国内だけでなく海外でも精力的に活動し、フランスはじめヨーロッパで高い評価を受けている諏訪敦彦監督が、八年ぶりに撮り上げた仏日合作映画。年老いた俳優がふと出会った子供たちとの触れ合いの中で、再び生きる歓びを見出していく。
諏訪敦彦監督インタビュー記事はこちら。
主演はヌーべルバーグを代表する名優ジャン・ピエール・レオー。他にポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴェンガルテンらが共演。もう一人の主役ともいうべき子供たちは、諏訪監督が映画製作のワークショップを通じて知り合った。
南仏コート・ダジュール。死をどう演じるべきか悩む老年の俳優ジャン(レオー)。撮影中断をきっかけに、ジャンはかつて愛した女性ジュリエット(ポーリーヌ)が住んでいた古い屋敷を訪れる。すると目の前にかつての美しい姿のままのジュリエットが現われた。だがすぐに彼女の姿はかき消えてしまう。
そんな彼の姿を見つめる子供たちがいた。この屋敷で映画撮影をしていた少年たちだ。彼らはジャンに、自分たちの映画に出てほしいと頼む。その願いを聞き入れたジャンは屋敷に寝泊まりすることに。彼の前に夜ごと現われるジュリエット。二人は手をつなぎ一緒に歌を歌う。
映画が完成し、それを見たジャンは素直に感動する。数日後、子供たちが屋敷を訪ねるとジャンの姿は消えていた。生きる歓びに再び目覚めた彼は中断していた映画の撮影を再開したのだ。