無垢な少年少女や、能天気な若者たちは、ホラー映画の犠牲者になりやすい。すでに有名になった俳優をあっさり殺すわけにいかないので、“スター未満”の若手俳優がホラーにキャスティングされるのは常識だ。逆に言えば、ホラー映画はスターへの登竜門でもある。そんな作品たちを紹介しよう。
あの大スターもホラー映画に出ていた! ?
有名なのはジョニー・デップで、映画デビュー作の「エルム街の悪夢」で、殺人鬼フレディの餌食になるが、その美形に注目が集まった。レオナルド・ディカプリオの映画デビュー作は、極悪エイリアンキャラが暴走するホラーシリーズの「クリッター3」だし、トム・ハンクスのデビュー作もサイコホラーの「血塗られた花嫁」だった。「フットルース」の前に「13日の金曜日」に出たケヴィン・ベーコンなど、ホラーがブレイクへの足がかりになったケースは多数。
女優に目を移すと、ジェニファー・コネリーは14歳で「フェノミナ」で主演を務め、クロエ・グレース・モレッツは8歳で「悪魔の棲む家」(2005)に出演。ホラーと美少女の相性を証明し、スターへの一歩を刻んだ。
一方で、ホラーへの出演が「黒歴史」のスターもいて、ジョージ・クルーニーの劇場映画デビュー作「ハイスクールはゾンビテリア」(日本はDVD公開)、ブラッドリー・クーパーの2作目「処刑・ドット・コム」(日本はDVD公開)は、ともにB級ホラー。ブラッド・ピットの「処刑教室/最終章」(日本はDVD公開)も含め、本人たちが封印したくなる恥ずかしい演技を披露している。いずれにしてもスターの想定外なピュアな魅力を発見する意味で、ホラー映画は「宝庫」なのである。