主演最新作「ポップスター」で歌姫という役どころに挑んだナタリー・ポートマン。“若くして富と名声を手にした”という自身の境遇とも重なる今回のキャラクターについて語ってもらいました。

ナタリー・ポートマンが炎上と称賛に溺れる歌姫に

「ブラック・スワン」のオスカー女優ナタリー・ポートマンが主演・製作総指揮を務め、炎上と称賛に溺れるポップスターを熱演する衝撃作。度重なるスキャンダルで失墜しながらも、再起をかけたステージに臨む歌姫の光と闇をリアルに描く。マネージャー役で「キャプテン・マーベル」のジュード・ローが共演し、劇中ナレーションでウィレム・デフォーが参加。覆面のトップアーチスト〝Sia〞が全曲提供している。

同級生による銃乱射事件で死の淵から生還したセレステ(ナタリー)は皮肉にも姉と作った追悼曲が大ヒットし、敏腕プロデューサー(ロー)の手で一躍スターダムに駆け上がる。それから18年後、スキャンダルで活動を休止していたセレステは再起をかけたツアーを企画するが、その矢先、彼女の過去を連想させる凄惨な事件が起きてしまう。

ようやく演じることの楽しさがわかる年齢になった気がするわ

今年のアカデミー賞授賞式では、候補に挙がらなかった女性監督たちの名前を刺繍したケープを羽織って登場したことも話題を呼んだナタリー・ポートマン。「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」に続いてこの春連続公開される彼女の最新作が「ポップスター」だ。彼女の役どころは、スキャンダルからの復活を図る現代の歌姫。自ら製作総指揮も務めた本作にかけた思いを聞いた。

Photo by Vera Anderson/WireImage

ナタリー・ポートマン
映画デビュー作「レオン」で天才子役と絶賛され、「スター・ウォーズ」新三部作などで人気を不動のものに。「ブラック・スワン」でアカデミー賞主演女優賞を獲得。歌姫を演じた最新作「ポップスター」では製作総指揮も兼任。1981年6月9日生まれの38歳。

──「ポップスター」にはどのように出演が決まったのですか?

『脚本をもらったの。その時点ではブラディー・コーベット監督の前作「シークレット・オブ・モンスター」をまだ見ていなかったけれど、脚本を読んで、このキャラクターと言葉に圧倒されたわ。それですぐに監督の映画を見て、とても感動した。彼の映画に出たいとワクワクしたの』

──試写会ではジャンケット(映画宣伝のためのホテルなどでの取材)の場面にみんな笑っていました。ご自身との関連を感じましたか?

『そうね、私はそうした場で反抗的だったことが一度もないから、あの場面は個人的な体験を思い出すものではなかったわ。でも、もちろん派手なシャンデリアのあるホテルの大きな部屋は、自分のジャンケットをひとつひとつ思い出させるものだったわ』

──この映画はセレブや彼らに悪い振る舞いをさせる周囲の人たちに大変批判的です。あなたもそんなことを考えますか?

『そうね、まさにそれが繰り返されているテーマよ。スターの世話を焼いて、耳うちして、常に目配せを欠かさない、スターを子ども扱いする人たちがいる。でも、その人たちは同時にスターから利益を得ている。スターにとって親友であるはずの人や家族が、スターから利益も得ているような状況がある。こんな混乱状態は、精神的なつながりを求めている人にとって破壊的よ。スターは自分が利用されているのかもしれないと思うから。こうした関係は興味深いテーマよ』

──ステージに立つ場面のためにどんな準備をしましたか?

『ステージの場面のために夫のバンジャマン・ミルピエ(ダンサー・振付師)と仕事ができてとても楽しかった。私のために夫が一肌脱いでくれて、彼が最後のパフォーマンスの女子全員の振付をしたの。彼との仕事は「ブラック・スワン」以来、初めてだった。もちろん、スタイルは「ブラック・スワン」とかけ離れていたけれど(笑)』

──次回作は決まっていますか?

『ノア・ホーリー監督と「ルーシー・イン・ザ・スカイ」という映画を撮った。宇宙から帰還して、現実の世界でうまく適応できないで苦しむ宇宙飛行士の話よ』

──年を重ねるにつれ、演じることが楽しくなりましたか?

『楽しいわ。ようやく何が楽しいかわかる年齢になったような気がする。今までの人生では多くの場合、自分がやるべきことだと思ったことをやった。私には自分が愛することの選び方がよくわからなかったの。でも今は、どんなことが本当に私に刺激を与えて、火をつけてくれるか、はっきりわかる気がする。それに、どういった製作者が私を次の場所に導いてくれて、一緒に仕事をしてワクワクするかということもね』

「ポップスター」登場人物

セレステ(ナタリー・ポートマン)
若くして富と名声を手にしながら、スキャンダルで失墜した歌姫。

マネージャー(ジュード・ロー)
セレステを見出し、スターダムに押し上げる敏腕マネージャー。

エリー(ステーシー・マーティン)
妹セレステの代わりに曲作りも子育ても行なう影のような存在。

ポップスター
2020年6月5日(金)公開
原題:光の声/アメリカ/2018/1時間50分/配給:ギャガ
監督:ブラディ・コーベット/出演:ナタリー・ポートマン、ジュード・ロウ、ラフィー・キャシディ、ステイシー・ マーティン

This article is a sponsored article by
''.