映画『みをつくし料理帖』は、作家・高田郁による累計発行部数400万部突破のベストセラー時代劇シリーズが原作。料理人として運命を切り開いていく 主人公・ 澪の成長と、幼なじみ・野江との不変の友情を描いた感動の物語。
角川春樹は、『犬神家の一族』『セーラー服と機関銃』を筆頭に、1970代から80年代にかけて娯楽映画の見方・在り方を変えてきた革命的プロデューサー。製作者としてのみならず、『汚れた英雄』『天と地と』などの映画監督という顔を持つ。その角川が「生涯最後の映画監督作」として完成させたのが『みをつくし料理帖』である。
イベントは、まず角川春樹が登壇。「クランクアップするとあまりあとを引きずらないのですが、今回は2カ月引きずったんです」と今作について語り始めた角川は、撮影を「肩の力を抜いて誰よりも自分が楽しんでいた」と振り返った。また、今回メガホンを取った経緯について、京都の伏見稲荷を訪れた際に不思議な人物と出会ったことを挙げ、「この映画は自分が撮ったというよりも撮らされた。それはスタッフ、キャストにも感じました」と語った。
続いて、蝶が描かれた着物に蜘蛛柄の帯という姿で松任谷由実が登壇。『ねらわれた学園』の主題歌「守ってあげたい」を手掛けるなど角川春樹と親交が深い松任谷は、映画『みをつくし料理帖』について、「2時間の映画にするためどこをピックアップするのかと思っていたら、少女同士の友情物語で。でも、よく考えると角川さんらしいなと思いました」と角川春樹の少女性に言及。
「「Wの悲劇」(映画『Wの悲劇』主題歌。歌:薬師丸ひろ子)」が提供曲で最高の曲。神曲だと思っています」と語った松任谷。角川から本作の主題歌を依頼された心境については、「“来たー!!”って思いました」と述べ、その主題歌「散りてなお」について「(主題歌を歌う)手嶌葵さんの歌唱に興味があったので、手嶌さんの質感に寄り添うように作りました」と述べた。
また今回、角川から「「春よ、来い」を超える曲を作ってくれと言われた」と明かした松任谷は、「曲は出会いなので、それには勝てない」と前置きし、「大変難しいお題だったけど、それができたと思います」「角川さんの少女性が曲を作らせてくれた。角川さんの人柄が、振り返ると反映してると思います」と語った。
イベントの後半には、サプライズゲストとして手嶌葵がリモートで出演。松任谷由実から提供された主題歌「散りてなお」について、「懐かしい感じがして、小さい頃の思い出がいっぱい蘇ってきました。いろんな世代の方に懐かしく聴こえたらいいなと思いました」と語り、その後「散りてなお」を披露。その歌唱を聴いた角川春樹は、「手嶌さんの歌に打ちのめされました。魂が引っ張り出されて、洗濯されて、戻された感じがしました」と感想を述べた。
映画『みをつくし料理帖』
2020年10月16日(金)全国公開
出演:松本穂香 奈緒
若村麻由美 浅野温子 窪塚洋介 小関裕太 藤井隆
野村宏伸 衛藤美彩 渡辺典子 村上 淳 /
永島敏行 反町隆史 榎木孝明 鹿賀丈史
薬師丸ひろ子 / 石坂浩二(特別出演) / 中村獅童
製作・監督:角川春樹
原作:髙田 郁「みをつくし料理帖」(角川春樹事務所)
主題歌:手嶌 葵「散りてなお」
作詞・作曲/松任谷由実
編曲/松任谷正隆(ビクターエンタテインメント)
配給:東映