イタリア映画黄金時代を築き上げた天才たちの一人、撮影監督カルロ・ディ・パルマについてのドキュメンタリー映画『水と砂糖のように』が2019年11月30日(土)より全国順次限定公開されることが決定した。

光と色の達人であるディ・パルマのキャリアは、ルキノ・ヴィスコンティの最初の映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす』に参加した15歳から始まり、第二次世界大戦後の映画を革新したネオレアリズモとともに開花。「光、光、光!」それが彼の決まり文句となった。

モノクロからカラーに移行する中で、ミケランジェロ・アントニオーニと一緒に、色彩の革命ともいえる『欲望』『赤い砂漠』を生み出し、長きにわたるウッディ・アレンの撮影監督として、『ハンナとその姉妹』などアレンが描くニューヨークの物語に、洗練されたヨーロッパ的なものをもたらした。

そして彼は、長いニューヨーク暮らしにもかかわらずどこまでもローマっ子、イタリア語でいうところの、職人と芸術家を包摂する言葉アルティジャーノそのもので、アレンをはじめ、ヴィム・ヴェンダース、ベルナルド・ベルトリッチ、ケン・ローチ、ニキータ・ミハルコフ、フォルカー・シュレンドルフ、ミラ・ネールなど、多くの優れた映画監督や関係者の豊かで温かい証言が彼の突出した才能とともに魅力あふれる人間性をあぶり出していく。

また、彼が撮影した、ロッセリーニ、ヴィスコンティ、デ・シーカ、ジェルミ、アントニオーニ、スコラ、ベルトリッチ、アレンなどの25作品の一部も挿入。本作は、単に伝説的なひとりの撮影監督の伝記にとどまらぬ、映画黄金時代の核心に迫る感動的な旅となっている。

プロデューサーは、ディ・パルマと人生を共にした女性アドリアナ・キエサ。アドリアナが選んだ監督ファリボルス・カムカリは「これは伝記映画ではありません。カルロ・ディ・パルマの生涯と仕事を顧みて再構築することは、映画の「黄金時代」の手法と価値を呼び覚まし再発見することです。もちろんイタリア映画のことですが、それは世界中の映画の作り手に衝撃と影響を与えた映画なのです」と語る。カルロ・ディ・パルマのフィルモグラフィーには、101本の映画と40本のドキュメンタリー、そして特別プロジェクトが含まれる。

このたび解禁されたメインビジュアルは、彼が参加した作品の場面写真、タイトルロゴで構成され、そのスチールの間にディ・パルマの撮影時のメイキング写真がちりばめられている。印象的な赤のロゴは、モノクロからカラーに移行した時に、彼の素晴らしさを代表する色となった「赤」を思わせるイメージで、まさにイタリア映画黄金時代の一部が再現されているメインビジュアルとなっている。

撮影監督カルロ・ディ・パルマへの名監督たちからのコメント

フランチェスコ・ロージ監督
私たちは、真実の瞬間を再現するという映画への愛と情熱を共有していた。

ベルナルド・ベルトリッチ監督
カルロは、台本を読み取ってそれを表現できる最高の撮影監督だ。

ニキータ・ミハルコフ監督
モノクロ映画における技術を洗練させたのがジャン二・ディ・ヴェナンツォなら、カラー映画においてはカルロだ。

エットーレ・スコラ監督
カルロは物語の魂である雰囲気というものに細心の注意を払った。

ヴィム・ヴェンダース監督
私が学び私をかたちづくったすべての映画の現場でカルロは生きていた。

ウッディ・アレン監督
彼は、とても秀でた構成力と色彩感覚の持ち主。何をすべきか本能的に分かっていて、彼がやると、いつだってすばらしく見える。

水と砂糖のように
2019年11月30日(土)東京都写真美術館ホールほかにて全国限定公開
配給:オンリー・ハーツ
©2016 ACEK s.r.l

This article is a sponsored article by
''.