「最も純粋で美しい出会いであり、監督としての重要なターニングポイント」
映画音楽の巨匠であるイタリアの作曲家、エンニオ・モリコーネが去る7月6日に亡くなった。享年91歳。落下事故で大腿骨を骨折し、その影響と合併症でローマ市内の病院で亡くなったという。
訃報が伝えられると、クエンティン・タランティーノやエドガー・ライト、ジョン・カーペンターら映画監督をはじめ、ハンス・ジマーやメタリカ、ヨーヨー・マといった音楽家、さらにはゲーム・クリエイターの小島秀夫など多岐にわたる著名人たちが、追悼コメントを寄せた。
『荒野の用心棒』『アンタッチャブル』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ヘイトフル・エイト』など、エンリオ・モリコーネは映画音楽のキャリアが実に60年近く。映画とテレビ作品合わせて500作以上の作曲を手掛けてきた。
生涯現役を貫き、あの哀愁あふれるメロディーは、誰しもどこかで耳にしたことがあるはず。NHK大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」の音楽を担当したことでも知られ、日本でもファンが多い。
モリコーネといえば、ジュゼッペ・トルナトーレ監督との黄金コンビが有名で、『ニュー・シネマ・パラダイス』など数々の名作を残してきた。トルナトーレ監督からの追悼コメントは以下の通り。
「映画監督としてのキャリアの中で、私はとても多くの幸運に恵まれ、多くの恩恵を得てきたと実感しています。その中でも最も純粋で美しい出会いであり、監督としての重要なターニングポイントになったのは、偉大な音楽家エンニオ・モリコーネと出会えたことでした。私たちは32年間にもわたりパートナーとして、一緒に仕事をし、同時代を生きて、人生を楽しみ、また、一緒に取り組んだ仕事において本当に何度も何度も意見をぶつけ合い、創作というゴールの為に共に闘ってきました。偉大なる音楽家エンニオ・モリコーネとの出会いは、間違いなく私の人生の中で最も記憶に残る最高の出会いの一つでした。本当にありがとう」
奇しくもこのタイミングで、4Kデジタル修復版、イタリア完全版となって20年ぶりに日本で上映することが決まったジュゼッペ・トルナトーレ監督とエンニオ・モリコーネの黄金コンビによる不朽の名作『海の上のピアニスト』。大きなスクリーンで偉大なるマエストロ、エンニオ・モリコーネの音楽に浸れる貴重な機会となる。
海の上のピアニスト
2020年8月21日(金)からは4Kデジタル修復版、9月4日(金)からはイタリア完全版を公開
YEBISU GARDEN CINEMA、角川シネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国にて
配給:シンカ
©1998 MEDUSA
また角川シネマ有楽町、アップリンク吉祥寺と京都では、モリコーネ追悼上映が決定。以下がスケジュールとなる。
【エンニオ・モリコーネ追悼上映】
角川シネマ有楽町
8月14日(金)~8月20日(木)『ニュー・シネマ・パラダイス』
アップリンク吉祥寺
9月11日(金)~9月17日(木)『ニュー・シネマ・パラダイス』、『ヘイトフルエイト』
9月18日(金)~9月24日(木)『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』
アップリンク京都
9月11日(金)~9月17日(木)『ニュー・シネマ・パラダイス』
9月18日(金)~9月24日(木)『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』