これから始まる両者の“信念の闘い"を予感させる映像
映し出されるのは、<ホロコースト否定論者>であるデイヴィッド・アーヴィング(ティモシー・スポール)の演説。“大量虐殺は趣味以前の問題だ””ガス室では誰も死んでない”など、メディア操作に長けている彼の声高な主張が繰り広げられる。一方、本作の主人公で歴史学者のデボラ・E・リップシュタット(レイチェル・ワイズ)は、アーヴィングのようなホロコースト否定論者がどのように歴史の事実を捻じ曲げようとしているのか、学生たちに講義を行う。正反対のことを語る両者の主張がこの先どうぶつかり合っていくのか。これから始まる″ホロコースト“を巡る信念の闘いを予感させる映像となっている。
主演のレイチェル・ワイズが本作にかける意気込みは、ユダヤ系の血を引く自身のルーツともつながりがあったため並々ならぬものだったという。本作の原作者であり主人公のモデルであるデボラは、「レイチェルは演技においてプロ中のプロで、何の役を演じるにも一生懸命そして才能を存分に発揮する。でもこの作品については、彼女のルーツも関係したから、さらにパワフルな演技だったと思う。彼女にとって共感ができた上、とても重要な役だったのでしょう。アウシュビッツで撮影した時に、レイチェルに『これは演技ではないわ』そう言われたの」と語っている。レイチェル自身も「デボラに会いたいと強く思った。立ち振る舞い方を学ぶためにもね。デボラがニューヨークの私の家に来てくれ、数日間いろんなことを延々と語り合ったわ」と本人と会った上で役作りしたことを明かしている。
否定と肯定
12 月 8 日(金)TOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショー
配給:ツイン
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