いままでマーベルのアメコミ映画をみたことのない人にマーベル映画を楽しんでもらうための(おそらく)日本一わかりやすいマーベル講座!
みなさんこんにちは。アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画(アメリカン・コミックス原作のヒーローたちが登場する映画)のご紹介をしている杉山すぴ豊です。アメコミ映画好きは、今度のゴールデンウィークにマーベルのアメコミ映画の集大成とも言うべき「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」が公開されるのでいまからお祭りモードなのですが、この手の映画をまったく見たことがないという方もいらっしゃいます。
その理由を聞くと「あまりに数が多くていまからついていけない」と思っている人が多い。でも大丈夫です。それは心配しなくていいです。知らないアーチストばっかりでもフェスに行けば楽しい、魚に詳しくなくてもお寿司屋さんは美味しい、のようなもので、アメコミの知識とか“いままで”を知らなくても全然楽しめます。しかもアメコミ映画は2020 年以降もずっと続いて行くので、いまから好きになればこれからのお楽しみも増えるというもの!
それでもちょっと……とためらう方のために、アメコミ映画について超わかりやすくご説明!わたくし、すぴが先生役を務めさせていただきます。
アメコミ映画の基本は〝ヒーローが悪をやっつける〞
すぴ:アメコミ映画って全然見たことない?
生徒:いやもう、数が多すぎて、どれから見ていいかわからなくて。だからもういいやって感じです。
すぴ:結論から言うとね、どこから見始めても大丈夫だよ。これって山手線みたいなもので、どの駅から乗ってもグルグル回れるように、1作でも見ればなんとかなる。とにかく一度見てみて、こういう作品好きって思えればそれでいいよ。
生徒:予備知識なくても楽しめます?
すぴ:基本はアメコミ映画って〝ヒーローが悪をやっつける〞という娯楽映画の鉄板な展開だからアクションがすごいし、見せ場は派手だし、細かい設定とかわからなくてもOKだね。
生徒:でもアメコミってアメリカのコミック原作ですよね。アメリカ人じゃないと面白さわからないんじゃないかなあ。
すぴ:アメコミ映画ってアメリカだけでなく世界中でヒットしてるんだよ。いま全世界でもっともお金を稼いだ映画シリーズは1位がマーベル、2位がスター・ウォーズ、3位がハリー・ポッターなんだ。つまりどんな国の人でも楽しめるということだよね。
生徒:そもそも〝マーベル〞と〝アメコミ映画〞ってどう違うんですか?
すぴ:マーベルっていうのはアメコミ界の大きなブランドのひとつだよ。だから〝マーベル・コミック原作のアメコミ映画〞を〝マーベル映画〞って言うんだ。アイアンマンとかアベンジャーズとか聞いたことあると思うけど、あれがマーベルだね。
生徒:そう、あれもちょっと面倒だなと思っていて。なんでヒーロー同士があっちいったりこっちいったり共演するのかな、って。
すぴ:確かにいままでの映画シリーズでそういうのなかったものね。これはアメコミという文化のユニークなところなんだけれど、まずアイアンマンもアベンジャーズも、その権利は原作者じゃなくてマーベルが持っているんだ。このシステムがあるからふたつのことができる。ひとつは時代ごとにそのキャラクターの物語を描く人をどんどん交代させていくことで、ずっとお話を続けることができる。
生徒:へぇ〜、じゃあ「ドラゴンボール」は鳥山明先生だけが描くというのとは違うんですね。
すぴ:もうひとつすごいのは、ヒーローたちを自由に共演させることができちゃう。すべてのキャラクターを同じ世界観の中の出来事と位置づけることで、ヒーローたちを自由に共演させることが可能。アイアンマンとドクター・ストレンジという魔術師ヒーローは同じニューヨークに住んでいて手を組むわけだ。
生徒:っていうことは、悟空とナルトが知り合いみたいなもんですね。
すぴ:そう。この2番目の〝同じ世界観にいるから共演できる〞というコミックならではのだいご味を映画に持ち込んだのがマーベルの画期的な点だったね。
生徒:なるほど。だからヒーローたちがあっちに出たりこっちに顔出したりできるんですね。でも、かえってどれから見たらいいのかわからない、というのが本音なんですけど…
自分に合ったヒーローをまず見つけよう!
すぴ:逆に言えば、一人でもお気に入りのヒーローが見つかれば、マーベルの世界に入っていけるということだよ。だから君に合ったヒーローをまず見つければいいよ。どういうのが好き?
生徒:一番かっこいいヒーローは誰ですか?
すぴ:どれもかっこいけど。正統派ならキャプテン・アメリカだね。強い信念とリーダーシップを持つ胸熱ヒーローだ。アクションも華麗でかっこいい。特に「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」はあらゆるアクション映画の面白しさがつまっている傑作だよ。
すぴ:あ、ところで今日は木曜日だね。
生徒:なんですか、突然。
すぴ:マイティ・ソーは北欧神話に出てくる雷神がモチーフ。伝説では木曜日はソーを称える日で、Thursdayの語源でもある。ファンタジーが好きな人ならピッタリだね。ソーの豪快さと他のキャラとのかけあいが絶品。ソーに限らずマーベルのヒーロー物は会話が洒落ている。女性に人気があるのもそこだね。いい男が面白いこと言うから。アイアンマンとかね。
生徒:笑えるのは確かにいいですね。
すぴ:だったら「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」かな。ダメダメ男が、しゃべるアライグマと歩く木を仲間に銀河の危機を救うんだ。「アントマン」もおすすめかな。これまたバツイチのダメダメ男が体を小さくして蟻と話しながら世界の危機を救うんだ。どっちもノリが良くて楽しい。
生徒:しゃべるアライグマですか!そういえば子どものころミュータント・タートルズ好きだったんですけど、あれもマーベル?
すぴ:タートルズもアメコミだけどマーベルじゃないんだ。まあ所属の芸能事務所が違う、みたいなものかな(笑)。マーベルがAKB系なら、タートルズはももクロかな。大雑把に言うとね(笑)。あとバットマンとかスーパーマンもアメコミを代表するヒーローだけど、彼らはDCというこれまた最強のアメコミのブランドです。
生徒:マーベルはAKBみたいなものか。
すぴ:そう。グループ活動があったり、ソロで活躍したり、ファン一人一人に推しヒーローがいたり。今度の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」は、紅白歌合戦とかですべてのAKBグループが一緒になって歌ったりするじゃない?あれと同じで、アベンジャーズを始めとするマーベル・キャラが60人以上登場する、夢のステージだよ。
生徒:おお!なんかちょっと興味出てきました。
すぴ:その調子!劇場で待ってるよ!