新作「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」の公開に合わせ(好評公開中)、ソフィア・コッポラ監督が来日。これまでの作品とはひと味違う新たなチャレンジと自らも認める本作について誠実に語ってくれた。(インタビュアー/奥村百恵)

オペラの世界に飛び込んで成功したことが今回の新たな挑戦に繋がっている

──美しい世界観の中に死や欲望といったダークな要素が盛り込まれた今作は、監督にとって新たな挑戦になったのではありませんか?
「新しいプロジェクトを始める時は常にチャレンジをしたいと思っていて、2016年に演出を手掛けたオペラ『椿姫』も初めての経験でとても怖かったけど、結果的には新しい世界に飛び込んで正解だったわ。そして今作ではスリラーと呼ばれるようなジャンル映画に挑戦したのだけど、自分のスタイルで作れたことを嬉しく思っているの。エンターテイメントとアートを融合させた映画になったと思うわ」
──同じ原作を映画化したドン・シーゲル監督の『白い肌の異常な夜』(1971年)をリメイクするのではなく、女性視点で脚本を書くことに注力されたそうですね。
「ストーリー自体がかなりダークだから、とても繊細でフェミニンであることを意識して書いたの。コリン・ファレル演じる北軍兵士マクバニーが女子寄宿学園というとてもフェミニンなところに入ってくるから、男性と女性の対比みたいなものを描きたいと思って。シーゲル監督の作品も男女の力関係を描いていてとても魅力的だけど、私は全く違うアプローチで書くことを大事にしたの」
──ニコール・キッドマンやキルステン・ダンスト、エル・ファニングなど若手からベテランまで人気女優の豪華共演でしたが、彼女達を起用したポイントを教えて頂けますか。
「キルステンとは過去に3作品、エルとは『SOMEWHERE』で一緒に仕事をしていて、まずエルは当時とても若かったから成長した彼女と再び一緒に仕事がしてみたいと思っていたの。今作でエルが演じたアリシアは早熟で悪女っぽいところがあるけれど、本人は決して悪い子ではなくスウィートで性格の良い子だから、真逆の女の子を演じたらどうなるかなと凄く楽しみだったわ。キルステンが演じたエドウィナはとても抑圧された女性だけど、彼女は決してそうではないからこの役を演じてもらいたかったの。そしてニコールは彼女世代の女優の中では群を抜いていると思うし昔から大ファンなの。実際に一緒に仕事をしてみたらユーモアもあるし才能豊かな人で、私が書いた台詞を彼女が言った瞬間なんかドキドキしたわ(笑)。ニコールが演じたおかげでマーサという女性が人間味溢れるキャラクターになったと思うわ」

画像: 「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」

「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」

女性は年代によって男性に求めるものが違うもの

──マクバニーがやってきたことで、マーサやエドウィナだけじゃなく幼い女の子まで“女の顔”を見せ始めたのが面白かったです。
「女性達は年代によって男性に求めるものが違うからそこを重点的に考えたの。最年長のマーサは結婚相手ではなくアダルトな関係を築けるパートナーを求めていて、30代のエドウィナは恋人や夫になるような相手を、そしてアリシアは性に目覚める年頃だから単純に男性に興味がある。そんな風にそれぞれ相手に求めるものが違っているだけで、男狂いした女性達というわけではないの。マクバニーもまた相手の年齢に合わせて違う魅力を見せていくような演出をしているのよ」

画像: 演出中のコッポラ監督

演出中のコッポラ監督

──監督が仕事をするうえで大事にしていることはありますか?
「スタッフもキャストも全員がエンジョイしながら仕事ができるような環境作りを大切にしているわ。過酷な撮影現場で女性が居心地よく働けるように、そしてできるかぎり女性のスタッフを雇うように心がけているの」

「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」
「ブリングリング」のソフィア・コッポラ監督が、昨年のカンヌ国際映画祭で女性としては史上二人目となる監督賞を受賞した注目作。トーマス・カリナンの同名小説を71年のドン・シーゲル監督版に続き、二度目の映画化で、ソフィアとしては女性の視点で自ら脚色も務め、初のスリラーへの挑戦となる。出演者も豪華な顔ぶれで、「パーティで女の子に話しかけるには」のニコール・キッドマン、「ロブスター」のコリン・ファレルはじめ、「マリー・アントワネット」などでソフィアと組んだキルステン・ダンスト、同じく「SOMEWHERE」で組んだエル・ファニングらが共演する。他に「サウスポー」のウーナ・ローレンス、「ナイス・ガイズ!」のアンガーリー・ライスなどフレッシュな若手女優たちも華を添える。
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