昨日に続き、「ハリウッド・コレクターズ・コンベンション」の第13弾「ハリコンNo.13」に参加した人気海外ドラマ『ウォーキング・デッド』のキャスト陣(サイモン役のスティーブン・オッグ、ジーザス役のトム・ペイン、ゲイブリエル役のセス・ギリアム、ドワイト役のオースティン・アメリオ)の来日インタビューをお届けします!!
(一部シーズン8のネタバレを含みますのでご注意ください)


ゲイブリエルは他人のために行動できるようになった

画像: ゲイブリエルは他人のために行動できるようになった

最初はおどおどした態度で人と接していたが、リック達と出会ってからはどんどん逞しく、そして少しずつ人に信用されるようになってきたゲイブリエル神父。彼を演じたセス・ギリアムは“TOKYO”と書かれたニット帽姿で現れると、チャーミングな笑顔を見せて気さくにインタビューに答えてくれた。

ーー登場した頃は、人を救えず絶望のなか生き残っていたゲイブリエルですが、リック達と出会ってどんどん変化していきました。ゲイブリエルというキャラクターをどう思いますか?
セス・ギリアム「ゲイブリエル神父は、ゾンビに囲まれた世界になってからは神からの啓示を受けないと人を助けることができない人間になっていたんだ。きっととても怖かったんだと思う。でも、リック達と出会い物語が進んでいくなかで、他人のために行動しなければいけないことを強く理解して、更にそれを実行に移せるようになったんだ」

ーーシーズンを重ねるたびにゲイブリエルのファンがどんどん増えていて、最近はゲイブリエルに死んで欲しくないと願う人がほとんどのように思います。
セス・ギリアム「そうだね。最初は“ゲイブリエルなんて死んでしまえ”という人もいたけれど、今は“殺さないで!”という声が増えてきたような気がするよ(笑)」

ーーシーズン8ではグレゴリーを助けて逃げそびれたことで、ゲイブリエルはニーガンとトレーラーに二人きりになってしまったシーンもありましたね。ニーガンを演じているジェフリー・ディーン・モーガンはとても明るくて素敵な人だそうですが、そんなジェフリーとの現場はどのような感じなのでしょうか?
セス・ギリアム「彼が凄くフレンドリーな人というのはわかっているんだけど、一旦撮影が始まってしまうと、ニーガンというキャラクター性もあってジェフリーの少しサイコな部分が垣間見えるような気がするんだ。彼が“圧倒的な怖さ”を演じてみせることによって、そのシーンに緊張感が生まれるんだと思う。それは俳優をやっていて面白いと感じる瞬間でもあるんだよ」

ーーでは最後にシーズン8後半の見どころを教えて頂けますか?
セス・ギリアム「前半は割とアクションが多めで緊張感が高まる展開になっていたけど、後半はそれぞれのキャラクターをもっと掘り下げていく展開になると思うよ。後半の放送も楽しみにしていてね!」

とても真摯に言葉を選びながら答えていたのが印象的だった。そのあとオースティンとトムのインタビューをしていると、スティーブン・オッグと共に話に参加しようとこちらに来てくれたのだが、真面目な質問をしている最中だったため側で話をじっと聞くだけにとどまってくれたセス。その人柄の良さも彼の魅力のひとつだろう。

いつかそれぞれが落ち着ける場所を探して見つけて欲しい

画像: いつかそれぞれが落ち着ける場所を探して見つけて欲しい

救世主のリーダーであるニーガンに恨みを抱いてることから、シーズン8でリック達に救世主の情報を提供しニーガンを裏切ったドワイト。そしてヒルトップの住人であり、リック達と協力して救世主達と戦うことになったジーザス。ドワイトを演じているオースティン・アメリオとジーザスを演じているトム・ペインは、とても知的で爽やかな雰囲気を放ちながらインタビューに答えてくれた。

ーーまずオースティンさんに伺いたいのですが、ドワイトはついにリック達に協力するようになってどんどん重要なキャラクターとして描かれていますね。
オースティン・アメリオ「ドワイトは、最初は殻に閉じこもっているキャラクターで、本当はあの環境(救世主側)に行きたくなかったんだ。でも結果的に行かなければいけなくなって様々なことを経験するよね。演じるという点では、ニーガンの元で働くという面と、奥さんと離ればなれになってしまった弱さを抱えている面の二つの複雑な心情を表現するのはとても面白いんだ」

ーードワイトを演じるうえで大事にしていることはありますか?
オースティン・アメリオ「きっと彼はどうにかしてニーガンに取り入って奥さんを取り戻したいという考えを持っていたんだと思う。もちろんちゃんと計画したうえで動いていたと思うしね。結果的に奥さんとは離ればなれになってしまった(ドラマの中で妻の行方は明かされないまま)けれど、全て愛のために行動しているんだ。そして何事も慎重に、計画が壊れないように動いているキャラクターでもあるよ」

ーー次はトムさんに伺いたいのですが、ジーザスはマギーのことを信頼しつつも救世主達を生かそうとします。平和主義的な考えを持つジーザスをどんな風に捉えて演じていますか?
トム・ペイン「ジーザスはきっとマギーを守りたいという思いが強いんだ。というのも、マギーが帰りたい場所に帰してあげることができないからね。だから彼女にとっていかにベストな状況を作れるか、または新しい社会を作るためにどんなことをすればいいのかを考えているんだよ。マギーがやりたいことならなんでも手助けしてあげたいし、それは必ずできると信じている。とにかく彼女をサポートしてあげたいという優しい性格の持ち主だと思うよ」

ーーシーズン8ではモーガンと戦うシーンがありましたが、自らアクションをこなしたそうですね。
トム・ペイン「実はマーシャルアーツの経験がそんなにないから、あのシーンの撮影のためにものすごく訓練したんだ。アングルを変えて何度も撮ったりしたから凄く疲れたし大変だったよ(笑)」

ーーシーズン8前半最終話は衝撃的なラストを迎えました。お二人は今後どんな風に物語が進んでいって欲しいですか?
トム・ペイン「そうだなぁ…やっぱり、それぞれが幸せな場所を見つけて欲しいね」
オースティン・アメリオ「どんな道を選んでどんな間違いを犯したとしても、いつかそれぞれが落ち着ける場所を探して見つけて欲しい。平和的な場所を見つけて欲しいというのが僕の願いだよ」

インタビューの最後に「みんな死なないで欲しいです!」と伝えると、二人は声を揃えて「yeah!」と笑顔を見せてくれた。

サイモンは人を裏切り続けて自分のしっぽを掴ませないようにしているんだよ

画像1: サイモンは人を裏切り続けて自分のしっぽを掴ませないようにしているんだよ

救世主のメンバーで、シーズンをいくら重ねても本当はどういうキャラクターなのかがいまひとつ掴めないサイモン。完全な悪人なのか、はたまたそういう風に見せているだけなのか。その秘密を探るべくサイモンを演じているスティーブン・オッグに話を聞いた。

ーーサイモンはどの程度の悪人なのか、素顔があまり明かされませんがサイモンの人柄について教えて頂けますか?
スティーブン・オッグ「サイモン含め全てのキャラクターがサバイバーなんだ。置かれている状況や持っている資源など、今生きている環境の中でどう生存していくかが描かれているけれど、サイモンはその場その場を楽しみたいという人間だと言えるね。良い意味で色んなことをかき混ぜていきたいんだと思うよ」

ーーということは、サイモンはトラブルメーカー的なことをして楽しんでいるのでしょうか?
スティーブン・オッグ「トラブルメーカーというわけではなくて、その場を楽しみたいというのは、自分がどういう人間かを周りに悟られないようにするということなんだ。深刻にならない程度に人の期待をわざと裏切ってみたり、良い意味で人を裏切り続けて自分のしっぽを掴ませないようにしているんだよ」

ーーなるほど! それはサイモンがどういう人なのかわからなくて当然ですよね(笑)。
スティーブン・オッグ「そうだね! ジョークなのか真面目なのかまるで掴めないキャラクターでもあるしね。例えば、人がとる行動の予測ができたら面白くないよね。だから僕もそういったアプローチを用いてサイモンを演じるようにしているんだ」

ーーそういう意味ではサイモンは非常に演じがいがあるのでは?
スティーブン・オッグ「サイモンはコミックに出てこないキャラクターだから彼が最後どうなるのか僕にはわからないんだ。そういう意味でも凄くチャレンジングな役だし、シーズンが進むごとに僕自身も色んな選択をしながら演じているよ。その選択が正しかったのか、また僕の芝居が物語全体にどんな影響を与えているのかわからないからとても面白い役なんだ」

ーーでは最後に、もしも本当に『ウォーキング・デッド』のような世界になってしまったら、ニーガンやリックのようにグループで行動しますか? それともグループには所属しないで一人、または家族だけでサバイブすることを選びますか?
スティーブン・オッグ「僕は群れずに旅をしながら生きていく思う。『ウォーキング・デッド』を見ていればわかると思うけど、どんなグループに所属したとしても、結局は戦いに巻き込まれていくからね。だから自分のことだけをしっかりとやりながら生きるという選択をすると思うよ」

サイモンを演じている時とはまるで違う柔らかい表情でインタビューに答えてくれたスティーブン・オッグ。背の高さに驚いたが、日本のファンとの撮影の際には少し体を横に反らせながらなるべく相手との距離を詰めるような気遣いを見せていた。今後サイモンがどういう人間なのか、キャラクターがもっと掘り下げられることを期待してシーズン8後半の放送を待ちたい。

画像2: サイモンは人を裏切り続けて自分のしっぽを掴ませないようにしているんだよ
画像3: サイモンは人を裏切り続けて自分のしっぽを掴ませないようにしているんだよ

沢山の日本のファンとの交流をして多忙ななか、気さくに、そしてとてもフレンドリーにインタビューに応じてくれた彼ら。再びハリコンで来日してくれることを願っている。

TEXT&インタビュアー:奥村百恵

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