鬼才オゾンが4年の構想期間を経て放つ極上の心理サスペンス
『スイミング・プール』『危険なプロット』などサイコスリラーの名手として知られる鬼才オゾンが、米国の女性作家ジョイス・キャロル・オーツの双子をテーマとした短編小説を大胆に翻案、4年の構想期間を経て放つ極上の心理サスペンスになっている。
解禁される予告映像は、主人公クロエ(マリーヌ・ヴァクト)が、精神科医ポール(ジェレミー・レニエ)との幸せな生活をスタートするところから始まる。
彼女は原因不明の腹痛に悩まされていたのだが、ポールの真摯なカウンセリングによって克服し、やがて愛し合うようになる。しかし、同居のための引越しで開いたダンボールの中から、名字が違うポールの古いパスポートを偶然見つけてしまう。ポールに対しての疑念が晴れない中、彼がいるはずの無い場所でポールとそっくりな男性を見かけたクロエ。ポールに話すと「人違いだ」と言うが信じられず、その男性ルイを探し当てるクロエ。ルイからは、自分はポールの双子の兄で、同じ精神分析医をしていると説明される。クロエは偽名を使って、ルイの診察室に通い始めるが、それは予想もつかなかった迷宮へ足を踏み入れることになるのだった……
予告編では、穏やかで誠実な恋人ポールと、姿形や声はそっくり同じだが傲慢で挑発的なルイの、2人の精神分析を受けるクロエの様子と、やがてどちらとも関係を結び、背徳の愛にのめり込んでいく様、また最初はボーイッシュだったクロエがポールとルイのカウンセリングにより女性として美しく官能的に開花していく姿が描かれている。
「自分が愛した男は何者なのか?」真実を求めるクロエの物語は数々の謎を散りばめ加速し、やがて観客を幻惑の罠にからめとっていくオゾン監督の手腕を堪能したい。
『2重螺旋(らせん)の恋人』
2018年8月4日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開 配給:キノフィルムズ
©2017 - MANDARIN PRODUCTION - FOZ - MARS FILMS - PLAYTIME - FRANCE 2 CINÉMA - SCOPE PICTURES / JEAN-CLAUDE MOIREAU