2019年のカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いたポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』(2020年1月10日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開)。11月7日(木)に、日本最速試写会を開催。観客へ感謝の気持ちを伝えたい!と、緊急来日したポン・ジュノ監督の<完全サプライズ登壇>が実現した。

監督の完全サプライズ登壇に観客も狂喜乱舞

全員失業中の貧しい一家とIT企業を経営する裕福な社長一家という相反する2つの家族の出会いから想像を遥かに超える展開へと加速していく物語は、既に韓国動員1,000万人突破、フランス動員160万人突破ほか、各国で動員記録を塗り替える爆発的な盛り上がりをみせている。その後もオスカー前哨戦ともいわれるトロントや、ニューヨークなど各国の映画祭で絶賛&受賞を重ね、第92回アカデミー賞での受賞も有力視されている本作。
今回の試写会でいち早く鑑賞した観客たちからも、監督の登壇が知らされていないにも関わらず、上映後には割れんばかりの拍手が巻き起こる異例の熱狂ぶり。そして、興奮冷めやらぬ観客へ向けて<完全サプライズ>としてポン・ジュノ監督の登壇が発表され、舞台に姿を現すと熱気は最高潮!狂喜乱舞の大歓声が上がった。

画像1: 監督の完全サプライズ登壇に観客も狂喜乱舞

韓国映画としては史上初の快挙となった、パルムドール受賞。当時の気持ちを問われると「賞をいただいた瞬間はボーッとしていました。その日の夜は、主演のソン・ガンホ氏とたくさんお酒を飲みました。でも次の日の朝からはまた仕事。新しいシナリオを書き始めました」と、意欲的なエピソードを披露。
さらに『殺人の追憶』など4度目のタッグとなるソン・ガンホについて「彼のキャスティングについては、一般的な過程とは少し違っていました。もう17年以上一緒に仕事をしてきたこともあり、食事をしながら本作の構想を話したんです。貧しい家の父親役だと説明すると「良いですね」と(笑)。彼だけではなく、息子役のチェ・ウシクと家政婦役のイ・ジョンウンはシナリオを描く前から相談して、当て書きするような状態でした。数年前から相談をしていつの間にか映画が完成していたという感じですね」と、監督とキャストの強い信頼関係をのぞかせた。

貧しい家族の長男が、裕福な一家の娘の家庭教師になることをきっかけに始まる本作。物語の着想を問われると、「私は大学の時に家庭教師をしていたんです。その家族はとても裕福で、家も2階建てで立派なものでした。生徒は中学生の男の子で、ある日、家の2階に連れて行ってくれたのですが、不思議な気持ちになったんです。サウナというのはプライベートな空間ですよね。意図せず他人の私生活を覗き見るような感覚がありました。その家に浸透してくような…そうした生々しい気持ちがこの映画につながったのだと思います。ちなみに教えていたのは数学で、2ヶ月でクビになりました(笑)」と、観客を沸かせながら、物語の着想を明かした。

画像2: 監督の完全サプライズ登壇に観客も狂喜乱舞

超一級のエンターテインメント作品でありながら、貧富格差という社会性も映している『パラサイト
半地下の家族』。上映中、観客から何度も笑いも巻き起こったユーモラスなキャラクター描写については、「自分で書いたシナリオですが、書きながら面白いなと思っていました(笑)」と、ジョーク混じりに自ら太鼓判を押した。一方で、「貧しい家族」と「裕福な家族」という貧富格差がもたらす、予想もつかない展開へと突き進んでいく物語について「登場人物たちは社会問題のことなんて全く考えていないし、政治と闘っているわけでもない。この映画には英雄や悪党は登場しません。適度に善人であり悪人でもあり、リアリティがあります。皆さんの周りにいる人たちが描かれているからこそ、社会問題に繋がっていると感じるのではないでしょうか。私は、ただ常に面白い映画を作りたいと思うだけです」

香川照之主演映画『TOKYO!<シェイキング東京>』で、日本で撮影経験もあるポン監督。日本を舞台にした新作の予定について問われると「実は日本のあるプロデューサーと、日本で撮影する作品について構想を話しています。日本には香川さんだけではなく、素晴らしい俳優がたくさんいます。是非、また一緒に撮りたいですね」と、明かすと会場からは拍手が。日本の役者について「樹木希林さんをとても尊敬していましたが、亡くなられてしまいとても胸が痛みました。『母なる証明』をリメイクするなら彼女が母親役になっていたでしょう。他にも浅野忠信さんは以前からとても関心を持っていた大好きな役者さんです。あとは広瀬すずさんもすごく良いと思います」と、期待が膨らむエピソードが飛び出した。

予測不能な物語展開が全世界で大絶賛され、各国では「ネタバレ禁止運動」も起きている本作。今回、日本最速で見た観客へ、口コミの方法をポン・ジュノ自ら伝授!「既に公開されているアメリカやヨーロッパでは、こういうコメントがありました。「とにかく行って観ろ」「レビューにはなるべく触れるな」「何も知らないままで観るのが最高だ」シンプルですが、悪くないと思いますね(笑)」さらに、日本の観客へ向け「日本の映画ファンの方々の、作品を深く掘り下げて鑑賞するその情熱に大変期待しています。でも、この作品は映画ファンだけではなく、街を歩いていてふと劇所に足を運んだ際に観ても、予測不可能なストーリーをきっと楽しんでいただけるはずです!」とメッセージを送った。

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