トランプ大統領がツイッターで批判?
本作は、現代のアメリカを二極化する”上流階級VS庶民階級”や、蔓延るweb上の陰謀論に着想を得たとされ、さらに昨今、日本でも問題となっているSNS上でのヘイト発言などを「人間狩り」に置き換えて過激に風刺。スピーディーに展開される予測不能な激しいバイオレンス描写とモラル破壊の表現から、当時の全米の銃乱射事件もきっかけとなり、トランプ大統領が作品名こそ挙げなかったもののツイッターで批判するなど物議を醸し、ユニバーサル・ピクチャーズは公開を一旦白紙にした。
何もない森の中で目覚めたごく普通のアメリカ人たちは、エリート集団に“獲物”として狩られるために集められたとも知らず、気持ちの整理もつかぬままハンティングされていくのだが…。
今回解禁された本編映像は、森を抜け出した“獲物”の一人クリスタル(ベティ・ギルピン)がコンビニでタバコとマッチを購入しようとする場面。ようやく獲物以外の人間に出会い少しばかり落ち着けるかと思いきや、レジ下に隠した武器を見えない位置でそっと手に構える素振りと、州のタバコ代と釣銭が合わないことまでも察知した次の瞬間、驚異の身のこなしで「このドジが!」と老夫婦をあっという間に仕留めてしまう!獲物だったはずの女性が狩られる前に狩る容赦のない圧倒的強さを見せつけており、エリートが娯楽ではじめた”人間狩り”がいったいどう展開していくのか、血の沸き立つシーンとなっている。
本作の監督を務めるクレイグ・ゾベルは、この強烈なキャラクターを演じたベティについて「脚本を読んだ時、僕の頭の中にすぐ思い浮かんだのがベティだったんだ。彼女なら完璧に演じられると思っていたよ。映画の撮影中、筋肉を驚くほど鍛え上げていたよ。一番すごかった時には、ベンチプレスで僕ら2人を持ち上げられたんじゃないかな。彼女の姿を見ているだけで感動したよ。」と絶賛、役作りで培ったその身体能力は想像以上のよう。
ベティ自身もハマり役と感じていたようで「これまで長いこと、男が内なるモンスターを解き放って感情を爆発させる一方で、それを差合える妻やガールフレンドを演じてきた。だけど、すごく多くの女性が『私だって窓からイスを放り投げられますけど?』と思ってる。不思議なんだけど、男を励ますように笑みを浮かべたり、赤ちゃんと洗濯カゴを抱えた妻よりも、クリスタルのほうがはるかに取り組みやすかった」と振り返っている。
こうして、”狩られる側”が思わぬ反撃に出たことで、”人間狩り”の行く末はますます予測不能に…?日本公開はまもなくだ。
監督:クレイグ・ゾベル 製作:ジェイソン・ブラム
脚本:ニック・キューズ、デイモン・リンデロフ
出演:ヒラリー・スワンク、ベティ・ギルピン、エマ・ロバーツほか
配給:東宝東和
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