フィンランド映画のシニカルな笑いの常識を覆すコテコテの笑いが満載
本作はフィンランド映画史上最大規模の巨費を投入して制作され、世界中の映画祭を大号泣と大爆笑で席巻したコメディ映画。アキ・カウリスマキを代表とするこれまでのシニカルなフィンランド映画の笑いの常識を根底から覆すコテコテ、ベタベタのネタが満載。2018年の SXSW でワールドプレミア上映され、一躍話題を呼んだ。
物語の舞台はフィンランド北部、何もない田舎の村。退屈な日々を送る25歳のトゥロは、“ 終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル ”というジャンルを標榜する、 4 人組ヘヴィ・メタルバンドのボーカルだ。だがバンドは結成から12年間、一度もステージに立つことなく、一曲もオリジナル楽曲を作ったこともない、単なるコピーバンドだ。
だがある日、遂に自分たちの曲を作るという強い意志のもと、メンバーの試行錯誤の末にとてつもなくキラーな名曲が誕生した。また同時にひょんなことからノルウェーの巨大メタルフェスの主催者がメンバーの家を訪れ、バンドに千載一遇のチャンスが舞い降りる。バンド名は“インペイルド・レクタム Impaled Rektum ※直訳すると直腸陥没)に決定、ハイウェイの自動速度取締機を使って初のアーティスト写真も撮った。
だがいざ地元のライブハウスで初の前座を務めたとき、緊張したトゥロが大嘔吐するという前代未聞の惨劇が。ノルウェーのフェス参戦も水の泡と化し、バンドは敢え無く解散した。さらに愛すべきドラマーのユンキがハイウェイを爆走中にトナカイを避けて事故で死亡。トゥロは亡き友人を想い涙し、自身の不甲斐なさを恨んだ。ユンキのため、仲間のため、そして自身のため、トゥロはバンドを再結成し、ノルウェーに乗り込む決意を固める…。
共同監督を務めたユッカ・ヴィドゥグレンとユーソ・ラーティオはこの映画を制作した理由を 2 つ挙
げている。1つは金持ちや有名人になる見込みも薄く女性にもモテないバンドマンたちの物語を作りたかったということ。現代の音楽業界で彼らのようなブレないバンドこそが芸術で最後の砦と呼べると。2つ目はフィンランドにない腹がよじれるほど大爆笑できる映画を作りたかったこと。つまり本作は売れないバンドマンが大爆笑を誘う正真正銘のメタルコメディなのだ。
バンドマンとトナカイが崖っぷちに佇むメインビジュアルも完成。お正月は本作が“ヘヴィ・トリップ”旋風を巻き起こす!?
ヘヴィ・トリップ/ 俺たち崖っぷち北欧メタル!
2019年12月27日(金)よりシネマート新宿&心斎橋ほかにてロードショー
配給:SPACE SHOWER FILMS
©Making Movies, Filmcamp, Umed ia, Mutant Koala Pictures 2018