リハーサル
普通、実写版の映画のリハーサルというのは主に脚本の読み合わせを指している。しかしこの「美女と野獣」の場合、作品自体がミュージカルということもありリハーサルでは歌と踊りも実際に演じられた。特典映像ではこのリハーサルの風景と実際に映画になった際のシーンを同時に見せたり、プレヴィズ映像で撮影前のイメージを見せたりと、監督のビル・コンドンがどのような映像を創り上げようとしたのかが分かる。
ビル・コンドン
メーキングの中でビルはベルと野獣についての解釈を以下のように語っている。
ベル役をエマに決めたのは多くの理由がある。才能や美しさや知性は言うまでもない。ベルはディズニーでは新しいタイプのヒロインで、強くて自立している。エマも21世紀を代表する強い女性の象徴だ。彼女は今回が初のミュージカルだったんだが、やり切って皆を驚かせてくれたよ。
この物語に関しては以前から疑問のある部分があった。今回はそれに一つ一つ答えを出していったよ。特にベルと野獣の性格が形成された背景を追ったんだ。王子の人物像を掘り下げて、なぜ彼が呪いをかけられるような男になったのか、その原因に迫った。
野獣とベルの生い立ちを掘り下げる過程で、新曲の必要だと思われる重要なシーンが3か所出てきた。アニメーションのナンバーは一曲もカットする気はなかったしね。オリジナルの作詞者ハワード・アシュマンは亡くなっていたけど、舞台版でも新曲を作詞したティム・ライスがいたから心配はなかったよ。
女性スタッフ
この作品ではヒロインのエマばかりでなく、スタッフでも女性陣が大活躍している。プロダクション・デザインのサラ・グリーンウッド、セット・デコレーターのケーティー・スペンサー、衣装のジャクリーヌ・デュラン、キャスティングのルーシー・ビーヴァン、編集のヴァージニア・カッツといった面々が、それぞれのセクションのチーフとして現場やポスト・プロダクションをリードしていったのだ。
セリーヌ・ディオン
アニメーション版で主題歌“美女と野獣”を大ヒットさせたのが当時はまだ無名に近かったセリーヌ・ディオンだった。ディズニー・サイドは彼女に敬意を表し、今回の実写版でも彼女の歌声を入れたいと熱望した。セリーヌはその申し出に最初は渋ったが、曲を聞いて歌うことを決心した。その曲が新曲の一つ“時は永遠に”で、エンドクレジットで劇中とはアレンジを変えて歌われている。
ミュージック・クリップ
アニメーション版のセリーヌ・ディオン&ピーボ・ブライソンを引き継いで、今回の実写版で主題歌を歌っているのは新世代の歌姫アリアナ・グランデとグラミー賞10度の受賞歴を誇るジョン・レジェンドのコンビ。特典映像にはこの二人による主題歌“美女と野獣”のミュージック・クリップも収録されており、さらにそのメーキングも収められている。