1988 年に公開されたリュック・ベッソン監督の映画『グラン・ブルー』は、“素潜り”の世界記録に命懸けで挑む青年が主人公の海洋アドベンチャー。この主人公のモデルこそフランス人フリーダイバーのジャック・マイヨールだった。
彼は、上海在住の幼少期に、何度か佐賀・唐津を訪問。そこで海女の素潜りを見たことが将来へとつながる。成長した彼は世界を放浪、フロリダでイルカに出会い運命が決定付けられる。素潜りを極めるべく、インドでヨガに出会い、日本の禅寺で精神を鍛え、ついに1976 年、49 歳の時に人類史上初めて水深100m に達する偉業を達成。それは“人間を超越した感覚”を経験した瞬間だった。
その後『グラン・ブルー』の公開で脚光を浴びるが、晩年うつ病になり自ら生涯を閉じる。本作は関係者のインタビューからその栄光と孤独、波瀾万丈の生涯を紐解いていく。
ナレーションは『グラン・ブルー』で主人公を演じたジャン=マルク・バール。劇中ではマイヨール本人の映像が随所に登場。家族や、写真家ら彼と交流のあった人たち、彼に影響を受けた現役のトップ・ダイバーらが証言する。そこから見えてくる知られざる素顔や、人生に落とした影、日本との
強い絆を通して、彼が生涯をもって人々に伝えたかったことを“深く”探っていく。
本作は、WOWOW とギリシャ、フランス、カナダなどのプロダクションや放送局による共同制作で、第30 回東京国際映画祭で特別上映、VR によるスピンオフ作品も併映し大きな話題を呼んだ。
ドルフィン・マン~ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ
2019 年11 月29 日(金)新宿ピカデリー、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
©2017 ANEMON PRODUCTIONS/LES FILMS DU BALIBARI/GREEK FILM CENTRE/IMPLEO INC./STORYLINE ENTERTAINMENT/WOWOW
写真:Mayol family archive/Daniele Padovan/Daan Verhoeven/Junji Takasago/Mehgan Heaney-Grier/Bruno Rizzato
配給:アップリンク