6/26公開 映画『SKIN／スキン』予告編
www.youtube.com本作は、現代社会に巣くうレイシズムの問題に正面から向き合った衝撃の実話映画。実際に2003年に米国で発足したスキンヘッド集団「ヴィンランダーズ」の共同創設者ブライオン・ワイドナーの実話が基になっている。
白人至上主義者に育てられ、憎悪と暴力に満ちた生活を送っていたブライオンは、シングルマザーのジュリーと出会い、これまでの自分の悪行を悔い、新たな人生を始めようと決意する。しかし脱会を許さないかつての同志たちから執拗な脅迫、暴力を受けることとなり、ジュリーたちにもその矛先は向き始める・・・。
新鋭監督ガイ・ナティーヴは、憎悪の円環から脱け出そうとする元レイシストの男を主人公に、レイシズムの非道、人間の再生の軌跡、そして彼を支えようとする社会の寛容を鮮烈に描き出す。
５月末にミネソタ州ミネアポリスで警察官が黒人男性を死亡させたとして、全米各地で抗議デモが相次いでいるアメリカ。今もなお止むことのない差別主義の連鎖をどのように断ち切ることができるのか。本作はその手がかりを教えてくれる作品として、まさに「今こそ見るべき一本」となっている。
【各界の著名人からの推薦コメント】
欧米で台頭する白人至上主義。しかし、差別主義者として生まれてくる子はいない。
では、なぜ、人はそうなるのか。そして、その荒んだ心を改めさせるものは何か。
不寛容の時代と向き合う手がかりがここにある。
渡辺靖（アメリカ研究者）
コロナ後の世界では、人種差別は日本人も避けて通れない。
レイシズムに直面したときに問われるのは肌の色じゃなく、人間としての振る舞いである。
丸山ゴンザレス（ジャーナリスト）
人にはどれだけの自由があるのだろう？
たまたま自分が生まれた環境から逃れる自由はどれだけあるのか。ほぼ無いと私は思っている。
しかしここに命を掛けて逃れた人がいた。
つまりこれは私の人間観をひっくり返す希望の実話なのだ。
古舘寛治（俳優）
全編を通して伝わってくるのは、「立ち直りたい」という本人の強烈な意志である。
悪の力は、愛をあざ笑う。愛する者をもつことは、弱みをもつことだから。
だが、その弱みこそが彼を強くする。
これは、脅迫にも暴力にも挫けず、愛する者のために新しい自分を作ってゆく、魂の再生の物語である。
森本あんり（神学者／国際基督教⼤学教授）
差別主義者が、差別主義者でなくなる。
ただその川を超えるための壮絶な闘いを、伝えてきたのは、
かつて『リトル・ダンサー』でビリーを演じた、ジェイミー・ベル。
身体表現とは、踊りだけではないのだと改めて感じた作品だった。
差別主義者たちの中で、歪んだ連帯のもとに育った
主人公が持っていた愛情深さとは、果たして何なのか。
それが人間の持っている力なのだと信じたい。
⾕村志穂（作家）
タトゥーはアイデンティティーを現す印であると同時に、心の「成長」を促す魔術的な儀式でもある。
心の変化を自覚したプロの彫師でもある主人公の選択はかつての印の除去だった。
その痛みはタトゥーのそれの３倍以上とも言われる。
それは彼の見た目のドラマティックな変化よりも、実はさらに深い「再生」の儀式であったに違いない。
⼤島托（タトゥーアーティスト）
３年前、ケンタッキー州の山奥で、白人ナショナリストが集会を開いた
取材を申し込むと認められた 非白人は私だけ
鉤十字タトゥー、腰に下げた拳銃とナイフ、KKK ジャケット
彼らは信条を語った 丸暗記したんだろうな、という若者もいた
『SKIN／スキン』を観ながら、彼らのことを考えた
今ごろどうしているだろう 連絡を取ってみようと思った
⾦成隆⼀（「ルポ トランプ王国」著者）
彫り込んだ憎悪のタトゥーは一生消せないもの、ではなかった。
実話をもとにした震えるような映画だ。
「ヘイト」の側にどんな事情があり、脱出がどんなに困難かを知る手掛かりを与える。
北風と太陽という寓話があるが、主人公バブスにとって少女たちの歌声は奇跡をもたらす希望の陽光だった。
差別よさようなら、愛こそ力だ、そんな気持ちにさせてくれる。
永⽥浩三（武蔵⼤学教授／ジャーナリスト）
名子役、おとなになったらただの人｡
これ、俳優界のリアルだけれど、
どうよ、この進化。底知れぬ個性にヤラれました。
恐るべし、ジェイミー・ベル！！
襟川クロ（ 映画パーソナリティー ）
『SKIN／スキン』は、ネオナチの指導者に拾われ、憎悪やマチズモを植え付けられた男の行く末を簡潔に見せる。
ヘイトは、“肌”にまでべったりと刻印されるのだ。
この映画もまた、A24 が提示する現代に巣食う有害な男らしさの呪縛を表している。
常川拓也（映画ライター）
※敬称略・順不同
SKIN ／スキン
2020年6月26日(金)より新宿シネマカリテ、ホワイト シネクイント、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開
配給：コピアポア・フィルム
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