若い夫婦のすれ違う心を描く、アカデミー賞受賞作「セールスマン」が6月10日に公開される。アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したことでも話題だが、なんと授賞式のボイコットを表明していたとか・・・。一体何があったのか、そしてどのような作品なのか?
製作された国はイラン・フランス
今年のアカデミー賞で、トランプ政権によるイランを含む特定七か国からの入国制限命令に抗議して、監督のアスガー・ファルハディと主演女優のタラネ・アリドゥスティが授賞式へのボイコットを表明。その渦中にありながら外国語映画賞を受賞した話題作。第69回カンヌ国際映画祭でも脚本賞と男優賞をダブル受賞している。
テヘランに住む若い夫婦に突然降りかかったある事件が、二人の日常と感情に大きな亀裂を入れていく。出演はタラネの他にシャハブ・ホセイニ、モジュタバ・ピルザデーら。
STORY
テヘラン在住の若い夫婦エマッド(ホセイニ)とラナ(タラネ)。エマッドは国語教師だが、二人とも地元の小さな劇団に参加しており、上演を間近に控えた『セールスマンの死』の稽古に余念がない。
そんな矢先に彼らのアパートが倒壊の危機にさらされ、二人は劇団仲間が紹介してくれたアパートに引っ越す。
ところがすぐにショッキングな事件が起こる。ラナがアパートで正体不明の侵入者に襲われたのだ。アパートの隣人は、部屋の前の住人だった〝ふしだらな女〞の客ではないかという。
この事件を境に夫婦の生活は一変する。ラナはショックから口数が少なくなり、エマッドは犯人捜しに血眼になる。警察に行こうという夫とそれを拒否する妻の心は徐々にすれ違っていく。
やがてエマッドは執念で犯人と思しき男を見つけ出すが......