サイモン・ペグ&ニック・フロストの“真の友情”を感じさせる演技
本作は、ジョージ・A・ロメロの名作ゾンビ映画『ゾンビ』にオマージュを捧げ、英国ユーモアをまじえて映画化したホラー・コメディー。のちに2007年の『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』、2013年の『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』などの名作コメディー映画を次々と世に送り出すエドガー・ライト監督、主演コンビのサイモン・ペグ&ニック・フロストの出世作であり記念碑的作品だ。
物語の舞台はイギリス。ロンドンの家電量販店に勤める主人公ショーン(サイモン・ペグ)は、その無気力で煮え切らない態度から、ガールフレンドのリズからふられてしまう。意気消沈したショーンだが、翌日起きてみると死人たちがよみがえり、街がゾンビだらけになっていることに気づく。ショーンは、リズを救い出し、愛を取り戻そうと決意し、居候のエドと共に奮闘する……
ホラーという一つのジャンルにとどまることなく、アクションにロマンス、ユーモアと友情といった映画に必要な要素がすべて詰まった本作は、史上もっとも愛すべきゾンビ映画として、海外をはじめ熱狂的なファンを増殖させてきた。クエンティン・タランティーノや『ウォーム・ボディーズ』でゾンビ映画に挑んだニコラス・ホルトなど本作のファンを公言する著名人も数多い。
日本では劇場公開がされないままに月日が経過していたが、このたび長い沈黙を破り、いよいよTOHOシネマズのスクリーンで限定公開されることが決定した。
英国の鬼才エドガー・ライト監督による映像と音の演出は、映画館で体験してこそ、その本質に触れることができるもの。本国での公開から15年が経過していても、本作の衝撃とユーモアはいまだに鮮度抜群だ。
主人公・ショーンを演じるサイモン・ペグと親友エド役のニック・フロストは、かつてルームシェアをしていたほどの仲。現実での関係性をそのままに、本作でも真の友情を感じさせる演技をみせる。
また『ボヘミアン・ラプソディ』の社会現象的大ヒットで話題沸騰中の“クイーン”の楽曲が劇中歌やエンディングテーマとして使われているのも見逃せないポイント。待望の日本劇場初公開によって本作の魅力にとりこになる“感染者”はますます増えそうだ。
『ワールズ・エンド』との2本立て上映の企画も進行中
さらに本作の公開を記念して、2014年に公開されたエドガー・ライト監督作品『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』との2本立て上映の企画も進行中。こちらはリクエストの多い映画を映画館で上映できる“ドリパス”での開催を予定している。
ショーン・オブ・ザ・デッド
2019年3月29日(金)TOHOシネマズ日比谷他で限定上映
配給:カルチャヴィル
©Images courtesy of Park Circus/Universal