『誰もがそれを知っている』というタイトルが示すものとは何なのか
2012年に『別離』、2017年に『セールスマン』と2010年代で2度もアカデミー賞を受賞し、サスペンスフルな語り口と普遍的で濃密な脚本で世界中の映画ファンを魅了し続けるアスガー・ファルハディ監督。
本作は、緊迫感溢れる語り口で人間社会の裏に潜むテーマを鋭く描き出し、すでに揺るぎない評価を確立している名匠が、それに甘んじることなく初めてのオール・スペインロケに挑み、新たな境地を切り開いた会心の一作。
物語の着想は、監督が15年前のスペイン旅行で目にした行方不明の子供の写真。そこからじっくりと構想を練り上げ、ペネロペ・クルスと、実生活では夫でもあるハビエル・バルデムに当て書きでオリジナル脚本を完成。数年来の友人でもあるスター俳優たちと念願のタッグを実現させた。
既に本作を鑑賞したマスコミからは「文句のつけようがないくらい素晴らしい作品!」「散りばめられた伏線が、時間の進行にあわせて回収されていく物語の編み方が見事!」とファルハディ監督ならではの緻密な演出や、「ペネロペとハビエルがのびのびと演じていてよかった。」と本作で6度目の共演を果たす夫婦ならではの息のあった2人の演技に絶賛の声が続出している。
このたび日本版予告がついに完成。解禁となった予告編はペネロペ・クルス演じるラウラが妹の結婚式のためにスペインに帰郷するシーンから始まる。久しぶりに顔をあわせる家族や、ワイン業を営む幼なじみのパコ(ハビエル・バルデム)との再会を喜ぶラウラ。幸せに包まれた教会での挙式で、パコの甥フェリペから突如、娘のイレーネに明かされる“ラウラとパコはかつて恋人だった”という衝撃の事実。
そして、賑やかに宴が催されていたその夜、突然の停電を境にムードが一転し不運な空気が漂い始め、娘が何者かによって誘拐され「娘を助けたければ金を用意しろ」と身代金を要求するメッセージが届き始める。義兄から「なぜ結婚式に来なかった?」と疑いの目をかけられるラウラの夫(リカルド・ダリン)。「私に恨みがあっても娘を傷つけないで」とパコに意味深な発言をするラウラ。「周りの人間をよく見てください」と忠告する元警官。「あの家族はみんなグルなのよ!」と叫ぶパコの妻。「ご主人を完全に信用している?」とラウラに囁くパコ。次々に湧き上がる疑惑に疑心暗鬼に陥った家族の内に、長年隠されていた秘密が次第に露わになっていく…。
ラウラとパコ、その妻、村人、そして家族、意味深な視線の先にあるものとは?『誰もがそれを知っている』というタイトルが指し示すものとは一体何なのか。警察への通報が許されない極限状況のもと、刻一刻と変化していく人間模様からひとときも目が離せない。アスガー・ファルハディ監督作史上最もサスペンスフルな本編を存分に期待させる予告映像となっている。
誰もがそれを知っている
2019年6/1(土) Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
配給:ロングライド
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