恋するふたりの小さな助走の物語
1980~90 年代に若者たちのリアルな恋や友情を描く マンガを数多く生み出し、今も尚、熱狂的なファンを持つ漫画家・岡崎京子が 1989 年に刊行した同名作品を原作にした、映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』。
脚本・監督は映画『PARKS パークス』(2017)、ドラマ「東京アリス」(2017)、「セトウツミ」(2017)、「声ガール」(2018)や、多くのCM・MV を手がける瀬田なつき。
瀬田監督は物語の舞台を現代に置き換え、スクラップ&ビルドを繰り返す街で、未来への不安を抱えつつも「今」を生きる若者たちを、ファンタジックでポップな世界観で映画化した。
東京に住む平坦で平凡な高校生・渋谷ハルコ、16 歳。ある夜、橋の上で倒れていた神奈川ケンイチにひとめぼれする。“世紀の恋”だとはしゃぐハルコに対して、真面目でおとなしげなケンイチは、受験目前、衝動的に学校を辞めてしまいそれどころではない。さらに、勢いでナンパした危険な香りのする女の子・マユミに夢中になっていく。
二人の平行線の恋はどこへ行くのか。友だちや家族や自分、悩みもがく少年少女の刹那的な視線を切り取った、恋と成長の物語だ。
主人公・渋谷ハルコ役を演じるのは、映画『小さな恋のうた』(2019)で第 41 回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞し、“次世代ヒロイン”と呼び声が高い山田杏奈。
神奈川ケンイチ役を演じるのは 「3 年 A 組-今から皆さんは、人質です-」(19/NTV)など映画・ドラマの話題作に続々と出演し、『のぼる小寺さん』(2020)のほか待機作を多数控え、本作が映画初主演となる鈴木仁。
何者にも染まっていないハルコとケンイチが、恋に潜む葛藤や喜びを通じて大人になっていく姿を、令和を牽引する若手俳優ふたりが等身大で演じる。
W主演情報に併せて公開された WEB ビジュアル第一弾「夜のふたり」では、夜の街に佇むハルコとケンイチの姿がとらえられている。
まるで少年少女たちの成長を急かすように、空へと伸びていくビルが建ち並ぶ街を舞台に、ハルコとケンイチはどのような恋をして、どのように変わっていくのか…。コドモからオトナへと助走をするふたりの物語に期待が高まるビジュアルとなっている。
COMMENT
いつも力に溢れているけどどこか苦しくて分からなくて。
そんな青春の時を戸惑いながら、走るように生きるハルコとケンイチがとても愛おしいです。
岡崎京子さんの原作と瀬田なつき監督の世界観の融合、すごく刺激的な時間でした。
ぜひ楽しみにして頂けたら嬉しいです。
——山田杏奈(渋谷ハルコ役)
行動が読めなくて、一見変わってる男の子。
でもその内にある、目には見えないケンイチらしい真っ直ぐさを残せるように演じました。
ケンイチとハルコ、2 人の中に流れる特別な時間を、ぜひ皆さんに感じていただけたら嬉しいです! ——鈴木仁(神奈川ケンイチ役)】
岡崎京子さんの、あの突き刺さる言葉たちが、現在の「東京」の街を、素晴らしい、
キャスト、スタッフとともに、自由に駆け巡る、唯一無二の映画になったと思います。
笑顔でどんな無茶にも前向きに楽しんで演じてくれる山田杏奈さんがいたから、安心していろいろ
なことに、みんなで挑戦できました。鈴木仁くんは、リハーサルもたくさんしましたが、本人の、
掴みどころのない魅力は、すでにケンイチでした。
あやふやな未来に向かうふたりを、不器用で、大胆で、美しい、かれらの冒険を、
映画に収めることは、本当に楽しかったです。
——瀬田なつき(脚本・監督)
ジオラマボーイ・パノラマガール
2020年・秋 新宿ピカデリー他にて全国公開
配給:イオンエンターテイメント
©2020 岡崎京子/「ジオラマボーイ・パノラマガール」製作委員会