ロサンジェルス警察特殊部隊S.W.A.T.の活躍を描く全米大人気のアクションドラマ「S.W.A.T.」がスーパー!ドラマTVで6月22日から放送開始されるが、それに先駆け主演のシェマー・ムーアが来日、インタビューに答えてくれた。シェマーは人気シリーズ「クリミナル・マインド」を惜しまれつつ降板した後、次の主演シリーズへの期待が高まっていたが、ついにその最新作が日本にも登場する!
銃の扱い方も本物のS.W.A.T.から学んだんだ
大人気シリーズ「クリミナル・マインド」を惜しまれつつ降板したシェマー・ムーア。次なる作品への期待が高まる中、待望の主演作「S.W.A.T.」を引っさげ来日した彼にインタビュー! S.W.A.T.チームのリーダー、ホンドーを演じるばかりでなく、プロデューサーとしても関わるシェマーの「S.W.A.T.」への熱意、ドラマの魅力、そして俳優としての信念など、ドラマさながらの熱さで語ってくれた。(Text by 幕田千宏)
── 「S.W.A.T.」はリブート版ということで、オリジナル版のファンも多くいる中、プレッシャーなどはありましたか?
『僕には人間として、俳優として常に成長していきたいという信条があるんだ。「クリミナル・マインド」を離れると決まった時、ファンの人たちはすごくショックを受けて悲しんでいたけど、「S.W.A.T.」が僕の夢の仕事だという事を理解してくれたよ。長く出演していた作品を離れるのは確かに勇気がいるけど、そのおかげで「S.W.A.T.」という作品に巡り会えた。
今回は動き方も考え方も今まで僕が演じてきたキャラクターとは全く違うから銃の扱い方も本物のS.W.A.T.から学んだんだけど、とにかく彼らはものすごく強い。そしてチームとして機能する術を完全に身に着けているんだ。僕たちが着ている衣装も武器もすごく重いんだけど、僕たちがS.W.A.T.を正確に演じるというのはとても責任ある事だと思う。きちんと演じれば見る人もハっとするだろうし、本物のS.W.A.T.チームに対して常にリスペクトを持って演じたいと思っているんだ。
実は実際のS.W.A.T.って、長い歴史の中でたった1人しかミッションで殉職していないんだよ。それだけでも彼らが有能だという事を証明していると思うんだけど、それって攻撃だけでなく、危険な現場でも自分たちの身を守りながら行動するチームとしての機能性が優れているって事なんだ。それを僕はきちんと伝えたいし、今って民間人と警察の間にいろんな摩擦があって、信頼関係が揺らいできてると思うんだけど、そういう信頼を取り戻したい、より理解を深めたいという気持ちも込めて演じているよ』
S.W.A.T.は常に先頭を切って突入するんだ!
── S.W.A.T.というのはいろんな作品に登場しますが、このドラマでは今まで知らなかったようなS.W.A.T.の一面が描かれているのも魅力のひとつかと思います。実際、シェマーさんがこのドラマに出演した事で初めて知ったS.W.A.T.の意外な真実というのはありますか?
『僕もこの番組に出演するまでは、S.W.A.T.についてはニュースで見て知っている程度だったんだ。「クリミナル・マインド」にもS.W.A.T.が時々登場していたけど、今思うとあれはちょっと間違っていたんだよね。「クリミナル・マインド」では僕たちが先頭に立ってS.W.A.T.を背後に従えて現場に突入していたけど、本当はS.W.A.T.が先頭を切って突入し、FBIは後ろにいる立場なんだよ。「クリミナル・マインド」では僕らがヒーローの立場だったから演出上仕方ないところもあるんだけど、まぁちょっとしたズルだよね(笑)。実際にはS.W.A.T.は誰の背後にも立たない。危険な現場で誰よりも前線に立つのがS.W.A.T.なんだ』
演じている俳優たちのチームワークは最高だよ
── このドラマではお互いに命を預け合うS.W.A.T.隊員のチームの絆を描いていますが、実際に演じる俳優たちのチームワークはいかがですか?
『S.W.A.T.というのはとにかくチームで機能しないと誰かが怪我をしたり、最悪命を落とす場合もあるから、一緒に戦って、一緒に守り合い、一緒に生きていくためにそれぞれにきちんと役割があるんだ。それをいかにリアルに演じるかが僕ら俳優たちの使命だけど、実際僕らの中に嫌なやつは1人もいないよ。お互いにチームとして何をすべきか良く分かっているし、僕自身、主演という立場でしかも演じるホンドーはリーダーという立場にある。だからといって自分、自分と主張するのではなく、みんなで仕事をするためにはやっぱりお互いにリスペクトが必要なんだ。それに僕らがチームとして上手く行ってなければ、ドラマを見た時に分かってしまうと思うんだ。「クリミナル・マインド」もすごくチームワークが良かったんだけど、そういう事はやっぱり見ていて伝わるものなんだよね』
演じているキャラクターと一番ギャップがあるのはストリート
── 個性豊かなS.W.A.T.メンバーが揃っていますけど、演じるキャラクターと一番ギャップがある人は誰なんですか?
『そうだな……。意外かもしれないけど、ストリート(アレックス・ラッセル)かな。彼は本当はすごくナイスガイなんだよ。役柄ではバイクを乗り回して無謀な運転をしたり、命令を無視して突っ走ったりするワイルドなヤツで、生意気な口を利いてはチームの和を乱す問題児なんだけど、実際の彼は全く逆のタイプで、オーストラリアからやって来た素朴な好青年って感じなんだ。ドラマではそのアクセントを隠して、完璧なアメリカ英語を話してる。でもオフセットになるととたんにオーストラリア訛りが戻ってきて、誰にでもフレンドリーで、優しくて、服装もG.I.ジョーみたいにキチっとシャツのボタンを留めてて、髪型もピシっとしてて、ストリートの生意気さなんて微塵も感じられないんだ。それだけ完璧に演じきっているんだから彼は素晴らしい俳優だよ』
社会問題をドラマに反映しながら娯楽として楽しめるものにしたい
── このドラマではダイバーシティが反映されていてとても現代的な作品だと思うんですけど、だからこそ、伝えたいメッセージはありますか?
『これはテレビ・ドラマだからまずは娯楽として楽しめるものにしたいし、格好良くてエキサイティングで、展開が読めない、そんな作品にしたいと思ってる。第一話では白人の警官が黒人の子供を撃ってしまうというエピソードがあるし、現実にもそのような事が度々ニュースで取り上げられたりしているけど、でもドラマで毎回そのような白人vs.黒人みたいなエピソードを取り扱っていても面白くないだろうしね。いろんなハートのある人、同時に欠点のある人たちを描いた人間ドラマを見せていきたいと思ってるんだ。
例えば第一話では、こうした事件を受けてブラック・コミュニティが怒りを込めて立ち上がった結果、本来自分よりキャリアがある白人のディーコンを差し置いて政治的な人事として僕がリーダーになってしまう。でもなったからにはこの仕事に相応しい事を証明しなくてはならないし、平和をもたらすという大きな責任を担う事に葛藤しながら向き合っていくんだ。もちろん今は社会全体がいろんな意味で解決しなければならない問題を抱えているし、そうした社会問題をドラマに反映しながらも、説教臭くなるのではなく、どうやったらみんなで一緒になって解決できるのか、その一例を見せていきたいと考えているよ』
海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTV
「S.W.A.T.」 6月22日(金)22:00より独占日本初放送!
【二カ国語版】毎週金曜22:00ほか 【字幕版】毎週金曜24:00 ほか
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Interview Photos by Shigeo Sugita