LA在住の映画ジャーナリストとして活躍中の筆者が、“SCREEN”のインタビューなどで毎月たくさんのスターに会っている時に、彼らの思わぬ素顔を垣間見ることがあります。誰もが知りたい人気者たちの意外な面を毎月一人ずつお教えする興味シンシンのコーナーです。今回は大注目の若手俳優ルーカス・ヘッジズに直撃!

成田 陽子
ロサンジェルス在住。ハリウッドのスターたちをインタビューし続けて38年。これまで数知れないセレブと直に会ってきたベテラン映画ジャーナリスト。本誌特別通信員としてハリウッド外国人映画記者協会に在籍。

「ベン・イズ・バック」の監督であるルーカスの父が現場で彼を何と呼んでいたか?

初めてルーカス・ヘッジズに会ったのは「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(2016)でケイシー・アフレックの甥っ子を演じた時。この映画でケイシーはオスカー主演賞を受賞、ルーカスも助演賞候補になったほどの迫力ある家族の悲劇を描いたドラマだった。

その時は、いつも優しい製作者のマット・デイモンが横にいて肩を抱かれたり、すっかり頼り切っていた様子が微笑ましかった。2018年は「ベン・イズ・バック」と「ある少年の告白」の2本でそれぞれ大熱演を見せている。

いつもはにかんで、どこか甘ったれの坊やのような表情を浮かべるルーカスだが、ひとたびドラマティックなシーンになると見ている方がのけ反る程にパワフルで迫真の演技を見せてくれる。

しかしインタビューとなると『自分のことをしゃべるのなんか苦手だなー。ああ、早くホテルに戻りたいなー!』ってな顔で対応するのでこちらはPTAのおばさんのような気分にさせられて、もう少しだからがんばりなさいと励ましながら質問を続けねばならない。

『「ベン・イズ・バック」は自分の父親が監督だったから、撮影前にどういう風に仕事を進めていくか気になっていたら突然僕のことを「ババ」と呼び出して、そんな名前で呼んで欲しくないって抵抗したのだけれど全く無視されて、僕は僕で最初は「ダッド」なんて呼んでいたのだけれど次第に「ピート」と呼ぶようにしたらふたりの関係が仕事のプロっぽい感じになって撮影中はずっと「ババ」と「ピート」だった。

僕が自分でやりたい役作りを黙って見守ってくれて、父が僕を理解して尊敬しているのを感じてやっぱり素晴らしい監督なんだなと今まで以上に父の才能を見直すことが出来た。撮影中に2週間のクリスマス休暇があったけれど、自宅でも父は僕のことをババと呼んでいたね。』

性の対象について白か黒か決めつけるのは間違っている。グレーゾーンを理解すべき

画像: 「ベン・イズ・バック」

「ベン・イズ・バック」

『ジュリア・ロバーツが母親になってびっくりしたのは彼女の突進力。子供を助けるためには自動車さえ持ち上げてしまうような力を見せる演技力でおまけに凄い意志の強さを持つ母親の存在感にあふれていて、そのダイナミックなパワーに僕は圧倒されてしまった。僕自身の母親は詩人にして女優で、鋭い感性の持ち主。家族のために無償で尽くす縁の下の力持ちでもある。

長いことブロードウェイで代役を務めていてある時は3か月の身重の体で主役の代役を張る勇気も見せてくれた。母のような影で主役を支えるプロの存在を目の当たりにしているからスターよりも影で光るタイプの女優の方を尊敬する。僕も同様に目立たないところでキラリと光る俳優を目指したいと思っている』

好きな俳優、女優については、『「俺たちに明日はない」のフェイ・ダナウェイとか「卒業」のキャサリン・ロスなんかが好きだった。高校生ものの若手女優とかには全然魅力を感じなかったな。俳優では何と言ってもマーク・ライランス。彼の演技力にはいつも魅せられてしまうんだ。ケイシー・アフレックも大好き』と目を輝かせていた。

また「ある少年の告白」については、『アメリカでも世界でもゲイのステイタスはあまり進歩していないと思う。まだまだ国によってはゲイに石を投げつけたり、殺してしまうから、こういう映画がゲイを理解して、少しでも状況を改善できたら喜ばしいことだよね。僕だって小学生の時に男子生徒にときめきを感じたし、その後にもそういう感情を抱いたことがある。だからといってゲイと決めつけるのは間違っていると思う。実際僕は今女性と交際しているし、白とか黒と決めつけないでグレーゾーンを理解して欲しいんだ』世間ではルーカスの性的嗜好について色々と言われているだけに、クレバーな答えが戻ってきた。

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