ハリウッドで最も映画出演回数が多い俳優のトップがドナルド・サザーランドでしょう。現在82歳、今までに188本もの映画に出ています。
昔のスタジオ契約システムの頃は1年に5本とか出ているのが当たり前でしたが、今はスタジオのシステムが全く変わってしまって、専属というスターはいません。
成田陽子(なりた・ようこ)
ハリウッドのスターをインタビューして37年!!ツーショットと来たらどっさりざくざく。最近は映画の記事も減ってきて発表してないお宝が貯まる一方。貯金は減る一方ですが、ともかくつたないブログで全く為にならないお話と、とっておきの古い写真とか新しいものも載せていきたいと思ってます。
新作「ザ・レジャー・シーカー」THE LEISURE SEEKER(2017)では、ヘレン・ミレンと夫婦役。老いた二人がそれぞれアルツハイマーとか、ガンなどの病気を抱えつつ、「レジャー・シーカー」(楽しみを探す)という名前をつけた古いレクリエーション・ヴィヘクル(Recreation Vehecle)=キャンピングカーの旅に出て、ボストンからフロリダのキーウエストにあるヘミングウェイの家に向かいます。
途中でお互いの秘密を知ったり、懐かしい思い出を語ったりという、知的なシニアのロードムビーで、ドナルドとヘレンが生き生きとして、気分が爽やかになる1本でした。
インタビューに現れたドナルドの顔が傷だらけ!
「ヘレンと一緒にプレミアの会場に行って、よく見えなくてロビーのハリボテの飾り物にあたってね。大したことはないのだが、顔ばかりに傷を負ってしまった」
と苦笑しています。
以前にも目の治療中だと黒いアイパッチをかけて現れ、白髪と彼自身の圧倒的な存在感で、マフィアのボスか、世界的冒険王みたいな風貌となってました。
頭脳派の怪物、陰謀に走る軍人やら、政治家、といった人の上で策を巡らす役があると、ドナルドのところにオファーが来るという、「ゴー・トゥ・ガイ」GO TO GUY(あるタイプのハマり役の俳優)、ですし、身長が6フィート4インチという高さもあって、出演時間がほんの5分でも誰でもが覚えている存在感を噴出するので、効果抜群というわけで、これほどの本数になっているのです。
いつもスタイリッシュで、品があって、カナダ人ですが英国風の自己虐待のセンスに溢れた会話をする、実に気持ちの良いスター、息子のキーファーももう50歳!ですが、まだまだ父上のような風格も、存在感も備わっていないのはちょっと寂しいことです。
間も無くテレビシリーズ「トラスト」(2018-)で石油王、ポール・ゲティーを演じますし、あと4本もの企画が控えているという、いったいいつ休むのかと心配になるほどの多忙なドナルドでした。
1935年7月17日カナダのニュー・ブランズウィックのセントジョン生まれ。トロント大学ではエンジニアリングを専攻し、将来は技師になるはずだったのが俳優になったそう。結婚は3回、二番目の奥方はカナダの高名な政治家の娘で、この二人の間にキーファーが生まれてます。