ベトナム戦争が続いていた1971年、ニューヨーク・タイムズが国防総省の最高機密文書をスクープした。時の大統領ニクソンは記事の差し止めを要求するが、同じ文書を入手したワシントン・ポスト紙も社の存亡を賭けて記事を発表しようとする……

2018年アカデミー賞2部門ノミネート作品が3月に日本公開!

「ブリッジ・オブ・スパイ」のスティーヴン・スピルバーグ監督が、いま撮らなければいけない作品として製作した事実に基づくドラマ。

主演は「幸せをつかむ歌」のメリル・ストリープと「ザ・サークル」のトム・ハンクス。二人を囲み「キャロル」のサラ・ポールソン、「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」のボブ・オデンカーク、「ゴールド/金塊の行方」のブルース・グリーンウッドらが共演している。

スタッフはスピルバーグ作品の常連揃いで、音楽ジョン・ウィリアムズ、撮影ヤヌス・カミンスキー、衣装アン・ロスらオスカー受賞者が集結。今年のオスカーでも作品・主演女優の候補に入っている。

政府の最高機密文書を公開するべきか!?国民の権利を守ろうとするジャーナリストの決断!

1971年3月、ワシントン・ポストの編集主幹ベン・ブラッドリー(ハンクス)は、ライバル視するニューヨーク・タイムズのスクープに唖然とする。タイムズはベトナム戦争に関する国防総省の最高機密文書〝ペンタゴン・ペーパーズ〞を公表したのだ。時の大統領ニクソンは連邦裁判所に記事の差し止め命令を要求、差し止めは認可される。

ベンは自社でもその文書を入手できないかと奔走、リークしたランド研究所の職員とかつて同僚だった主幹補佐のバグディキアン(オデンカーク)の努力で全文を手に入れる。だがポストは亡き夫の跡を継いで社主になったキャサリン・グラハム(メリル)が株を公開したばかりの不安定な時期。国家反逆罪に問われる恐れさえある機密文書の公開に踏み切れるのか。しかも文書はキャサリンの友人でもある国防長官マクナマラ(グリーンウッド)の指令で作成されたものだった。キャサリンが懊悩の末に下した最終的な決断は……

ここに注目!3選

01: メリルはなんと21度目のオスカー候補

入魂の演技で今回もアカデミー賞主演女優賞候補に入っているメリル・ストリープ。なんとこれが21回目のノミニーだ。過去には3度の受賞歴があるが、果たして4度目はあるのか?

画像: 01: メリルはなんと21度目のオスカー候補

02: ポストのオフィスはニューヨーク州で撮影を

ポストのオフィスはオスカー受賞歴のあるプロダクション・デザイナー、リック・カーターの手でニューヨーク州の空オフィス・ビルに作られた。1971年当時からポストが移転していたためだ。

画像: 02: ポストのオフィスはニューヨーク州で撮影を

03: ウォーターゲート事件の前章となる出来事

ワシントン・ポストと言えばウォーターゲート事件を描いた「大統領の陰謀」でも有名だが、この機密文書公表とその後の裁判での勝利が、ウォーターゲート事件の暴露につながったと言える。

画像: 03: ウォーターゲート事件の前章となる出来事

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
2018年3月30日公開
原題『ポスト』2017年度作品。1時間56分。アメリカ映画。東宝東和配給

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