若冠21歳の大学生によるユーモラスでオフ・ビートな文体が癖になる新時代の青春小説で、第28回松本清張賞を満場一致で受賞した波木銅『万事快調〈オール・グリーンズ〉』(文春文庫)が、『猿楽町で会いましょう』の児山隆監督により映画化。2026年に1月16日(金)に新宿ピカデリー他 で全国公開を迎える。(配給:カルチュア・パブリッシャーズ)
未来が見えない町に暮らす朴秀美と美流紅たち。自分たちの夢をかなえるために、この町とおさらばするには、一攫千金を狙うしかない!彼女たちは、同好会「オール・グリーンズ」を結成し、禁断の課外活動を始めるー
ラッパーを夢見ながらも、学校にも家にも居場所を見いだせず鬱屈とした日々を送る朴秀美(ぼく・ひでみ)役には、映画初主演した『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18年)で多くの映画賞新人賞を獲得、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22年)、「光る君へ」(24年)に出演、今年は『愛されなくても別に』で主演を務めるなど、多くの映画やドラマで活躍している南沙良。
もう一人の主人公、陸上部のエースで社交的、スクールカースト上位に属しながらも、家庭では問題を抱えている映画好きの矢口美流紅(やぐち・みるく)役には、雑誌「Seventeen」の『ミスセブンティーン2018』に選ばれ、現在は「non-no」専属モデルに加え、俳優として『舞妓さんちのまかないさん』(22年/NETFLIX)、映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』(24年)、『赤羽骨子のボディガード』(24年)、『か「」く「」し「」ご「」と「』(25年)など話題作への出演が続く出口夏希。
さらに、秀美や美流紅と共に、同好会「オール・グリーンズ」を結成する岩隈真子(いわくま・まこ)を演じるのは、数々の映画賞を受賞し話題となった劇場アニメ『ルックバック』(24年)で河合優実とW主演を務め、海外映画に初出演した『KARATEKA』のスペイン公開が2026年に控える吉田美月喜。「オール・グリーンズ」の危険な課外活動に巻き込まれていく真子の後輩、藤木漢には、映画『リボルバーリリー』(23 年)や、『ゴールド・ボーイ』(24年)など話題作に出演し、今後の活躍が期待される羽村仁成。秀美たちが課外活動を始めるきっかけとなった重要人物、佐藤幸一には、ドラマ「おっさんずラブ」シリーズや、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22年)、映画『ナミビアの砂漠』(24年)など、映画・ドラマ・舞台の第一線で活躍する金子大地が演じる。
『万事快調〈オール・グリーンズ〉』第30回釜山国際映画祭 ワールドプレミア
映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』は、9月17日(水)より韓国・釜山で開幕した「第30回釜山国際映画祭」のVision部門に正式出品され、9月17日のオープニングセレモニーのレッドカーペットに続いて、今回9月20日(土)に行われた世界最速となるワールドプレミア上映に、南沙良、出口夏希、吉田美月喜、児山隆監督が登壇した。

©2026「万事快調」製作委員会



1996 年から始まり今年で30回目を迎えた釜山国際映画祭。今回、映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』が出品されたVision 部門は、韓国・アジアの新しい才能の発掘を目的とし、従来の映画祭の枠にとらわれない、多様なジャンルや表現形式の長編映画が対象となる。9月20日(土)ロッテシネマ セントムシティの会場で行われたワールドプレミアは、チケットが発売と同時に即完売となる盛況ぶりで、本作への期待の高さが伺える。
公式上映後のQ&Aに、W主演を務めた南沙良、出口夏希、共演の吉田美月喜、児山隆監督が揃って登壇。上映後、エンドロールが始まった瞬間に観客から拍手が沸き起こり、観客と一緒に映画を鑑賞していた4人がステージに登場し挨拶した。
南が韓国語で「こんにちは、南沙良です」と挨拶すると、観客からは歓声が!「原作を読み、疾走感がすごく今までにないストーリーだったので、とてもワクワクしました。自分にとっても挑戦で、是非演じてみたいと思いました」とオファーを受けた際の思いを明かした。続いて出口も「アニョハセヨ~!」と韓国語で元気よく挨拶し、「今回、こういった役を演じたことがなかったのでどう演じるか悩んだのですが、考えすぎると美流紅の自由な感じが表現できないんじゃないかと思って、現場で皆さんのお芝居を見て、その場で感じたことを取り込んでいきました」と、現場でのセッションを大事に役作りを行ったという。今回、初の韓国訪問にワクワクした様子の吉田は「原作を読んで、岩隈真子は良い意味で遊べるキャラクターだと感じ、監督や皆さんと一緒にキャラクターを作っていきました。岩隈の“ださかっこいい”部分を意識して演じたので、是非注目してみてください」と、見所を語った。
発表当時21歳の大学生による松本清張賞受賞作を元に映画化された本作。児山監督は「まず原作のタイトルが〈オール・グリーンズ〉だったので、緑をモチーフに考えました。主人公たちが着ている緑のつなぎは、昔、ビースティ・ボーイズが緑のつなぎを着てMTVの授賞式に出ていたのを思い出して、それを参考に取り入れました」と、タイトルにもなっている緑をモチーフにした背景を語った。
さらに、今辛い青春を送っている人にかけてあげたい言葉は?という質問に対し、児山監督は、「僕はかつて映画に出てくる彼女たちと同じ思いを抱いていたので、原作を読んだ時から田舎で鬱屈としている気持ちに共感していました。この作品には、悲壮感をもたずに突っ走って欲しいという願いを込め、彼女たちの生き生きとした姿が刻まれているので、少しでも気持ちが上向きになってもらえたら嬉しいです」と映画に込めた思いを明かした。南はチャレンジングな役所となったが、「夢が叶う叶わないではなく、夢を追いかける過程が大事だと気づけたのがすごく大きかった」と気づきがあったそうで、出口は「映画の中の3人は、一生懸命青春を楽しんでいるので、皆さんにもこの一瞬を、全力で楽しんで欲しいです」、吉田も「全力で何かを一緒にできる友達は、一生の内にできるかわからない。そこでみつけられた友達は大切にするべきだと思いますし、彼女たちのように学生の時だからこそできることもある。思い立ったらなんでもやってみる楽しさをこの映画から学びました」とそれぞれメッセージを送った。
また、ラッパーを夢見る秀美のラップにまつわるシーンも話題に。南は元々ラップが好きだったそうで、「ラップの撮影は楽しかったです。急遽追加されたフリースタイルは、撮影の3日前に歌詞が送られてきたので、覚えるのがすごく大変でした」と苦労も滲ませる。秀美のラップシーンをはじめ、クライマックスなど原作にはない映画オリジナルの展開にも注目だ。最後に南は「皆さんと一緒に新
鮮な気持ちで映画を観ることができて嬉しかったです。たくさんの方に届いたらいいなと思っています」と挨拶し、イベントは終了。
観客の熱心な質問に、丁寧に向き合うキャストと監督の真摯な姿が印象的な舞台挨拶となった。
舞台挨拶後の感想を問われ、「韓国のお客様にとても楽しんでもらえたようで、本当に嬉しかったです」と確かな手応えを感じたと語る児山監督。南は、「韓国でこうやって観ていただけることがすごく嬉しいですし、何より皆さんの熱を感じながら映画を見られたのがすごく楽しかったです」と笑顔を見せ、出口は、「今日は皆さんに初めて映画をご覧いただく日だったので、どんな風に感じて頂けるのか少し緊張していましたが、皆さん笑顔で観てくださっていたので安心しました」とコメントし、上映中は観客から笑いが起こる場面も多々あったという。吉田も「撮影してる時も本当に面白くて、笑いが止まらなかった場面がありました。こうやって皆さんに楽しんでいただけて、笑いは全世界共通なんだと感じました」と撮影中を振り返りコメントした。


舞台挨拶後、南・出口・吉田の3人は本編で証明写真を撮るシーンがあることから、韓国でもそのシーンを再現したいと、プリクラを撮りに。劇中、特別な友情で結ばれた3人の仲良しショットも到着した。

ワールドプレミア舞台挨拶
日時:9月20日(土)上映 12時30分~14時30分/Q&A 14時30分~15時
場所:LOTTE CINEMA Centum City 5
登壇者:南沙良、出口夏希、吉田美月喜、児山隆監督
『万事快調<オール・グリーンズ>』
2026年1月16日 新宿ピカデリー他全国公開
◎原作:波木銅「万事快調<オール・グリーンズ>」(文春文庫)
◎監督・脚本・編集:児山隆
◎出演:南沙良 出口夏希 / 吉田美月喜 羽村仁成 / 金子大地
◎主題歌:NIKO NIKO TAN TAN 「Stranger」 (ビクターエンタテインメント/Getting Better)
◎配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©2026「万事快調」製作委員会
■公式サイト https://www.culture-pub.jp/allgreens/
■インスタ https://www.instagram.com/allgreens_movie/
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#万事快調 #オールグリーンズ