1974年に公開され、映画批評家からも一般映画ファンからも絶賛を受け、いまも日本映画史に燦然と輝く名作「砂の器」。松本清張の原作を基に、橋本忍、山田洋次が脚本執筆、野村芳太郎監督がメガホンをとった本作。近年日本でも「タイタニック」「ハリー・ポッター」シリーズなど数々の洋画で行なわれているシネマ・コンサートだが、ついにこの邦画の傑作で行なわれることになった。巨大スクリーンでの映画全編上映 ×フル・オーケストラによる全曲生演奏で、2017年8月12日と13日の2日間、渋谷・Bunkamura オーチャードホールで上演される。
画像: 「砂の器」1974・2005 松竹株式会社/橋本プロダクション

「砂の器」1974・2005 松竹株式会社/橋本プロダクション

シネマ・コンサートとは、名作映画のセリフや効果音はそのままに音楽パートを生演奏するという、映画をライブ感覚で楽しむ新しいエンターテインメント。かねてより日本映画でのシネマ・コンサートにこの「砂の器」が待たれていた理由は、何といっても本編の中で音楽が重要な位置を占めているため。本作品前半は、三木謙一(緒形拳)殺害事件の手がかりを求め、今西栄太郎警部(丹波哲郎)と吉村弘刑事(森田健作)が日本各地を巡る推理劇。各地の証言者として笠智衆、殿山泰司、渥美清といった名優が随所に登場するのも見どころ。
だが圧巻は後半のクライマックス40分。気鋭の音楽家・和賀英良(加藤剛)が作曲した『宿命』を東京交響楽団と共に初演するシーン、緊迫した捜査会議シーン、和賀の回想として描かれる、お遍路姿の親子が四季折々の全国を旅するシーン。この3つのシーンを交互に織り交ぜながら、バックには本作のために作曲された組曲『宿命』がクライマックス・シーン全編を通じて劇的に流れる。ここでセリフは極力抑えられ、主役は音楽。40分のあいだに綴られる音楽と映像の融合のカタルシスが、本映画の真骨頂となっている。

画像: 『宿命』演奏シーン

『宿命』演奏シーン

本コンサートで演奏を担うのは、オーケストラは公開時の映画音楽を演奏した東京交響楽団で、本公演では現在の楽団員によって演奏される。ピアノは1992年ミュンヘン交響楽団との共演でデビュー以来、数多くの国内外のオーケストラで客演をはたす国内屈指のピアニスト近藤嘉宏。 原作者松本清張をして『原作を超えた』と言わしめたという日本映画界に燦然と輝く傑作が、オーケストラの生演奏によって時を越えて甦る。

画像: 日本各地を巡る刑事たち

日本各地を巡る刑事たち

日時:2017年8月12日(土) 開場16:30/開演17:00
      8月13日(日) 開場13:30/開演14:00
会場:渋谷・Bunkamura オーチャードホール
演奏:東京交響楽団 / ピアノ:近藤嘉宏
企画・制作:松竹・松竹音楽出版・PROMAX 制作協力:東京音楽工房
チケット価格(税込):全席指定9,800円、発売中。

This article is a sponsored article by
''.