで屋台をやってきたってことが大きいと思ったので、シーズン2はもうちょっと翔太の砕けた部分を出してもいいなって思いながら演じていきました。
——ではシーズン2で輝元はどんな風に変化していますか?
神山 輝元のギャルソンとしての成長が色濃く描かれていきます。そこで輝元に大きく影響を与えるのが、小手伸也さんが演じる御崎陽平。2作を通して、ふたりの成長が描かれることになります。そこでの輝元の奮闘ぶりが、シーズン2の注目ポイントではありますかね。
中村 シーズン1で作った輝元の土台があったので、シーズン2ではそれを崩さないようにしました。でもちょっとずつ進化をしていかないといけないので、大きく成長するシーンもあるから、そこで輝元の変化を表現できていたらいいなと思っています。
——シーズン2ならではの見どころを教えてください。
神山 僕たちの屋台が新たな一つの目標を掲げて、そこに向かって進んでいくところが描かれています。なので衝突がないわけじゃないけど、どうすればもっと良くなるのかふたりで話し合って進んでいく。ディスカッションが多くなった印象ですね。
中村 ちゃんとふたりが対等になったというか。シーズン1ではわりと輝元が主導で動いていたけど、今回は輝元が考えたり、感じたことを翔太に言って、翔太もこう思っているんだ、じゃあお互いどうすればいいんだろうってふたりで考えることが多いなって僕も思いました。
神山 シーズン2は、お互いに対する信頼がしっかりとあるというか。ちゃんと言い合うところがあるので、2人がバディとして屋台をしっかりやっているんだなって伝わると思います。
――シーズン2は後輩の矢花黎(B&ZAI)さんも出演。現場でお話されましたか?
神山 彼も音楽が好きなので音楽トークというか、「今、こんなギター欲しいと思ってんねんけどどう?」みたいな話をしました。連絡先も交換して、声を掛けてもらったので6月にあったB&ZAIのライブも観に行きました。
中村 演技の話やB&ZAIの話、お仕事に関する話もしましたね。次のお仕事に行く時に、うちのマネージャーとオレとで横浜駅まで見送ったこともありました(笑)。
神山 矢花はすごくしっかりした真面目な子の印象ですね。「演技経験はそんなにないんですけど」って本人も言っていましたが、監督を含め、スタッフの方たちとたくさん話をしていて。その上で「ミッドナイト屋台2」で自分ができることをするって覚悟で必死でやっているって、彼がお芝居をしているのを見て僕は感じていました。
――浅野ゆう子さん演じる李桂華、永瀬ゆずなさん演じる榊星羅と、パート2から加わるキャラクターも物語をおもしろくしてくれそうですね。新キャストのみなさんとのエピソードを教えてください。
神山 シーズン2で僕が一番濃く一緒にお芝居をさせてもらったのが榊星羅役の永瀬ゆずなちゃんですね。ゆず(永瀬ゆずな)は明るくてしっかりしていて、何て表現すればいいのかな……、人生2周目なんじゃっていうぐらい大人というか。でも現場ではすごくニコニコしていて、たまに「子供やな」って思う瞬間もあるので、現場の天使と言われていました。太陽みたいな子です。
中村 オレは浅野ゆう子さんのクランクアップの日に、唐突に言われたことがあるんですよ。オレが履いていた靴が可愛かったから、パクらせてもらいましたって。
神山 そんな羨ましいエピソードがあったのか!
中村 うん。スタッズが付いたサンダルっぽい靴なんですけど、お気に召してもらえて嬉しかったです。「絶対似合うと思うのでいっぱい履いてください!この話は一生言い続けます」って言いました(笑)。
——中村さんの誕生日には神山さんが誕生日プレゼントを贈られたそうですが、7月の神山さんの誕生日には中村さんもプレゼントを贈りますか?
中村 もちろんです。僕はプレゼントを下さった方にはお返しする主義なので。神山くんの好きなブランドも知っているので、そこで持っていなさそうなものを選んでプレゼントできたらいいなと思っています。プレゼントを選ぶ時間も僕は好きなので。当日は会えないかも知れないので、誕生日近辺に会える日に持って行こうと思います。
神山 楽しみにしています!