LA在住の映画ジャーナリストとして活躍中の筆者が、“SCREEN”のインタビューなどで毎月たくさんのスターに会っている時に、彼らの思わぬ素顔を垣間見ることがあります。誰もが知りたい人気者たちの意外な面を毎月一人ずつお教えする興味シンシンのコーナーです。今回は大ヒットしたミュージカルコメディ「ピッチ・パーフェクト」シリーズでベッカを演じたアナ・ケンドリックです。

成田陽子
ロサンジェルス在住。ハリウッドのスターたちをインタビューし続けて37年。これまで数知れないセレブと直に会ってきたベテラン映画ジャーナリスト。本誌特別通信員としてハリウッド外国人映画記者協会に在籍。

スターになっても自虐ネタを混ぜ込んで相手を気遣う心配りに感心させられる

「マイレージ、マイライフ」(2009)で主演のジョージ・クルーニーを相手にウーマンパワーを大いに発揮して注目を浴びたアナ・ケンドリック。既に7回もインタビューして来たが身長156センチの小粒の体に横綱の様なパワーとエネルギーを持つ『いつも大張り切り娘』のまんま、スターになっても相手を気遣う思いやりやら楽しませようと自虐ネタで素早くジョークを連発する、その才気と優しさに感心させられてしまうのである。

小さな体を少しでも大きく見せようといつも黒髪を大きく波打たせ、エレベーテッド型のハイヒールを履いて、ちょこちょこと現れて、全身全霊でアピールする姿はちょっとおかしくもあり、ちょっと胸が痛んだり、ともかく友人に持ちたい最高のタイプと言えよう。

初めて会った「マイレージ…」の時は少女時代から舞台に立っていた訓練のために、その大声にびっくり。妙に気取ってちんまりしたりせず堂々と自分の意見を話して、女優としてのプライドに満ちていた。歌も得意なのよ、とミュージカルナンバーを歌ってみせたり、そのショウマンシップは素晴らしかった。

東部のメイン州のポートランドに生まれ、父親は歴史の教師、母親は会計士という安定した家庭に育ち、小さい時から女優志願で6歳の時に地元の劇場で「アニー」の主役を演じてすっかりパーフォーマンスの興奮感に病み付きになり、以後舞台を重ねて、ご存知「トワイライト」シリーズではベラの友人役を得て映画界の若手スターに。「ピッチ・パーフェクト」第三弾に続く、新作「ア・シンプル・フェイヴァー」(2019年日本公開予定)では、ブレイク・ライヴリーと共演、きわどいレズっぽいシーンまで見せてくれる。

『ブレイクのゴージャスなルックスにマニッシュな服装、全てが私には全く似合わないのっぽ用のものばかりで、映画の中だけでなく現実にも私はブレイクに魅せられてしまって、ぼーっと見つめてばかりいたのよ。信じられない程のブラックユーモアが出て来る喜劇で、脚本を読んで笑ったり、身震いしたり。私のヴィデオブログの場面も出来る限り真面目にやって、このプレゼンテーションに情熱を注いでいる家庭の主婦として張り切ったつもりだけれど、一体誰があんなものを見るのかしら。

映画の中でブレイクのクローゼットをチェックするところがあるけど、私も人の家に行くとトイレのキャビネットを開けたり、色々詮索してしまう。それって人間の本能でしょう?私は小さくて控え目に見えるからそれを武器に使うのよ。誰もが私をそれ程大した女優じゃないと目算する。それは一種のパワーなのね。私はずる賢いから、そういう計算をしてスターダムに登って行くの!』

とわざとらしい表情をして見せて、それがまた何とも可愛いのである。

画像: 「ピッチ・パーフェクトラストステージ」

「ピッチ・パーフェクトラストステージ」

▶︎▶︎アナ、意外にもレッドカーペットの準備は下着と靴の準備だけ?!▶︎▶︎

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