英国史上もっとも物議を醸したといわれる政治スキャンダル
英国全土を震撼させたソープ事件とは?
1967〜1976年にかけて自由党党首を務めたジェレミー・ソープが起こしたスキャンダル。同性愛関係にあった青年ノーマンへの共謀と殺人未遂で起訴され、無罪判決が下るものの政界引退に追い込まれた。
1960〜70年代のイギリスで起きた国会議員ジェレミー・ソープによる“ソープ事件”。同性愛が違法だった当時、青年ノーマンと関係を持ったジェレミーは過去を清算するため、ノーマンの殺害を計画する。
この衝撃的な実話を英国を代表する二大俳優でドラマ化。男色家の議員ジェレミー・ソープを“ラブコメの帝王”ヒュー・グラント、彼の元恋人ノーマンを「007」シリーズのQ役で知られるベン・ウィショーが演じる。ウィショーは本作でゴールデングローブ賞助演男優賞(シリーズ・ミニシリーズ・テレビ映画部門)を獲得した。監督は「クィーン」などで二度アカデミー賞候補になったスティーヴン・フリアーズ、脚本は人気ドラマ「ドクター・フー」のラッセル・T・デイヴィスと、俳優陣同様の豪華な製作陣にも注目だ。
火遊びは破滅のはじまり⁈
1960年代のロンドン。次期党首を狙う自由党の下位議員ジェレミー(グラント)は、支援者宅で馬の世話をしていた美しい青年ノーマン(ウィショー)と親密になり、愛し合う仲に発展。支援者宅に国民保険証を置いてきてしまったため、働くことも部屋を借りることもできずにいたノーマンに家を用意するなど、経済的にも彼を支援する。
しかし同性愛が違法とされていた時代、二人の秘密の関係は長く続かなかった。ノーマンは彼からの直筆の手紙を証拠に、警察にジェレミーとの関係を自白。さらに生活に困窮したノーマンは、ジェレミーの母親に同性愛の事実を暴露し、金銭を要求する。
政治生命を脅かされることを懸念したジェレミーの中で、次第にノーマンに対する殺意が芽生え始めていく。