去る2018年11月12日、数多くのマーベル・ヒーローたちの生みの親、スタン・リーが95歳で逝去しました。アメコミ・ファンにとって神様のような存在だった人、彼が私たちに遺してくれたもの、教えてくれたことの大きさは計り知れません。彼への深い愛情と哀惜を、アメコミ系ライターの杉山すぴ豊さんが語ってくれました。

マーベルのキャラクターは今もみんなの心の親友になっていると信じている

僕は、自分がいろいろと悩んでいた思春期の時に、翻訳本を通じてマーベルのヒーローやヴィランたちと出会いました。派手なコスチュームに身をつつみ、すごい力を持っている。なのに彼らの人生にみは尽きない。その気になれば世界だって征服できるのに、社会や世間とどう折り合いをつけて生きていくか葛藤している。

自分はヒーローとはほど遠い存在だったけれど、苦悩する彼らの姿に自分を重ねることができました。彼らの物語は、いままさにもがいている自分の毎日の比喩なんだと思えるようになりました。だから元気が出た。マーベルのヒーローやヴィランたちは僕の心の友であり、僕を救ってくれた。その生みの親がスタン・リーさんという方だと知りました。その時からスタン・リーさんは、僕にとって感謝と尊敬の人になりました。

アイアンマン役のロバート・ダウニー・ジュニアと

ずっと慕い続けてきたスタン・リーさんですが、2016年の東京コミコンで直接お会いする機会を得ました。この時、僕はスパイダーマン関係のステージのMCを担当していて、世界初出しで「スパイダーマン:ホームカミング」の予告編上映をする予定でしたが、直前になってその発表が出来なくなってしまったのです。でもステージは始まってしまった。お客様は満員。途方に暮れていた時に、なんとスタン・リーさんがそのステージに駆けつけてくれたのです!後で聞いたら、このステージが失敗に終わりそうなことを知り急きょ出てくれる、と言ってくださったそうです。

その時の感動と興奮を今でも忘れることが出来ません。僕は、キャプテン・アメリカの盾を手にはめてMCをしていたのですが、スタン・リーさんと握手する際、舞い上がってしまって盾が手からなかなかハズれないでもスタン・リーさんはニコニコしながら待ってくださいました。長らく憧れていた人とついに対面できたわけですが、素晴らしすぎる時間でした。そして次にお会いした時は、もっとお話しようと心に誓いました。しかし、その夢は叶わなくなりました。

おなじみスパイダー・ポーズ。スパイダーマンも彼が生みの親

スタン・リーさんの生み出したマーベルのヒーローたちはいま映画界をにぎわしています。映画館で中学生らしいファンを見かけるたびに、かつて自分がそうだったように、この子たちにとってもマーベルのヒーローやヴィランたちが心の親友になっているのではないかと思います。そして、彼らはスタン・リーという偉大な存在もちゃんとわかっている。

スタン・リーさんが生み出したマーベルのヒーローやヴィランたちは、これからも語り継がれ、ずっとずっと生き続け皆に愛されていくことでしょう。だからこそ僕は、スタン・リーという偉大なる存在のことを微力ながら語り継いでいきたいと思います。スタン・リー、本当にありがとうございました!これからもあなたを愛し続けます。Excelsior!

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