2019年11月1日に公開される「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」で27年後の“ルーザーズ”を演じた大人キャストたちが登場。子役たちによる直々のオファーによって実現した“理想のキャスト”の7人が「IT」の魅力を語ります。

座談会参加者

ベバリー▶︎ジェシカ・チャステイン
ファッション界で成功。暴力的な夫に悩まされている。

ビル▶︎ジェームズ・マカヴォイ
人気ホラー小説家。映画業界の脚本家としても活躍。

ベン▶︎ジェイ・ライアン
建築家として成功。贅肉も落ちてすっかりイケメンに。

リッチー▶︎ビル・ヘイダー
コメディアンとして人気者に。おしゃべり好きは変わらず。

エディ▶︎ジェームズ・ランソン
保険会社のビジネスマンとして仕事に忙殺されている。

マイク▶︎イザイア・ムスタファ
メンバーの中で唯一街に残り、図書館で“それ”対策を研究。

スタンリー▶︎アンディ・ビーン
愛する妻と幸福な家庭を築いている。会計士として働く。

“「IT」の素晴らしいところは、仮にホラー映画が苦手でも「グーニーズ」的な要素もあって楽しめるところだ”

──前作を見て観客のひとりとしてどのように思いましたか?

ジェシカ

大好きだったわ。「スタンド・バイ・ミー」みたいだと思ったの。青春ストーリーだとね。

イザイア

子どもの頃の友情を描いたとても優しいストーリーだと思った。彼らは友だちのことを自分の家族のように本当に愛している。友だちがすべてなんだ。

ランソン

彼らが前作でやったすごく特別なことがあった。それは、すべての子どもたちがお互いにかぶさって話すことなんだ。そこで子どもたちが初めてアドリブしているのがわかった。僕はそのシーンが大好きだ。なぜなら、それは僕が「グーニーズ」でも大好きなことだったからだよ。

──原作者スティーヴン・キングの大ファンだった人はいますか?

ジェシカ

私がそうだわ。私が読んだ最初の本の一冊は「IT」じゃなくて「ペット・セマタリー」だったと思う。それから「シャイニング」「ミザリー」へと進んだの。彼女の名前がミザリー・チャステイン(「ミザリー」の主人公ポール・シェルドンの小説に登場するキャラクター名)というのが大好きだったわ。

全員

(笑)

ビル

僕もキングの大ファンだったよ。12歳の頃に祖父に「呪われた町」を買ってもらったのが最初だ。子ども本コーナーじゃないところに行ったのはあれが初めてで、そこには性的な内容の本もあって、興奮したのを覚えてる(笑)。それは僕が大人の本を読んだ初めての経験だった。すごいことを達成したように感じたよ。

──本作にはキング本人もカメオ出演していますね。

マカヴォイ

彼は素晴らしかったよ。彼はプロの役者ではないから、撮影に時間がかかるかもしれないなどと内心ではみんな心配していたんだ。ところが現場に現われた彼は、びっくりするほどひょうきんで、みんなを笑わせて、演技も素晴らしかった。むしろテイク数は僕のほうが多いという状態だった(笑)

ジェイ

そのシーンを見たよ。素晴らしいシーンだ。一番気に入っているシーンの一つだね。

──撮影でいちばん苦労したシーンはどこでしたか?

ジェシカ

大量の血を浴びるシーンかな。撮影自体も大変だったけれど、匂いが一か月取れなくて。血みどろの状態が一か月続いているかのような、そんな感覚だった。ビジュアル的には素晴らしいけど大変な撮影だったわ。

マカヴォイ

あれは確かに大変そうだった。素晴らしいシーンに仕上がっているけどね。

ジェイ

僕はペニーワイズとの下水道でのシーンが大変だった。2週間に及ぶ撮影で、首まで水に浸かった状態が10時間続く日々だった。寒かったし、虫とか人形の頭とかいろんなものが水面に浮かんでいたんだ。

ビル

僕はITから走って逃げるシーンで足の筋肉を肉離れさせたんだ。ただ方向転換しただけなんだけど。

全員

(笑)

──小さい頃に見て怖かったホラー映画は何か覚えていますか?

イザイア

僕は「スキャナーズ」だったね。

ビル

「フライトナイト」に怖いシーンがあったな。主人公のガールフレンドが振り返るシーン。観客は彼女が吸血鬼になったことをまだ知らなくて、彼女が振り向くと「きゃーっ!」となるんだ。

アンディ

僕は「エクソシスト」だ。

イザイア

僕はクローネンバーグ監督の「ザ・フライ」のせいでベジタリアンになったんだ。ハンバーガーを食べながらあれを見てしまったせいでね。

ビル

爪が剥がれるシーン、覚えている?

イザイア

剥がれるんじゃなくて、剥がすんだよ。

──あなたたちもこの映画のように幼なじみと友情を保ち続けていますか?

マカヴォイ

同窓会なんてものがあるのはアメリカ映画だけの話じゃないのかな。いや、実際は僕の国にもあるみたいだけど、少なくとも僕自身に声がかかったことはないな。でも僕にも6歳頃からの幼なじみが何人かいて、今でも時々会うよ。そのうちひとりの結婚式にもうすぐ出る予定だ。そこで歌ってくれと頼まれている。僕は歌手じゃないから、緊張しているんだけど(笑)

──今後もホラー映画に出演したいですか?

マカヴォイ

良作なら出演したいね。「IT」の素晴らしいところは、仮にホラー映画が苦手でも「グーニーズ」や「スタンド・バイ・ミー」や「ブレックファスト・クラブ」的な要素もあって楽しめるところだ。それにかなり笑わせてくれるところもある。ペーソスにも溢れている。そんなホラー映画がまたあったら出演したいね。

ジェシカ

本当にそうね。

Photos by Eamonn M. McCormack, Jon Kopaloff /Getty Images

「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」
2019年11月1日(金)公開

原題:IT 第2章/アメリカ/2019年/2時間49分/配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:アンディ・ムスキエティ/出演:ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステイン、ビル・ヘイダー、ビル・スカルスガルド
©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

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