繰り返し見たくなる楽しい仕掛けやオマージュも満載の「IT /イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」。そのすべてを味わうために知っておきたい製作裏話やトリビアを一挙紹介します。
※内容に触れているので、未鑑賞の方はご注意ください。

1. ペニーワイズとは何なのか?

画像: 1. ペニーワイズとは何なのか?

「IT」の恐怖の根源となっている、不気味なピエロのキャラクター。メイン州デリーの町に、27~30年の周期で現れるとされる。相手が恐れるものに姿を変え、殺人など惨劇を導く。ターゲットはおもに子供で、大人にはその姿は見えないが、子供時代に目にしたルーザーズの面々は大人になってからもペニーワイズを目撃する。この続編でペニーワイズは両目の瞳を別方向へ動かすが、これはCGではなく、演じたビル・スカーシュゴードの特技。そのほか、前作では見られなかったペニーワイズの意外な一面も登場する。

“IT”ことピエロのペニーワイズを北欧美男子ビル・スカルスガルドが演じる
Photo by Kevin Winter/Getty Images

2. 本作への特別出演も実現した原作者スティーヴン・キング

画像: 大作家スティーヴン・キングの自作登場は23年ぶり Photo by Scott Eisen/Getty Images for Warner Bros.

大作家スティーヴン・キングの自作登場は23年ぶり
Photo by Scott Eisen/Getty Images for Warner Bros.

ホラー小説の大家として、その作品は1976年の「キャリー」以来、数多く映画化されている。「ペット・セメタリー」(1989)、「ミザリー」(1990)などのほか、「スタンド・バイ・ミー」(1986)、「ショーシャンクの空に」(1994)、「グリーンマイル」(1999)といった感動作も多い。

「シャイニング」(1980)は「気に入らない」と断言するなど、自作の映画化をシビアに批評することでも有名。そんなキングも、この「IT」映画版は絶賛。今回の続編には特別出演している。その役どころは、自身の作品「ニードフル・シングス」(1993)を意識したもので、キングのファンは思わずニヤリ。自作の映画に出演するのは1996年の「痩せゆく男」以来だ。

3. 衝撃を予告する“赤い風船と血文字”

赤い風船はペニーワイズが現れる知らせであり、今回も風船がスクリーンに出てきたら身がまえた方がいい。大量の風船が出てくるシーンは、より大きな衝撃を予告している!?

画像: 赤い風船は不吉なことが起きる予兆(写真は前作)

赤い風船は不吉なことが起きる予兆(写真は前作)

また、前作でもベバリーがさらわれたバスルームに「逆らえば死ぬぞ」と書かれるなど「血文字」の効果は絶大。今回もその血文字がストーリーを動かすので要注意だ。

4. 若返りのためにデジタル処理!?

前作から続編の公開まで2年。もちろん撮影もインターバルが空いたが、大人の俳優にとって大きな変化も起こらない2年間に、成長真っ盛りの子役たちの外見はかなり変わってしまった。そのため、新たに撮影された80年代のシーンでは、その外見の変化が目立たないようにデジタル修正がほどこされたという。子役たちの身長を低く見せたり、部分的に若返らせたりしているのだが、もちろん違和感はナシ!

画像: 若いキャストたちが特殊技術でさらに若く変身(写真は前作)

若いキャストたちが特殊技術でさらに若く変身(写真は前作)

5. 80〜90年代の映画&カルチャーとオマージュ

冒頭で「メグ・ライアンの髪型」の話題が出るが、その彼女の1998年の主演作「ユー・ガット・メール」のポスターが印象的に登場(ポスターが破れた部分には「IT」の文字が見える)。

ポスターといえば、ルーザーズの秘密基地には「ロスト・ボーイズ」(1987)のポスターも映るが、同作は、キーファー・サザーランドとコリー・フェルドマンと「スタンド・バイ・ミー」と出演者が重なる。同じS・キング原作の映画では、「クリスティーン」(1983)へのオマージュ、「シャイニング」(1980)のパロディも登場。「ストリート・ファイター」や「モータル・コンバット」といったゲームでも80~90年代を懐かしむことができる。

6. リッチー役は人気コメディアン!

画像: 口数の多いリッチー役に抜擢されたのはビル・ヘイダー(中央)

口数の多いリッチー役に抜擢されたのはビル・ヘイダー(中央)

少年時代のリッチーを演じ、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」でもおなじみのフィン・ヴォルフハルトが「自分の大人時代をせひ演じてほしい」と切望し、出演が実現したのがビル・ヘイダー。「サタデー・ナイト・ライブ」などでのモノマネで有名で、人気コメディアンに成長したリッチーは、まさに適役だ。ヘイダーは、この続編でもいちばん「おいしい」活躍をみせる。

7. 同じ女優が2役を演じてる?

原作ではエディが妻との結婚理由を「自分の母親に似ているから」とほのめかす記述がある。そのため今回の続編では、エディの母と妻を同じ女優が演じるという大胆なアイデアを採用。出番は少ないが要チェック。それだけ原作の精神に忠実ってこと!?

画像: エディの母と妻は同一人物⁉

エディの母と妻は同一人物⁉

8. ドラマ版との意外なつながりも

「IT」は1990年にドラマ化されている(2回のミニシリーズ)。同作でペニーワイズを演じたのは「ロッキー・ホラー・ショー」で有名なティム・カリー。そのペニーワイズの外見は「いかにも」なピエロだった。

1990年にTV放映されたドラマ版「IT」ではティム・カリーがペニーワイズを演じた
Photo by Bob D'Amico/Walt Disney Television via Getty Images

ドラマ版は合計で3時間7分。今回の映画版は前・後編で5時間4分なので、だいぶ長くなっている。ドラマ版で少年時代のリッチーを演じたセス・グリーンは、今回、大人になったリッチーを演じたかったとか。ドラマ版の子役たちの中には、この続編に特別出演している人もいる。

9. 出演の夢をかなえたグザヴィエ・ドラン

画像: “美しき天才監督”グザヴィエ・ドランが特別出演 Photo by Dimitrios Kambouris/Getty Images

“美しき天才監督”グザヴィエ・ドランが特別出演
Photo by Dimitrios Kambouris/Getty Images

俳優としても活躍する監督のグザヴィエ・ドランは、あまりに前作に夢中になり、アンディ・ムスキエティ監督に続編への出演を直談判。「ドアノブやカーテンの役でもいいから出して!」と頼んだところ、デリーに住むゲイの青年の役をもらった。出演シーンは短いが、物語を動かす重要なキャラなので注目を!

「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」
2019年11月1日(金)公開

原題:IT 第2章/アメリカ/2019年/2時間49分/配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:アンディ・ムスキエティ/出演:ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステイン、ビル・ヘイダー、ビル・スカルスガルド
©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

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