これを逃したらもう最後?
幻の129分版本編が最初で最後の初ソフト化
アメリカの威信をかけた世界初の有人火星宇宙船を舞台に政治的陰謀、カーチェイス、スカイアクションなどを盛り込んだ、70年代を代表するヒット作品の一つ『カプリコン・1』。日本国内で発見された129分の本編マスター【日本公開版本編】を特典ディスクとして収録した2枚組Blu-ray『カプリコン・1≪特別版≫』が12月18日に発売される。<日本公開版>が世に出るのはおそらく最初で最後といわれている。
1978年の正月映画として公開された『カプリコン・1』。全世界注目の人類初有人火星探査船の打ち上げと着陸が計画されるも、政治的理由から直前で計画は中止、火星に行った事実の捏造を命じられた宇宙飛行士たちと陰謀に感づいた新聞記者が、真実を公に曝すべく奮闘する物語。圧倒的なサスペンス描写、『ブリット』『フレンチ・コネクション』のビル・ヒックマンが手掛けた壮絶カーチェイス、圧巻のスカイアクション、そして当時34歳のピーター・ハイアムズが6年以上かけた最高のアイデアが盛り込まれたストーリー展開。米国では超大作『スーパーマン』の都合で公開時期が延期されたが、結果的に1978年のインディペンデント映画で最も成功し、日本でも1978年正月映画として年間洋画配収第8位(配収約8億円)にランクインするヒットとなった。ちなみに、当初は協力的だったNASAが映画の内容を知ってから態度を硬化させ、製作中止を要請してきたというエピソードもある。
1977年12月10日に日本で先行公開されたのは約129分のバージョン、その後、全世界的(一部イギリスを除く)に1978年に公開されたバージョンは約123分。以後レーザーディスクやVHS、DVD、ブルーレイなど様々なメディアで発売されてきたのもすべて123分版であり、129分版を見ることは不可能といわれてきた。このたび、その129分版の素材が奇跡的に国内で発掘され、ネガからHDマスターを作成し発売されることに。ただ、海外の原権利者としては『カプリコン・1』の最終形は123分であり、いまや129分版は存在しない、ということになっているため、発売許諾は異例のものであり、恐らく最初で最後の商品化になると考えられる。129分版と123分版の主な違いは火星着陸時の宇宙船のドッキングシーンと日付テロップの有無など。
STORY&商品INFO
ヒューストンにあるNASA(米航空宇宙局)では、人類史上初の有人火星宇宙船の打ち上げが行われようとしていた。3人の宇宙飛行士がカプリコン・1号に乗り込み、秒読みが開始される。しかし発射直前に彼らは船内から連れ出され、砂漠の古い基地へ連行された。そこで計画の責任者から生命維持システムの故障で有人飛行が不可能になったことを告げられ、政治的理由から計画の中止ができないため、火星に行った事実の捏造を命じられる。3人は拒否するが家族の安全を人質にとられたため、やむなく受け入れることに……