杉山すぴ豊
アメコミ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。
ザック・スナイダー監督版「ジャスティス・リーグ」は本当に存在していて、日の目を見ることに!
この夏にDCファンを喜ばせるニュースがいくつかありました。まずはファンの間で半ば都市伝説になっていた「ザック・スナイダー版ジャスティス・リーグ(現状の原題:ZackSnyder's Justice League)」がリリースに向けて動き出したこと。
2017年に公開されたDCヒーロー集合映画「ジャスティス・リーグ」はザック・スナイダー監督による「マン・オブ・スティール」「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」につながる作品として準備されていました。しかし監督自身に身内の大きな不幸があって仕上げの作業に立ち会えない、ということから急遽「アベンジャーズ」のジョス・ウェドンが参加し劇場公開版が完成した、という経緯があります。
ところが本作に物足りなさを感じたファンを中心に、ザック・スナイダーが本来意図した「ジャスティス・リーグ」が観たい!という声があがります。ファンはザック・スナイダーがほぼほぼ完成させたバージョン(通称:ジャスティス・リーグ:スナイダー・カット)があるが、それをお蔵入りさせてジョス・ウェドンによる劇場版が公開されたのだと。これはSNSを通じて#ReleaseTheSnyderCut( スナイダー・カットを公開せよ)というムーブメントになりました。
しかしそもそもスナイダー・カットは存在しないとの声もあり真偽はわからず。だから都市伝説状態でした。でも昨年ザック・スナイダーがSNSにスナイダー・カットは存在すると投稿。スナイダーによれば撮影と編集は終わっているが特殊効果や音楽の仕上げがまだである、と。こうしてファンからまた観たい!観たい!との声があがります。
でこの後もいろいろあるんですが、結論から言うとこの春、アメリカで始まった動画配信サービスHBO-MAX(ワーナー、DC版の“ディズニー・プラス”と思ってください)の、2021年の目玉として「ジャスティス・リーグ:スナイダー・カット」改め「ザック・スナイダー版ジャスティス・リーグ」がリリースされると発表されました。
一説によれば特殊効果、音楽の仕上げに80億円追加予算を使うらしい。4時間ぐらいの尺なのでミニ・シリーズ的に分散して配信の可能性もあり。劇場版で出番が少なかったサイボーグ、ゴードン警部(J・K・シモンズが演じていたバットマンの盟友の警部)のシーンが増え、劇場版でカットされたブラック・スーパーマン(黒いスーツを着たダークサイド寄りのスーパーマン)、マーシャン・マンハンター(火星出身の変身超人。コミックではジャスティス・リーグの重要メンバー)、ダークサイド(ジャスティス・リーグが最終的に対峙するハズだったスーパーヴィラン)のシーンが復活の模様。日本でのリリース方法は未定ですがこれは是非みたい!
世界のDCファンが参加できるオンライン・コンベンションが開催決定
そしてもう一つDCファンを熱狂させたのは、今年リアル開催が中止になったサンディエゴ・コミコンのかわりにDCは独自のオンライン・コンベンション「DCファンドーム」の実施!
2020年8月22日(土)のアメリカ西海岸時間午前10時(日本時間23日(日)午前2時)から24時間ぶっとおしで開催。全世界どこからでもアクセス可能でなんと無料。日本語も対応してくれるらしい。
DC映画やTVシリーズの、主要キャストや監督たちが参加するパネル(発表会)も実施。従って『ワンダーウーマン1984』(2020年10月2日/以下いずれも全米公開予定日)『ザ・スーサイド・スクワッド』(2021年8月6日)『ザ・バットマン』(2021年10月1日)『ブラック・アダム』(2021年12月22日)『ザ・フラッシュ』(2022年6月3日)『シャザム!2』(2022年11月4日)『アクアマン2』(2022年12月16日)の初映像やニュース、キャストたちからのメッセージを期待ができそう。今年はDCファンが熱くなる夏となりそうです。