1986年4月26日、もしかすると世界は終わっていたかもしれなかった
1986年4月26日に旧ソ連・現ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所で発生した人類未曾有の原発事故。天蓋が吹き飛び大量の放射能が原子炉から放出された。けれどもチェルノブイリの町の人々にその事実は知らされなかった。現場で消火活動に当たる作業員にも。町の人々は夜空に巨大な炎を噴き上げる原発の姿を好奇心のままに火事見物していた。
やがて科学者たちが現地に到着する。彼らは状況のすさまじさに目を覆う。最も悲惨なのは、誰もがその恐ろしさに気が付いていないことだった。原発の責任者さえもだ。すぐにさまざまな施策が検討されるが、すべては遅すぎた。大勢の人が被ばくし、チェルノブイリは死の町と化した。
それだけではない。このまま放射能は永遠に放出し続け、やがてメルトダウンが起き、世界そのものが滅亡へと向かうことになる。タイムリミットは数日間。だが、どうすればそれを食い止めることができるのか。ここにきてなお、政府は隠蔽工作に走ろうとする。世界が終わるこの時に、だ。
すさまじいのは、これが今から35年前に起きた、まぎれもない事実だということ。本当に人類は滅亡してもおかしくなかったのだ。このドラマは、その時、何が起きたのかを克明に描く。虚飾ないどこまでもリアルな視線で。そして最大の驚きは、その時、何が隠されたのかを克明に描いている点だ
一度見始めたら、絶対に目が離せなくなる。それはいいことだと思う。なぜならこのドラマは、人類が直面したあまりに大きな悲劇を正面から描いた傑作として、一度は見るべき作品だからだ。
有識者によるトークイベントが開催
そして9月19日、放送に先駆けた第1話のトークイベント付き試写会が開催された。上映前に、開沼博(立命館大学准教授・社会学者)、西山里緒(ビジネスインサイダージャパン編集者)、今祥枝(映画・海外ドラマライター)の3名が登壇し、「チェルノブイリ」が今こそ観るべき作品である理由を、現地取材の経験などを交えながら披露した。
チェルノブイリを4回訪れたことのある社会学者の開沼氏は、「このドラマには2ついいところがある。事故の大変さを伝えるものは数多くあるが、動物の殺処分を描いたり、多様な側面から描いているところが良かった。同時に作業にあたった方が亡くなっていく姿などリアリティある映像のすごさも感じた。映画という枠にとらわれないドラマで表現することの新しさも感じることができた。不気味な日常が描かれる第一話目以降も是非見て欲しい」と語った。
8月にチェルノブイリを訪れたばかりのジャーナリスト西山氏は、ドラマを見てチェルノブイリを訪れている人が増え観光地化している現地の様子を伝え、ドラマで描かれる被曝を受けた後のビジュアルのすごさと最終話で描かれる事実に衝撃を受けたことを熱く語った。
海外ドラマライターの今氏は、数々の問題作を世に送り続けるHBO作品のクオリティの高さと「チェルノブイリ」のドラマとしての魅力を解説。衝撃的なシーンもあるが、エモーショナルな描写を少なくして淡々と静かに描く脚本と構成の素晴らしさと、俳優たちの繊細な演技を絶賛していた。
BS10スターチャンネル 海外ドラマ「チェルノブイリ」(全5話)
【STAR2 字幕版】9月25日より 毎週水曜夜11時ほか ※9月25日(水)は無料放送(字幕版のみ)
*視聴方法:TVのリモコンで「BS10」を選択して選局ボタンを上に1回押すか、電子番組表(EPG)でSTAR2(BS201ch)を選択
【STAR3 吹替版】9月30日より 毎週月曜夜10時ほか
【スターチャンネルEX】 9月26日(木)配信スタート ※9月26日(木)~10月5日(土)<期間限定>第1話無料配信(字幕版のみ)
公式サイト:https://www.star-ch.jp/drama/chernobyl/sid=1/p=m/<冒頭10分映像特別公開中>
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