来る2020年2月10日(現地時間2020年2月9日)、ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される第92回アカデミー賞授賞式。WOWOWで放映される「生中継!第92回アカデミー賞授賞式」では、今年もジョン・カビラさんと高島彩さんが番組の案内役を務めます。カビラさんは13回目、高島さんは8回目の案内役。アカデミー賞を楽しむ達人といっても過言ではないお二人に、今年の授賞式への期待や、ノミネート作品・俳優などについて伺ってきました。    文・清水久美子

カビラさん、高島さんが予想する作品賞、男女優賞は?

画像: 撮影:大西基

撮影:大西基

――今年もタッグを組むと決まった時の心境はいかがでしたか?

ジョン・カビラ(以下 カビラ)「そりゃあもう、うれしかったですよ!」

高島彩(以下 高島)「また今年もご一緒できるんだって喜びました!」

カビラ「いやいや、それは僕のセリフですよ」

高島「年に1回、椅子を引いてくれる男性に会えるのがすごく楽しみで(笑)。カビラさんだけですからね、そんなジェントルマンは」

カビラ「高島さんは盤石ですから。何も言わなくても大丈夫なので、安心してご一緒できます」

高島「カビラさんとは本当に阿吽の呼吸でできるので。この番組は台本もあって無いようなものなんです。受賞作品によって、その後の話の展開が変わってきますしね」

――今年のノミネート作品で気になるのは?

高島「やっぱり『パラサイト 半地下の家族』ですね。アジア作品として初の作品賞候補というのにも期待がかかりますし、作品自体も韓国の格差社会から生まれる闇を描きながら、爆笑できるくらい面白いのに、気づいたら引きずり込まれるような恐怖の展開になっていく。笑いと恐怖の表裏一体感という奇妙さは『ジョーカー』ともつながっている気がします

カビラ「僕も『パラサイト…』がカンヌでパルムドールを取ってから注目していました。受賞したら歴史的快挙ですよね。歴史が動く瞬間をみなさんと共有したいという思いもありつつ、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の舞台となっている1969年に、アメリカのおじの家にホームステイをしていたので、どうしても思い入れがあります。ハリウッドの最後の黄金期の息吹を伝えたいというクエンティン・タランティーノ監督の思いを応援したいですね」

――主演男優賞、主演女優賞は誰が取ると思いますか?

高島「圧倒的な表現力で、『ジョーカー』のホアキン・フェニックスと『ジュディ 虹の彼方に』のレニー・ゼルウィガーが固いんじゃないでしょうか」

カビラ「同感です。主演男優賞をあと一人挙げるなら、『マリッジ・ストーリー』のアダム・ドライヴァー。苦悩を演じ切る演技が素晴らしかった。『スター・ウォーズ』と同じ人だと思えません」

アカデミー賞は社会を映す鏡、そこが面白い

画像1: アカデミー賞は社会を映す鏡、そこが面白い

――昨年に続き、今年も司会者がいない授賞式になりますが、今年はどのような内容になると思いますか?

カビラ「昨年同様、司会者に頼らない魅力を出した演出を必ずすると思います。今の時代、表現の濃淡、表現の左右というものを誰かが一人で担うのは非常に難しくなってきていると思うんですよね。アカデミー賞も司会者一人がその責務を全うできるのかが難しい時代なんじゃないかな。アカデミー賞は、まさに社会を映し出す鏡のようだと思います」

高島「受賞スピーチにも今の社会情勢が色濃く出てきますよね。ホアキンが主演男優賞を受賞したとしたら、作品に描かれている格差社会から生まれた闇についてジョーカーとしてスピーチするのか、それともホアキン自身として風刺するのか。はたまた、セクハラを取り上げ、トランプの話も出てくる『スキャンダル』のシャーリーズ・セロンがもし主演女優賞を受賞したならば、大統領選挙を前にどんなことをスピーチしてくれるのか。そこから見えるアメリカがあるという意味で内容が楽しみです」

カビラ「ショービズとはこういうものだという暗黙の了解があった時代には、司会者に頼ったり、司会者が色付けをしたりという部分の魅力がありましたが、こうだというルールがもうない時代に僕らは船を出してしまったんじゃないでしょうか。ショービズはもう航路がないビジネスになってきているから、特に指針がなくても、シンボリックな司会者がいないがゆえの表現の自由があるんじゃないかということで、昨年以上に今年はさらに期待しています」

――なるほど。アカデミー賞の楽しみ方が広がりました。毎年、WOWOWのスタジオでのトークが面白いので、そちらも大変楽しみなのですが、今年の見どころは?

高島「初登場のスペシャルゲスト・中島健人さん、そして河北麻友子さんのレッドカーペットリポートが楽しみです! ホアキンをつかまえられたらすごいですよね~」

カビラ「ホアキンをつかまえるのは奇跡に近いんじゃないですか。レッドカーペットには奥の“追い抜き車線”があるので、そこを走られてほしくないなぁ。一般走行でぜひお願いしたい(笑)」

高島「歩いているところだけでもいいから映ってほしいです(笑)。スタジオでは映画評論家の町山智浩さんが、本筋だけじゃないサブ情報もたくさんお話してくださるので、映画ファンのみなさんには楽しんでいただけると思います」

カビラ「僕らも番組をご覧になるみなさんと一緒に授賞式の第一目撃者として、レッドカーペットから楽しみたいと思っています」

高島「実は、カビラさんは事前にいろいろな情報を調べておいてくれるんですよ。あの女優のドレスのお値段がいくらかとか、この人は昨日の夜にインスタやツイッターでこんなことをつぶやいていたとか。本当はそれも番組で紹介してほしいくらいです」

カビラ「俳優たちの次作や今後の計画とかもね。トム・ハンクスだけでも、すでに3つくらい情報があります(笑)」

――カビラさんの収集した情報を紹介する別番組を作って、後日放映してほしいです!

カビラ「(WOWOWのスタッフに向かって)ぜひお願いしま~す!(笑)」

画像2: アカデミー賞は社会を映す鏡、そこが面白い
画像: 第92回アカデミー賞授賞式を案内してくれる河北麻友子さん、高島彩さん、ジョン・カビラさん、中島健人さん

第92回アカデミー賞授賞式を案内してくれる河北麻友子さん、高島彩さん、ジョン・カビラさん、中島健人さん

【番組情報】
生中継!第92回アカデミー賞授賞式

放送日: 2月10日(月)午前8:30 [二] [同時通訳]/夜9:00[字幕版]
案内役: ジョン・カビラ、高島 彩
スペシャルゲスト: 中島健人(Sexy Zone)
レッドカーペットリポーター:河北麻友子
スタジオゲスト: 白石和彌、町山智浩

第92回アカデミー賞ノミネーション徹底紹介

放送日: 2月1日(土)午後4:15※無料放送
出演: ジョン・カビラ、高島 彩、町山智浩
VTR出演: 中島健人(Sexy Zone)

第92回アカデミー賞 直前総予想

放送日: 2月8日(土) 夜9:00
出演: 中島健人(Sexy Zone)他

中島健人 ハリウッドの風を探して

放送日: 3月1日(日) 夜9:30
出演: 中島健人(Sexy Zone)

画像1: アカデミー賞授賞式目前!ジョン・カビラさん、高島彩さんが語るアカデミー賞の楽しみ方

【関連番組】
<アカデミー賞特集2020>
第92回アカデミー賞授賞式を記念し、1月・2月に過去の受賞作を放送。 2月は第91回アカデミー賞作品賞含む3部門受賞作「グリーンブック」を独占初放送!
放送日:1月3日(金)~25日(土)、2月2日(日)~9日(日) ラインナップ(1月10本・2月59本/計69本)

■アカデミー賞特集2020[前回受賞作編]
「グリーンブック」「ビール・ストリートの恋人たち」「女王陛下のお気に入り」「スパイダーマン:スパイダーバース」「アリー/ スター誕生」「ボヘミア ン・ラプソディ」「バイス」

■アカデミー賞特集2020[作品賞編]
「カサブランカ」「ベン・ハー(1959)」「シカゴ(2002)」「アメリカン・ビューティー」「タイタニック(1997)」ほか

■アカデミー賞特集2020
「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」「ローマの休日」「フィラデルフィア」「トイ・ストーリー 3」ほか

画像2: アカデミー賞授賞式目前!ジョン・カビラさん、高島彩さんが語るアカデミー賞の楽しみ方

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