実際の彼女の人生の方が映画よりドラマチックで運命的だったかもしれない
ジャン・リュック=ゴダールのミューズであり、『女は女である』『気狂いピエロ』などに出演、時代を画したヌーヴェル・ヴァーグのアイコンとなったアンナ・カリーナ。「アンナ・カリーナ」という芸名は、17歳の時に出会ったココ・シャネルが授けた。歌手としてフランスやヨーロッパだけでなく日本でもツアーを行った。2019年12月14日、彼女はパリ市内の病院で逝去。享年79歳だった。
本作はそのパートナーであるデニス・ベリー監督が万感の思いを込めて作り上げたアンナへのラブレター(本人談)だ。
このたび解禁された予告編は、まるでアンナが隣にいて、あの大きな瞳でこちらを見つめるようなシーンから始まる。
パリの町なかの映画館カルチエラタンに来たアンナは、何に心を動かし、どんな風に変わってきたか、映画史そのものである自分の人生を振り返る。
永遠のフランスのファッションアイコンらしく、茶のコートとハット、黒のトップスという、すっきりした出で立ち。過去に演じてきた役柄が次々と映し出され、ココ・シャネルの映像では「アンヌ・カリーヌ・ベイヤーだと伝えると、シャネルはそれを繰り返して、“だめね。アンナ・カリーナにしなさい”と言った」という、運命的な出会いを語る。
また、ゴダールから手渡されたメモには「愛しています。真夜中。カフェ・ド・ラぺ」という告白があった事を語る。セルジュ・ゲンズブールは、アンナの声と歌い方は強烈な個性があると称え、その後に続く映像では、アンナはその独特な歌声を披露している。
数々の名作の中に、アンナの人生が映る。しかし実際の彼女の人生の方が、映画よりもっとドラマチックで運命的だったかもしれない、そんな思いに駆られる予告編に仕上がっている。
アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい
2020年6月13 日(土)より新宿K’s cinema 他にて全国順次公開
配給:オンリー・ハーツ
© Les Films du Sillage – ARTE France – Ina 2017