時代に翻弄される恋人たちの姿を美しいモノクロ映像と音楽で描く
本作は前作『イーダ』で第87回アカデミー賞・外国語映画賞を受賞、世界的な評価を受けるポーランドのパヴリコフスキ監督が、ポーランド・ベルリン・ユーゴスラビア・そしてパリを舞台に冷戦下、時代に翻弄される恋人たちの姿を美しいモノクロ映像と音楽で描き出したラブストーリー。
ポーランドの音楽舞踏学校で出会い、愛し合うようになるピアニストのヴィクトルと歌手志望のズーラ。冷戦中、ヴィクトルは政府に監視されるようになり、ベルリンでの公演時、パリに亡命する。歌手になったズーラは公演活動で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会する。ズーラは彼とパリに住み始めるが、やがてポーランドに戻ってしまい、ヴィクトルも後を追う。二人の愛は結ばれるのだろうか・・
今回解禁された映像は、ズーラ(ヨアンナ・クーリク)がポーランド語で歌うジャズナンバーから始まる。この楽曲「Dwa serduzkaドゥヴァセルドゥシカ(Two Hearts)」はポーランドの伝統音楽と舞踏を継承する実在の楽団“ マゾフシェ” が長く歌い繋いできたスタンダードナンバーを「この楽団の音楽の変遷自体が当時のポーランド社会で何が起こっていたのかを示す重要な存在になる」と考えた監督が、本作のために美しいジャズナンバーへとアレンジ。ポーランドからパリに渡ったあと、美しい歌手へと変貌を遂げたズーラとその時代の変化を、より象徴的に表すシーンとなっている。
また現在ではとても珍しいフォーマットである「ほぼ正方形の画面比率」と「モノクロ」で撮影されたことも話題の本作。ポーランド、ベルリン、ユーゴスラビア、パリなど様々な時代と場所を巡り、そこで繰り広げられていく2人の関係性と空気感がモノクロのコントラストによってダイナミックかつ誠実に切りとられ、瞬きするのも惜しいほどの美しい映像が散りばめられている。
ティザーポスタービジュアルは静かに寄り添うヴィクトル(トマシュ・コット)とズーラの姿を捉えたもの。「一緒にいたいだけ」と添えられたコピーは時代に翻弄され続けながらも決して離れることができない相手を見つけてしまった2人の運命的な繋がりを表したものになっている。
COLD WAR あの歌、2つの心
2019年6月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
配給:キノフィルムズ/木下グループ
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