退屈を埋めてくれる“何か”を求める女性の心模様を鮮やかに描く
何者かになりたくて東京で就職したものの、10年経って何となく地元に戻った27歳の「私」。実家に住みながらフリーライターとしてタウン誌で記事を書いているけれど、親からはフリーター同然の扱いで、何だか冴えない日々。高校時代に仲の良かった友達と久々に会った勢いで「とにかく格好良くって、背が高くって、サッカー部のエースで、不良とも適度に仲がいい」憧れの椎名くんに連絡し、みんなで会いに行くことに。道中、「私」の中に椎名くんとの高校時代の忘れられない思い出が蘇るー。
何者かになりたくて東京で就職したものの、10年経って何となく戻ってきた主人公「私」を演じるのは、『告白』(10)で脚光を浴び、『桐島、部活やめるってよ』(12)で第86回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞し、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13年)で国民的人気を博し、その後も『さよならドビュッシー』(13)、『渇き。』(14)、『美しい星』(17)など話題作への出演が続き、その透明感のある演技で日本映画界において確かな実力を高く評価される女優・橋本愛。
さらに、元彼「椎名」を忘れられない「あたし」を演じるのは、『愛の渦』(14)やで体当たりの演技を見せ注目を浴び、その後『二重生活』(16)で単独初主演を果たした後も『オオカミ少女と黒王子』(16)といったラブコメにも出演するなど、その演技の幅は計り知れない若手実力派女優・門脇麦。青春時代にみんなが恋焦がれた、自らの退屈を埋めてくれるであろう「椎名くん」を『キセキ -あの日のソビト-』(17)での好演が記憶に新しい、独特の色気と存在感を放つ人気急上昇俳優成田凌が演じる。
地方都市に住む「私」(橋本)と「あたし」(門脇)―“退屈”な日々、自分の居場所がみつからないふたりの女性。思い出されるのは輝いていた高校時代、憧れの存在だった「椎名くん」(成田)。「私」は彼を探しはじめる。ここではないどこかにー女性の心模様を、鮮やかに、時に切なく描く青春映画の誕生だ。
キャスト&スタッフ コメント
●橋本愛
原作を10代の時にお風呂で読んで、ああ好きだなあと思って 好きな小説の映像化に関われたのはとても幸せなことでした。以前から廣木監督の現場にも興味があったので、ダブルで夢叶って嬉しかったです。田舎の景色や帰郷した時の思いとか、体が知ってることが多かったから地方出身で良かったと思いました。御縁の塊のような作品に携われて最高です。早く見たいです!
●門脇麦
誰かに強く憧れて自分を認められなかったり、誰かに固執することでしか自分の存在意義を見いだせなかったり。歳を重ねるにつれて削がれていくであろう苦しくて退屈な時間もいつかは愛おしく感じられるのかな、そんな風に思える瑞々しい作品になるのではないかと思いました。廣木さん、そしてやっと橋本愛ちゃんとご一緒出来たことがとても嬉しいです。完成を観られるのを楽しみにしています。
●成田凌
一歩先にいるのか後ろにいるのか、存在したのかしなかったのか、どこか愛せるようで愛せない、椎名役を演じました。
富山の地に力を借り、廣木監督をはじめスタッフや共演者の力を借り、美しい青春と草臥れた白秋の日々を過ごさせていただきました。美しい映像と混沌とした感情の中のどこかにあったであろう愛を探す人間たちの物語です。
山内マリコ
青春のすべてを注いだデビュー作が映画化されるなんて感無量です(しかもオール富山ロケ!)。出演者決定しました~と担当編集さんから聞き、その顔ぶれを見た日の喜びは忘れられません。橋本愛ちゃんと門脇麦さん、そしてななな、成田凌!? 最高のキャスティングに震えました。本当に公開が待ち遠しいです。公開に合わせて写真集とか出してほしいです。
廣木隆一監督
ありふれた日本のどこかの風景の中、ありふれた会話。退屈きわまりない日常、でもそこにいる者たちにとってはとても特別で刺激的な時間が流れてる。今を生きる事は決して楽しい事ではないかも知れない。自分の人生が今、どの辺なのかも。もがきながらハートを揺り動かしてくれるキャストと富山の町を走りぬけた映画です!!!!
ここは退屈迎えに来て
2018年秋 全国公開
配給:KADOKAWA
©2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会