01:「マクファーランドー栄光への疾走ー」
ケビン・コスナーが農家の高校生たちをクロスカントリーに目覚めさせる!
高校のフットボールコーチが問題を起こしたためカリフォーニア州の農業地帯マクファーランドに転任、農家の子どもたちの走力に驚きクロスカントリーを始めさせる……
ケビン・コスナーがこのコーチ、ジムに扮しているが、中年でさほど優秀でもない体育科の教員という設定をうまく体現している。コーチとして生徒たちの練習に熱心になりすぎ娘の誕生日を忘れてしまったり、部活動で成果が上がれば待遇のいい高校に移れると目論んだりと、いかにもどこにでもいそうなフツーの中年教師なのだ。
だが、生活の重荷を背負い、将来に希望の持ちにくい生徒たちと接していくうち、彼の心境にも変化が訪れ、ただひたすら生徒たちを勝たせたいと思うようになっていくのだ。
実際にこのコーチの率いた高校は、1987年に初めて開催された州大会で優勝して以来、何度も栄冠に輝き、クロスカントリーの名門校に成長したのだ。
02:「奇跡のチェックメイト ークイーン・オブ・カトウェー」
過酷なスラム育ちの14歳の少女がチェスで世界大会へ!
アフリカ、ウガンダの首都カンパラ郊外のスラム地区カトウェに住む少女フィオナは、弟に連れられて行ったチェスクラブでコーチをしているカテンデと出会い、見る見るうちに才能を開花させていく。
やがて彼女はウガンダのチェス協会にもその実力を認められるようなっていくが、スラムでの過酷な生活は変わらず、国際大会で初めて負けたことから挫折感も味わうようになっていく……
母親役のルピタ・ニョンゴ、コーチ役のデヴィッド・オイエロウォとメジャーな俳優も出ているが、フィオナを演じたマディナ・ナルワンガには目を見張らされる。連戦連勝で天狗になる様子、初めての挫折などを、年齢に似合わぬ演技ぶりで見せているのだ。
監督のミーラー・ナーイルはインド出身で「サラーム・ボンベイ!」「ミシシッピー・マサラ」などで知られるベテランだが、舞台がアフリカに移ってもリアリティーある劇構成は安心して見ていられる。