全4公演(福岡、愛知、大阪、東京)で開催されたDEEPのツアー「DEEP LIVE TOUR 2025 〜COLOR〜」が、8月22日にヒューリックホール東京でファイナルを迎えた。2007年の新生COLORとしての初シングル発売から17年を経て、再びDEEPが動き出すという想いが、このツアータイトルに込められている。COLOR時代の楽曲を中心に、カバー、DEEP SQUADの楽曲など、メドレーやアンコールを含めて全24曲を披露。本ツアーはメンバーのTAKAが療養中のため、YUICHIROとKEISEIのふたりで行われたツアーとなったが、DEEP SQUAD/THE JET BOY BANGERZのYUHIや、DOBERMAN INCのKUBO-C、GS、P-CHOの3人がサプライズ出演してステージに色を添え、ライブ本編終盤はまるでお祭りのような雰囲気に包まれた。最後にYUICHIROとKEISEIは、「また必ず3人で戻ってきます」とステージでの再会を約束し公演は幕を閉じた。
レポート
ふたりの巧みなボーカリゼーションと歌心が際立つシンプルなライティングのみの演出で行われた今回のライブは、COLOR名義のラストアルバム『WHITE〜Lovers on canvas〜』に収録の「CONFIDENTIAL LOVER」で幕を開ける。熱いビートに乗せたふたりのハーモニーが会場に響き渡る。「カモン!」という呼びかけで、リズムに合わせてパンパパンと手拍子が鳴り響いた「Blue Sky」。儚さと力強さが同居した歌声で、真っ直ぐ歌い上げたミディアムナンバー「Miss you」と、冒頭からCOLOR時代の楽曲を惜しげもなく披露した。
「今日はCOLORの楽曲をたくさん歌います。ふたりで精一杯歌うので最後まで楽しんでください」とYUICHIRO。KEISEIは「COLORのアルバムにはたくさんの色が付いています。今日はそれを“虹色”にします!」とコメント。ファンは期待と嬉しさを交えた歓声と拍手で、ふたりの言葉に思いを返した。
巧みなフェイクで喪失感を歌い上げた「Just a Little Bit」、レイドバックしたグルービーなリズムが秀逸な「Im thinkin' bout U」、エモーショナルボーカルで力強く聴かせた「share wit' me」など5曲を一気に披露したメドレーコーナーに続き、バラードコーナーではふたりも椅子に座り、ゆったりとした空気が会場に流れた。まずは「ATSUSHIさんが作詞をしてくれた、家族をテーマにした楽曲」と紹介して、「青い鳥」を歌唱。年齢を重ねることで誰もが感じる家族への思いが、シンプルでストレートな言葉で綴られ、聴く者のさまざまな思いに触れる同曲。ふたりの優しく包み込むような歌声に静かに耳を傾けながら、タオルで目を覆うファンの姿もあった。ピアノをバックにひとりずつ歌い上げた、DEEPの「君じゃない誰かなんて~Tejina~」。まずはKEISEIが、少年っぽさを残した声質ながらも、力強く渋みのある歌声を響かせて観客を魅了する。続くYUICHIROは、美しい地声のハイトーンと巧みなニュアンスが圧倒的だ。それぞれ異なる個性を持ったボーカル。それらがハーモニーを奏でたときの一体感。それがDEEP。会場には自然と大きな拍手が沸き起こった。
しっとりムードから一転、ソロコーナーではそれぞれ異なるカバーを披露した。KEISEIは、昭和・平成・令和の名曲(昭和:サザンオールスターズ「いとしのエリー」/平成:DREAM COME TRUE「未来予想図Ⅱ」/令和:藤井風「満ちていく」)から、その場で1曲を観客に曲を選んでもらうという趣向。この日は「未来予想図Ⅱ」に決定。ピアノのイントロに「いいね!」とKEISEI。思いをたっぷりと込めて歌い上げた。

続いてYUICHIROは、MIHIROの「愛の言葉 ~ True Story ~」をカバー。「あのとき○○していれば……。後悔してももう遅いという曲」であると語り、その力強くも切なさをたたえた真っ直ぐな歌声と、歌詞に込められた後悔と感謝の思いに、観客はじっと耳を傾けた。

ライブ終盤戦はアップテンポのナンバーを立て続けに披露、さらにサプライズゲストも登場して賑やかにステージを盛り上げた。まずは「Midnight call」でコール&レスポンス。「X-GIRL」では、観客のクラップが会場に響く。そしてDEEP SQUAD/THEJET BOY BANGERZのYUHIが呼び込まれると、さらなる歓声で沸いた会場。「Good Love Your Love」では、YUHIを真ん中にして顔を寄せ合ってタイミングをはかり、歌声を重ね合わせた3人。「VIVA SUMMER!!!!!!」ではイントロのファンファーレの手振りを3人でパフォーマンス。観客全員としゃがんでからのジャンプをして、会場を揺らした。また「24karats-typeC-」では曲の途中で、KUBO-C、GS、P-CHOがステージに現れ、ふたりとガッツリ握手を交わす。コーラスとラップの掛け合いを繰り広げるなどでライブをさらに熱く盛り上げ、会場はイケイケムードに。
勢いそのままDEEPの「LINKS!!」に突入すると、ラテンのリズムに乗せていっしょに歌ってタオルを回した観客。その様子に思わず「楽しい〜!」と声をあげたふたり。そして本編の最後は、K-Ci & JoJoのカバー「Tell Me It's Real」で締めくくった。曲紹介では「デビュー前の4人だったころに声を合わせた曲」とのこと。しかしふたりで歌ったことで、より原曲の近づいた印象だ。彼らの原点であるブラックミュージック然とした、じつにソウルフルな空気感。どこかゴスペルのような壮大さも加わって、熱いものが胸にこみ上げる。時折目を合わせながら、縦横無尽に声を重ね合わせたふたりに、会場からは惜しみない拍手が贈られた。
アンコールのMCで、「僕らの歌が好きだと言って、温かく迎えてくれた各会場のみんな。3人でまた戻ってくることをここに約束します」(KEISEI)。「みんなの温かさと笑顔にパワーをもらい、ツアーを完走することができました」(YUICHIRO)と、感謝の気持ちを表した2人。アンコールの最後には、この日の感謝を込めて昨年12月にリリースした「何度でも」を披露した。「人生に当たり前ということはない。いつ何が起きるか分からないもの。うれしいこともあるけど、辛いこともある。そんなときにみんなの背中を押したり、勇気を与えられる曲を作りたいと思って制作した曲です」とYUICHIROが説明する。
人生で何かが起きてしまったとき、気持ちを癒やして鼓舞してくれるのはいつも歌だった。観客のみんなに何かがあったとき、力をくれるのはきっとこの「何度でも」。そして、この日この曲をみんなといっしょに歌ったという経験と思い出は、明日のための力になってくれるだろう。

今後の出演情報
■「じぇら祭’25」 DAY1
大型音楽フェス「MUSIC TRIBE」とのスペシャルステージに出演
日程:2025年10月4日(土)
場所:岡山・下石井公園
■『DEEP PRESENTS TOKYO VOICEMAGIC』10月開催
※詳細は後日発表予定
DEEP プロフィール
2006年12月、リーター゙のTAKAに加え、『EXILEVOCAL BATTLE AUDITION 2006 ~ASIAN DREAM』のファイナリストYUICHIRO、3次審査まで進んだKEISEIとRYOメンバーにCOLORとして本格的な活動をスタート。 2009年、グループ名をDEEPに改名。 2011年5月31日に初の日本武道館公演を成功させ、トップアーティストしての地位が確立する。 同年に発売したシングル「君じゃない誰かなんて〜Tejina〜」はオリコンウィークリーチャート自身最高位の3位を獲得。 2018年12月31日をもってメンバーRYOが卒業。
2019年には『DEEP VOCALIST AUDITION』にて12,000人の中から勝ち抜いた宇原雄飛、杉山亮司、比嘉涼樹の3人を新たに迎え入れ 、ボーカリストによる6人組エンタテインメント集団「DEEP SQUAD」を結成。
DEEPの活動と並行してDEEP SQUADとしても2022年3月には初のZepp東名阪ツアーを行うなど勢力的に活動中。 DEEPとしても、ビルボードライブを2022年末に8公演、2023年末に8公演を完走。 昨年は6年ぶりとなる全国ツアーを成功させ、今年の夏、『DEEP LIVE TOUR 2025 ~COLOR~』を開催。LDH随一の実力派コーラスグループ。
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