INTRODUCTION
それまでTVや短編映画に出演していたアリシア・ヴィカンダーが初めて長編映画に出演した作品で、しかも単独主演。この作品は2010年製作だが、その前々年から出演していたTVシリーズが北欧で大きな評判を呼んだ結果の抜擢だった。アリシアはこの作品でスウェーデンのアカデミー賞ともいえるスウェーデン映画協会賞の主演女優賞を受けた。監督は後に『ホテルセラピー』(2013・映画祭上映)でもアリシアと組むリサ・ラングセット。
SYNOPSIS
20歳のカタリナは地元での生活に嫌気がさしていた。売春をしていた過去、酒浸りの母親、気の合わない恋人……だがそんな彼女をクラシック音楽が救った。モーツァルトに夢中になった彼女は、面接で嘘をついてまでコンサートホールでのアルバイトを始め、自分の生活に誇りを持てるようになっていく。ホールの指揮者アダムと顔を合わせるうち、彼が既婚者と知りながら次第に惹かれていくカタリナ。やがて二人は一線を越えてしまい、カタリナは母も恋人も捨てアダムにすべてを賭けようとするのだが……
オススメPOINT 1
撮影当時のアリシアはまだ21歳。冒頭のモノローグシーンからその若々しさが爆発。設定では荒んだ生活なのだがアリシアの初々しさがそれを裏切って、ぴちぴちした若さが溢れ返っている。不倫の話なので当然セックスシーンも描かれるのだが、その時のアリシアの上気した顔は一見の価値あり。まさに若い女優の体当たり演技といった雰囲気。当時から演技のためにはすべてを投げ出すという彼女の気概が感じられる。
オススメPOINT 2
相手役のアダムに扮するのはビレ・アウグスト監督の「愛の風景」などに出ていたベテラン、サムエル・フレイレル。この映画の時点で52歳だが、アリシアとの絡みでは若々しさを見せている。また恋人役のマルティン・ヴァルストロムは「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」でEコープの副社長を演じていたが、これまたチンピラ風の若い風情が面白い。