「体当たりな若者たちの、じんわりつらくて、とても優しい作品」
かつてメジャーデビュー寸前まで行った人気大学生バンド4人組。ささいな行き違いで解散してしまった彼らは、6年後、20代後半となってそれぞれの生活を歩んでいた。結婚、仕事、人間関係……。さまざまな人生の悩みに直面した彼らは、ふとしたきっかけで再び集まることになる。
本作『東京バタフライ』は、叶わなかった夢の残り香を胸に、30代を迎えようとする彼らのリアルを描く音楽ムービー。人生うまくいかないことだってあるけれどそんな中でも腐らず目の前の生活を一生懸命生きる若者たち。生きていく上で誰もが抱える後悔や挫折とストーリーをリンクさせ同世代へ共感を誘う。
本作で主演を務め、貫録の演技と圧巻の歌声を披露するのが白波多カミン。シンガーソングライターとして活動し、「京都のアンダーグラウンド女王」と称される存在だ。
白波多がギターを始めたのは小学6年生のとき。歌を書き始めたのは高校3年のときからだった。その後、下鴨神社での巫女というキャリアを経て、関西のレーベル〈ギューンカセット〉から2011年11月にアルバム『ランドセルカバーのゆくえ』でデビューした。
JOJO広重(非常階段)に見出され、非常階段がボーカロイドをフィーチャーした“初音階段”で初音ミク役に抜擢されたほか、渋谷毅、坂田明、曽我部恵一らベテラン・ミュージシャンとの共演も多い。柔らかで繊細な歌声と“仏壇の前でセックスをした”と歌う「姉弟」に象徴されるドキッとさせられる写実的でリアルな歌詞、そしてダイナミックなロックサウンドが合わさったアンバランスさで聴衆を魅了してきた。
これまでに1st album「ランドセルカバーのゆくえ」2nd album「くだもの」、弾き語りalbum「白波多カミン」を発表。バンド結成後、2015年には百々和宏(MO'SOME TONEBENDER/geek sleep sheep)プロデュースで日本コロムビアよりアルバム「空席のサーカス」でメジャーデビューしている。
本作について白波多は「体当たりな若者たちの、じんわりつらくて、とても優しい作品です。くじけて起き上がるとき、こころに寄り添ってくれる。夢を見ること自体に勇気のいる今だからこそ、この作品をぜひ観ていただけたら」と語る。
本作では、主演を務めるほか、主題歌「バタフライ」や劇中曲も担当している。あどけなさを残しながらも凛とした表情と歌声に注目だ。
東京バタフライ
2020年9月11日(金)アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
配給:SDP
©2020 WIT STUDIO/Tokyo New Cinema