スイスの巨匠フレディ・M・ムーラーの伝説の傑作『山の焚火』が2020年2月22日(土)よりリバイバル公開されることが決定。35年の歳月を経て、デジタルリマスターでスクリーンに甦ることとなる。
『我ら山人たち』『緑の山』を合わせた<マウンテン・トリロジー>が一挙公開
ダニエル・シュミットやアラン・タネールらと並び、1960年代後半に起こったスイス映画の新しい潮流「ヌーヴォー・シネマ・スイス」の旗手として知られる、フレディ・M・ムーラー。
『山の焚火』は、1985年に発表され、ロカルノ国際映画祭で金豹賞(グランプリ)を獲得し、世界にムーラーの名を轟かせた。
広大なアルプスの山腹。人々から隔絶された地で、ほぼ自給自足の生活を送る4人家族。10代半ばの聾啞の弟は、その不自由さゆえに時に苛立つこともあるが、姉と両親の愛情を一身に受け健やかに育つ。
ある日、草刈り機が故障したことに腹を立てた弟は、それを投げ捨て、父の怒りを買う。家を飛び出し山小屋に隠れ、一人で生活をする弟。そこに食料などを届ける姉。二人は山頂で焚火を囲み楽しい時間を過ごすが、やがて姉の妊娠が発覚し……。
雄大な自然に囲まれた美しく神話的な世界。その中に潜む人間のリアリティが、画面から溢れ出す。
現在79歳のムーラー監督は、今年8月に開催されたロカルノ国際映画祭で、映画界への素晴らしい貢献が認められた人物に与えられるキャリア豹賞(Pardo alla carriera)を受賞した。
今回の上映にあわせて同監督の『我ら山人たち』『緑の山』を合わせた<マウンテン・トリロジー>として一挙公開されることも決定している。
山の焚火 デジタルリマスター版
2020年2月22日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー
配給:ノーム