生々しい性描写が世界中で議論の的となった問題作
2018年11月26日、肺癌によりローマで亡くなったベルナルド・ベルトルッチ監督。訃報を受けたカンヌ国際映画祭は彼を「世界映画の導きの灯として永遠に輝き続ける、イタリア映画界の巨星」と呼んで讃えた。
大作『ラストエンペラー』(1987)でオスカー主要部門を総なめで受賞した後、ベルトルッチの名が広く世の耳目を集めるきっかけとなったのが、公開と同時に国境を超えて一大スキャンダルを巻き起こしたこの『ラストタンゴ・イン・パリ』だ。
現代のパリを舞台に、妻に自殺されたばかりのアメリカ人ホテル経営者ポールが、偶然出会った若いフランス人娘ジャンヌをアパルトマンの一室で衝動的に犯した後、二人が同じ部屋で互いのことを何も知らないまま逢瀬を重ね、やがて悲劇的な破局を迎えるまでが描かれる。
ポール役を演じるのはハリウッドの大スター、マーロン・ブランド。ジャンヌ役には、フランス人新進女優マリア・シュナイダーが抜擢された。
完成作は、その生々しい性描写が世界中で議論の的となり、ベルトルッチの故国イタリアでは上映禁止処分、アメリカ合衆国での初公開時には最も露骨な性愛場面がいくつかカットされ、X指定(17歳未満は鑑賞禁止)となった。世界が驚愕した衝撃の問題作が今ここに、4Kデジタルリマスター版となって蘇る。
*⼀部劇場を除き、上映は4Kリストア・デジタルリマスター版から変換された2K上映。
ラストタンゴ・イン・パリ 4Kデジタルリマスター版
2019年3月16日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAにて公開
配給:コピアポア・フィルム
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