世界の均衡を保つ巨大な暗黒の塔ダークタワーがあった。それを守るのはガンスリンガーと呼ばれる男たちだが、いまは一人しか残っていない。そして黒衣の男が塔を倒し世界を崩壊に導こうとしている……「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」の大ヒットも記憶に新しい、多数の作品が映像化されているスティーヴン・キングの長大なサーガの映画化で、ガンスリンガーに「マイティ・ソー バトルロイヤル」のイドリス・エルバ、黒衣の男に「ゴールド/金塊の行方」のマシュー・マコノヒー、そして物語のカギを握る少年にTV「女医フォスター」のトム・テーラーが扮している。出演はほかに「エンド・オブ・キングダム」のジャッキー・アール・ヘーリー、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のクローディア・キムら。
監督は幼い頃からキング・ファンだったという「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」のニコライ・アーセルで、アキヴァ・ゴールズマンらと共に脚本も手がけている。製作には人気監督でもあるロン・ハワードも参加している。キング自身もクレジットはされていないが、映画の製作段階のあらゆる過程に関わったという。
ニューヨークに住む少年ジェイク(テーラー)は悪夢に悩まされていた。巨大な塔、拳銃使いの戦士、魔術を操る黒衣の男、そして皮膚の継ぎ目が蠢く不気味な人々……それらを絵に描き続ける彼は学校でも問題児で、セラピーも効果はなかった。母親は泊まり込みセラピーにジェイクを送ろうとするが、家にやってきたセラピー職員を見てジェイクは戦慄する。彼らの首筋に継ぎ目があったのだ。家を飛び出したジェイクは廃屋に逃げ込むが、そこには“ポータル”と呼ばれる異世界への入り口があり、ジェイクはそこを抜けて悪夢で見た世界、“中間世界”へと入っていった。
荒れ地を行くジェイクの前に現われたのは拳銃使いの戦士=ガンスリンガーのローランド(エルバ)だった。最初はジェイクに取り合わなかった彼も、ジェイクが夢で黒衣の男を見たというと急に興味を示し中間世界で起こっていることを説明する。暗黒の塔が世界を守っており、ガンスリンガーはそれを守護する存在だが、黒衣の男ウォルター(マコノヒー)が塔を破壊しようとしているのだと。
黒衣の男はジェイクこそが塔を破壊するのに不可欠な存在だと知り、彼を手に入れようと画策、ローランドとの対決の時が迫る。
2017年度作品。1時間35分。アメリカ映画。ソニー・ピクチャーズ配給